のみすぎとカエルのソウルジェム
「ここです。あとはどうぞよろしく。」
翌日、えらくざっくりとした紹介で私たちは洞窟の近くまで案内された。
ここから私たちの初クエストが始まる…!と意識を新たにしている横から
かったるそうな声が聞こえてきた。
「あんなに充電したのにもうケータイの電池が切れそうケロ!
これだから田舎は嫌だケロ!」
「洞窟に入る前にお前の電池が切れそうなんだけど何やってたのよ。」
「そんなキレそうな顔するなケロよ。」
「だれがうまいこといえと。」
グッとヒキニートを睨みつける。
「お前元気なさそうだが大丈夫か?俺がおぶってやろうか?」
「裸の男に密着は遠慮するでケロ。ちょっと魔法を使っただけだケロ。」
「ヒキニート殿、やってしまいましたのぅ。」
「健さん、あいつに一体なに吹き込んだの…。」
「すごく困っていらしたので、ケータイの電池の時間を
少しだけ巻き戻してみたらどうかと伝えてみたのですじゃ。」
…健さん。
「移動中にアニメをチェックしたら電池が一気に減ったから、帰りのためにフル充電に巻き戻したケロ!そしたらすっごく疲れたでケロ!」
何かをやりきったような清々しい顔でヒキニートは言ってきた。
「後悔なんかあるわけない、ケロ」
「魔法少女みたいなセリフ吐いて誤魔化そうとするなよ!」
私はグイっとヒキニートの胸ぐらを掴む。
「おっとそこまでだ。これ以上乱暴すると俺様のソウルジェムが濁って魔法が使えなくなるでケロ!」
「もう十分濁ってドブ色だろうが!!」
私は問答無用で拳を振り下ろした。
「おっとお前らそろそろ静かにしろよ。見張りを見つけた。」
覆面モザイクが止めに入ってきた。
ここからが本番だ。
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