のみすぎと現代っ子

飲み物を買っていて夕方のバスに乗り遅れ、50mほど走って追いかけて乗せてもらい少し気まずい状態でバスに揺られてたりしたけれど、なんとか無事に最寄の町にはついた。

既に夜も更けていたのもあり、のみすぎ達は町で唯一の宿、民宿・ボロ荘に一泊するのであった。町唯一の宿であったので、価格は相場よりも強気の設定だった。

設備やサービスは…名前の通りとだけいっておこう。

村からの迎えが明日早いためチェックインして

さっさと寝ようかといっていた矢先、ヒキニートが騒ぎ出した。

「この宿、充電器が合わなくてケータイが充電できないでケロ!」

「一晩くらいケータイ使えなくても大丈夫でしょ。寝るわよ。」

「インターネッツが無いと俺様は死んでしまうでケロよぉぉ…。」

どこの現代っ子だ。

「あー、充電器の型が魔界のと合わないんだな。くたびれ荘は認可の宿だから大丈夫だが、ここは田舎の普通の宿だから変換器がないと外国の充電器は使えないぜ。」

「モザイク殿詳しいですな。」

「俺は仕事で魔界とかも行ってたからな。」

どんな仕事で行くんだよ魔界。

この国の人の間では、魔界は外国のうちのひとつくらいの認識であることを

ここに念のため書き加えておこう。

「変換器とか持ってないでケロか?」

「すまんが古い型だからお前のケータイには合わないな。」

カエルはみるみるうちに元気をなくしていた。

「ヒキニート殿」

健さんはヒキニートを呼び、何か耳打ちをした。

「健さん、それはいいアイデアだケロ!早速試してみるでケロ!」

途端に元気になった。あいつがいい顔をする時は大方ロクでもないので、

健さんの入れ知恵もきっとしょうもないアイデアなんだろう。

ぐふぐふと喜ぶカエルを尻目に、私はさっさと寝ることにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る