のみすぎと緑の小さいおっさん
近くの木の陰に隠れて様子を見ると、洞窟の前には見張りと思わしき原住民が1人ウロウロしているのが見えた。原住…民?なのか、あれ。
どう見てもほっかむりをした緑色の小さいおっさんにしか見えない。
困惑していると、正体を知っているのかヒキニートが語りだした。
「あいつはきっとゴブリンの過激派だケロ。昔、大学の講堂に立てこもったりしてバリケードを作ったり、国内でテロ活動したり外国に行ってテロの支援をしたりしていたため魔界で指名手配になっている奴にちょっと似てるでケロよ!」
ゴブリンの過激派ってなんだよそれ…。
「そもそもゴブリンって大学に行くの?」
「失敬だな人間。貴様らの国同様、勉強さえできれば大学には行けるでケロ。
見た目で判断するとは愚か者のすることだケロよ。」
お前の口からまさか正論が出るとは思わなかったよ。
「魔界には色々な種族がいますのぅ。」
「お前ら、そろそろ潜入するがあの見張りどうするか考えようぜ。」
他の人よりも大幅に肌色が多い忍者が痺れを切らしたように言った。
そういえばそうだった。
「こういう時ってどうすんの?」
「罠をしかけるか、遠距離から仕留めるか、直接戦うかだな。遠距離から攻撃するのであれば俺が行く。罠を仕掛ける場合は何か補助魔法を使える奴がいると助かる。
直接の場合はきっと見張りが誰かを呼ぶだろう。」
「初めての潜入で直接戦闘は避けたいわね。」
「俺様のような高貴な者に戦闘なんぞという野蛮な行為をさせるとは。モザイクよ貴様が行って露払いするがいいケロ。」
「モザイク殿のカッコいい所が見たいのぅ。」
健さんの一言にちょっと照れながらも
「よーしお前ら今回だけだからな!」
と言って忍者は颯爽と飛び出して行った、全裸で。
「ぎゃっ!?」
入り口からゴブリンの鋭い悲鳴が聞こえ、ドサリと倒れた音がした。
「仕留めたぞ。」
後ろから肌色忍者が帰ってきた。
「わわっ、びっくりした!もうびっくりさせないでよ!」
「おかげで数滴ほどチビったではないケロか。」
「寿命が数分縮んだかと思うた。」
「お前らもっと俺を褒めろよ!」
忍者の頭巾が若干湿っていたのはきっと、気のせい。
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