第22話 よく眠るめぐみん



時刻は朝の8時くらいだろうか、爆裂魔法を撃ち終え紅魔の里の門まで帰って来た俺達の前に何処か見覚えのある少女が話しかけて来た。


「あるえ久しぶりね!元気してたよ!」


あるえ、さっきもそうだがゆんゆんの奴あるえと言ったな。そいえば何処かで1度あったような…あるえ…あるえ…あっ!


「あぁ!お前ゆんゆんに族長の手紙と一緒に変な小説送ってきたやつか!思い出した!」


「なっ!変な小説とは失敬な!私の小説はとても立派なもので…!」


「何が立派だ、それのせいで俺は色々損したんだぞ。」


「そ、それはむしろ私のせいではない気が…」


「あ?何か言ったか?、めぐみんそろそろ良いか?だいぶ魔力を送ったんだけど」


里の門に着いてからめぐみんを降ろしてずっとドレインタッチでめぐみんに魔力を送り続けているが、こいつ一行に立とうとしないな。


「はひぃ…もうちょっとだけ…あぁカズマの魔力が私の中に…」


「めぐみん少し黙ってようか!いらぬ誤解を生むから!」


「ふーむ…」


「ん?何だよこっちじっと見て」


「いやぁ前見た時よりかなり仲良くなったな〜と思ってね。」


確かに前と比べたらかなり仲良くはなった、なったけど今はちょっと問題があるんだよな。


「ふぅ、あっカズマ私と同じ眼帯を付けた人がいるのですが、というか私の事を知ってるような…」


「あぁあれはお前の知り合いで、名前はあるえって言うらしい、変な小説を書くのが好きな奴だが詳しくはゆんゆんにでも聞いてくれよ」


「私の小説に変なのを付けないでもらいたのだが!それに自己紹介も適当だし…。というかめぐみん私の事忘れてしまったのか?」


「んー忘れたというか、記憶が無いというか…」


実際そう感じたのだからそう言うしか無いんだけども、というかやっぱ紅魔族は頭がおかしい奴しかいないのか。


「頭がおかしいは失礼だぞ外の人よ」


「そうですよカズマさん、私達は頭がおかしくはありませんよ!」


「カズマその頭がおかしいって所は私は含まれていませんよね?」


「もうやめて!俺の考えてる事を読まないで!!悲しくなっちゃう!」


今度は一気に3人に考えてる事を読まれる俺…もうお家に帰りたい!


「あはは…しかしめぐみん先程記憶が無いと言ったね?」


「はい、記憶が無いのであなたがどんな人なのかも知りません。」


「ふむふむ…なるほどそういう事か、よし立ち話も何だから近くの喫茶店にでも行こうか。」


「ほぅ何か納得したと思えば喫茶店に…もしや何か企んで?」


「何も企んで無いよ!」


「怪しい…」


「怪しまないで!本当に何もないから!」


何とも言えぬじゃれあいだな、しかし丁度腹が減ってきた所だしこれは良いんじゃないか?


「めぐみんそんなに怪しむなよ、とりあえずあるえがいう喫茶店にでも行こうぜ」


「まぁカズマがそう言うなら…」


「何か外の人の言う事だけ簡単に信じるねめぐみん…」


「ま、まぁ今は色々あるから…ね?」


「では行くと決まれば早く案内して下さいよ、あるえ?でしたっけ」


「そうさ、我が名はあるえ!紅魔族随一作家を目指す者!それじゃ行こうか〜」


流石紅魔族変にかっこつける自己紹介は忘れないな。


「おぉ〜!かっこいい自己紹介ですね!カズマちょっと今の私もやって見て良いですか!?」


「やらなくて良い、さっさと行くぞ。ゆんゆんも急がないと置いてかれるぞ」


「むぅカズマのケチ…それにぼっちであるゆんゆんは置いていってもすぐ追いついて来ますよだって…」


「まって!私ストーカーじゃないからね!?今日の事はたまたまで!」


めぐみんが言いたい事は俺にも分かる、だがそれを言ってしまったら…いややめておこう、それにあるえはどうやら友達みたいな感じだし大丈夫だろ。


「お〜い2人とも喧嘩してないで早く〜ついでに外の人も〜」


「あっあるえごめん!今行く〜!」


「ついでとか言うなよ!」


「まぁ良いではありませんか、もしあるえという方がカズマに何か変な事した時は我が爆裂魔法で!」


「それはやめてくれ、俺も死ぬ。というかお前さっき撃ったばかりだろうが」


「それは言わないで下さいよせっかく忘れてたのに」


「いや忘れんなよ…ほらさっさと行くぞ、2人を待たせちゃ悪いしな」


「あっ待ってくださいよー!」


少々めぐみんと無駄話してたら2人ともめっちゃ距離離れてるんだけど、まぁただ何処の店に入るかはすぐ分かった。それは喫茶店も里でたった一軒しかないからだ。


にしても本当に分かりやすい店の名前だな…何だよデットリーポイズンってハンスを思い出すぞ。まぁそんな事はどうでも良いとして、俺とめぐみんは2人の後に続いて喫茶店へと入るのだった。





「はふぅ…もう食べれません…」


「食べ過ぎだっつーのお前」


喫茶店に入った後腹が減っていた俺とめぐみんは喫茶店特性のモーニングセットを頼み、ゆんゆんとあるえはコーヒーとサンドイッチを頼んでいた。


ちなみにめぐみんはモーニングセットを2回ほどお代わりして腹いっぱいになったらしい。


「たく誰がこれ払うと思ってんだよ。」


「それは君が払うのだろう?懐が随分と膨らんでるらしいし」


「ちょっと待てそれ何処で知ったんだよ!」


「ひょいざぶろーさんとゆいゆいさんからだよ?」


「なっ!」


あの夫婦俺がいない所で何ちゅう事言いふらしてくれてんだよ!


「まぁそんな事は良しとして外の人」


「そんな事って…、ていうかその外の人はやめてくれよ、カズマで良いさ」


「分かったそれじゃカズマ、あなたは遠い国から来た人だよね?」


「んーまぁ合ってるっちゃ合ってるけどそれが?」


「いやぁ、最近小説に合う良いネタが無くてねー遠い国から来たカズマなら何かこう私にビビッとくる何かを話してくれるとありがたいんだけど…だめかい?」


「いや別に駄目な訳はないけど、んー。」


話すにしても殆ど引きこもってた俺はネット上の話しかできないんだけど…小説とかあんま読んだ事無いしな〜。


「あっ今ネタが無いとか言ってたが、小説自体は進んでるのか?」


「あぁ、実はこの前君に破られたあのゆんゆんが主人公の奴を書き直してね、今は2章分書いてるんだ」


「また私が主人公なの!?」


「ゆんゆんちょっと静かにしてください寝れないじゃないですか、騒ぐならまた泣くほどいじめてやりますよ」


「お願いいじめないで!」


「そうだぞめぐみんゆんゆんが可哀想だろ、そして寝ようとすんなよ」


「すやすや〜」


「聞いてねぇ…」


「まぁめぐみんはマイペースな所があるからね」


「いやいや流石にマイペース過ぎじゃないですかねこれ」


もはや寝息まで聞こえるんですけど、はぁ結局めぐみんを背負って帰るのか…まぁ別に嫌じゃないけど。


「あはは、じゃあ話を戻すとして。さぁ今話せる事話してもらおうか!さぁさぁ!」


「何かめぐみんが2人いるみたいに感じるんだけど。」


「あはは…小説の事になると周りが見えなくなりますからね…あるえは…。」


見えなくなりすぎだろ、ていうか何か語り始めたし。とりあえず適当に話だけしてさっさとめぐみんを家まで運ぶとするか。






「てなわけで俺の国にあった恋愛小説やバトル系の小説はそういう展開が多かった訳だ」


「なるほど、何とも分かりやすくていい…!」


俺はあの後1時間ほど日本にある漫画や小説についてあるえに話した。

まぁ殆どネットの話だけどな、なおめぐみんはあの後少し起こそうと身体を揺すったりしてみたが全く起きなかった。


「さて、俺はそろそろ帰るとするよめぐみんが完璧に寝ちまってるし」


「そうだね、もうお開きにしようか。カズマ今日はありがとうこれでまた小説が進むよ!」


「別に良いさ」


「あっカズマさん私がめぐみんを背負いましょうか?」


「いや良いよゆんゆんには色々と悪い事したし」


「い、いや!別に私はそんなに気にしては…」


「ゆんゆん此処はカズマに背負わせてあげなよ、後めぐみん無事元に戻ると良いね」


「だな、じゃないとこっちが色々困る。そうだあるえが着てる服それ何かの制服か?」


「ん?これかい?これは紅魔の里にある学校の制服だよ」


ほう、学校がある事は知ってたけど制服まであるんだな。ローブの下にチラチラと見えていたピンク色の服に赤とオレンジのシマシマ模様のネクタイ、紅魔族が気に入りそうなデザインだな。


「なるほど、しかし何で制服なんて着てるんだ?」


「あぁ、これは単にしっくりくるからで…って話すと長くなりそうだからまた今度にするよ、それじゃまたねカズマ、ゆんゆん!」


あるえはそう言って喫茶店から出て行った、あっあいつコーヒー代とか置いていかなかったな…。


「さてそれじゃ私達も行きましょうか!あっあるえの分は私が出しますので!」


「いや良いよ、此処は全部俺が出すからそんなに高くないし」


「いやそれは流石に!」


「遠慮すんなって、それにわざわざこうして朝早くからこいつの魔法の為に付き合わせてしまったしさ」


「確かにそうですけどでも!」


「うーん…さっきからうるさいですよゆんゆん…」


「めぐみん起きたのね!」


「あなたが大声で話してるせいですよ…ふぁぁ…カズマこんなぼっちはほっといて早く帰りましょう…」


「ぼっちって言わないでよ!」


「まぁまぁ落ち着けゆんゆん、此処で言い合ってたら流石に店の人に迷惑だしとりあえず俺が出すから。次また何処か来た時にでも何か奢ってくれれば良いさ」


「分かりました、ではまた来た時に奢らせて貰いますね!」


何だろう、女の子に今度奢らせてもらうって他の人に聞かれたら間違いなく変な目で見られそう。


「んじゃゆんゆんまたな」


「はい!また!」


「ふぅ…さて帰るとするか」




時刻はまだ朝の9時くらいだろうか太陽が眩しい、はぁ…朝早くから起きたせいか眠気が…めぐみんの家に着いたら寝かせてもらうか。


「ん…」


「おっやっと起きたかめぐみん」


「はい…あれゆんゆんは?」


「さっき喫茶店出て家に帰って行ったぞ、ていうか良く人の背中で寝れるな」


「なるほどそうでしたか、いやぁカズマの背中は中々居心地が良くてですね、喫茶店のテーブルで寝てた時よりぐっすり寝れましたよ」


「それはどうも、というか起きたんなら降りてくれると助かるんだが。」


「嫌ですね、それにほら私の家もだいぶ見えて来ましたし別に今降ろさなくても良いじゃないですか」


うんそれはそう何だけどね?おぶってる方の身にもなって欲しい。いくらめぐみんが軽くても寝ている時はそれなに重く感じるし。


「今私の事重いと思いましたか?」


「思ってない」


「怪しい」


「まぁこのまま家までおぶってやるからそんなに怪しむなよ、それともそんなに怪しむなら降りて歩く事になるぞ?」


「むぅ、分かりましたよ今回だけですからね」


よし何とか誤魔化せたぞ、しかしこうも俺の考えてる事がバレるとなんか疲れるなぁ、てか何でこいつ偉そうに言ってんだ。


「それにしても、あのあるえという方が着ていたピンク色の服はこの里にある学校の制服だったんですね」


「何だあん時起きてたのか?」


「ええ少しだけ、すぐ寝てしまいましたが。」


「本当よく寝れるなお前。」


「ふっカズマ人間眠気には勝てないのですよ」


何だこの駄目人間が常に言ってそうな言葉は殴りたくなったぞ。


「まぁそれより私もそのあるえが言っていた学校は私も通っていたんですよね?」


「んっそうだな、お前その学校じゃ1番だったらしいな魔法が残念だけど」


「ほう1番ですか!この私が1番とは!いやぁ実に良いですねぇ♪」


「1番ってだけで興奮し過ぎだろお前」


「そりゃこの里にある学校で1番だったんですよ?興奮しない訳ないじゃないですか!というか私の魔法が残念とはどういう事か聞かせてもらおうじゃないか」


「そのまんまの意味だが?」


「良いでしょう、カズマこのまま絞め殺してあげます」


「いててて!!やめろ!!首絞めるな!息が…できない!」


一体どこからこんな力出て来たんだよめぐみんの奴め!


「ふっ、カズマが私を馬鹿にするからです」


「だからって首絞めるか普通!?」


全くこう見てると本当に学校で成績1番とか疑わしくなるな、覚えてる魔法も爆裂魔法だけだし。


「今また失礼は事考えましたね、良いでしょうまた首を絞めてあげますよ」


「やめろ!一々首を絞めるんじゃねぇ!」


「だったらなるべくそういう事は考えないようにして下さい、全くこれだからカズマは…」


「へいへい悪かったよ〜」


「反省する気無しですね」


「そりゃ俺は一切悪いと思ってないからな」


だって全部本当の事だし?別にそれを言っちゃいけないなんて無いしな!


「あっやっと着きましたね」


「おっ、んじゃ早く降りてくれよ流石にこのままじゃドアが開けれん」


「しょうがないですね〜」


「何故そんなに偉そうなんだお前は」


「よっと、まぁまぁそんな事は良いじゃないですか」


めぐみんはそう言い家の玄関のドアを開ける、はぁ疲れたしそれに眠気がヤバイし部屋に戻って寝るとするか。


「「ただいま〜」」


「あっやっと帰って来たわねめぐみんそれにカズマ、朝早くから良く出かけられたわね」


玄関のドアを開けるとアクアがいた、あっ水が流れる音がするという事は丁度トイレから出て来たんだなこいつ


「まぁその色々だよ」


「何その色々って」


「色々は色々だ、ふぁぁぁ〜…とりあえず眠いから一眠りするわ、んじゃおやすみ〜」


「あっカズマ部屋に戻るなら私も」


「あんなの放って起きなさいめぐみん、それより朝ご飯まだ残ってるから食べるなら早く食べちゃいなさいな」


「えっあぁその私はもうご飯は…」


アクアに捕まっておろおろするめぐみん、ナイスだアクア正直寝るなら1人の方が直ぐに寝る事が出来るからな


俺は眠気に耐えつつめぐみんの部屋に入りそのまま眠ったのだった。

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