のみすぎとはじめての依頼
「ウチの常連のヤキソバからの依頼なんだが、彼の出身のヘンピナ村で原住民らしき武装ゲリラが近場の洞窟に立てこもり、村の商品を略奪しているので誰か冒険者を派遣してほしいという話だ。依頼者は職安で勤めているから詳細はそっちに行って聞いてくれ。」
えっと…初依頼の割にめっちゃ危ないじゃん!
そんなのパスだパス!!
ゲームでも最初はさー、もっとおつかいイベントのようなさぁ、どこどこに行って何々を買ってきてくれとかさぁ、なんかそんな感じのヌルいイベントじゃん。
「輝さん、それ下手したら死んじゃうじゃん…。」
弱々しそうな声を作って話しかける。
旬を過ぎたとはいえ、女はか弱いということをここでしっかりとアピールしてやらねば。
「まぁ、戦闘はあるかもしれんがちょっとした喧嘩程度だ。」
それは輝さんの場合でしょうが。
「オヤジ、脳筋の貴様とは違いこの俺様は繊細だケロ!
もっと俺様に相応しい華麗な頭脳系の依頼にチェンジするでケロ!」
色々突っ込みたいことはあるがクソニートよくやった!
正直期待はしていなかったがお前にしてはまぁまぁの援護射撃だ。
あとの2人がノーを言うかどうか期待しながら見つめていると
「戦闘慣れしている俺がお前らを守ってやるから安心してついてこい。」
モザイク野郎がしたり顔でサムズアップしてくる。
違う、そうじゃないから。
「あのー、モザイク殿。わしも守っては貰えんじゃろうか。」
健さん…。
ここはやっぱ私が一肌脱いでかよわい系女子アピールをするしかないのか。
「輝さん、この依頼はやっぱ私たちには…」
私は上目遣いでチラっと輝さんの方を見つめる。
「ツケ…」
「あーわかったわかった行きますって!!」
半ばヤケクソになってクエストを受諾した。
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