第20話 初日の夜

「ふぅ、2人分でしたからすぐ終わっちゃいました」


先程カズマは風呂へ入ると言ってたので私は食べ終わった食器を片付けていた、カズマは長風呂が好きらしいのでしばらくは出てきませんね。


「うーん…後片付けが終ったら眠気が…早く部屋に戻って布団敷きましょうか」


疲れがやってきたのか眠気が…これは早く部屋に戻るとしますかね。





「んしょっと、しかしこの部屋本当に布団一枚しかないんですね…」


眠気が強くなってきたので、早く寝ようと押入れを開けると布団が一枚しか入ってませんでした。


だからゆいゆいさん一緒に寝ろと言ったのですね…まぁ聞くとどうやら前来た時何度か無理やり私と一緒に部屋で寝かせようとしてたみたいですし


カズマは慣れちゃってたから別に良いと言ったのかもしれませんね。そんな事を考えながら私はモゾモゾと布団に入りそのまま眠ろうとした時ある事を思い出した。


「あっ今日の事日記に書かないと」


そう日記、せっかく持ってきたのに忘れるとは…カズマがいたら何か言われそうです。


「んしょ、さてさてとりあえず覚えてる事だけちゃちゃっと書いちゃいましょうか」


とりあえず鞄から日記とペンを取り出し今日あった事を覚えてる限り書いていくと2ページちょっと埋まった。


「これでよしと、うーんこれ見る限り明らかゆんゆんの事しか書いてませんね…」


そう今日あった事を色々書いてると半分ほどゆんゆんの勝負話で埋まっていた、これ明日もこんな感じになるんですかね…


いやいや流石に明日も勝負話されたらたまったもんじゃありません、そんな事してたら何も思い出せずにあっという間に1週間が過ぎてしまいます!


「とりあえず明日ゆんゆんに会ったら勝負話は出来るだけ控えるように伝えとかないと、さて書くもんは書きましたし寝るとしますかね…ふぁぁ」


ちょっとカズマが戻ってくる前に寝るのは怖いですが眠気には勝てません、どうせ私が寝てる間にセクハラするんでしょうけど。


まぁもしまたしたらもう一発腹に蹴りいれてやりますかね…





「いやぁ〜スッキリした〜やっぱ風呂に入るとリラックス出来て良いな」


しかし軽く風呂に入るつもりがまさか30分も風呂に浸かるとは思わなかったぜ、まぁ気持ち良かったし良いか!


「あっそういえば、めぐみんの奴もう寝ちまったか?」


ふと思い出した俺は体も拭き終わり手早く何時ものジャージに着替え脱衣所から出ると居間の明かりは既に消えていた


「居間の明かりが消えてるという事はもうめぐみんは部屋で寝てるな、てか少し廊下暗いな…」


今は21時を回った頃だろうか

流石に月明かりがあまり入ってこないせいか、廊下は薄暗いが目を懲らせばギリギリ廊下の床くらいは見える


部屋はすぐそこだし、俺は目を凝らし壁に手を付きながらめぐみんが寝ている部屋へと向かう。


あっそうだ寝てるんならこっそり胸を揉むか?いやいや待つんだ俺、少し前に一発腹に蹴りを入れられたじゃないか


だとすると他は…また布団の中でめぐみんの手を握るか後はパンツを脱がすかだが、手を握るのは良いとしてパンツ脱がしてそれをバレたら蹴りだけじゃ済まなくなりそうだ…


「おっ部屋の前まで着いたな…とりあえず布団の中に潜り込んでから考えるとしますかね…」


俺はめぐみんが起きぬよう静かにドアを開け、部屋の中へ入るとなるべく音を鳴らさぬようにゆっくりとドアを閉めた


「よし、めぐみんは寝てるな…んじゃ起こさぬようにと…」


ゆっくりと布団に向かって歩くとめぐみんが起きてない事を確認し布団の中に潜り込んだ。


「すーすー…」


「しかしこいつ良く寝てるな…今日は爆裂魔法は撃ってないのに」


今は気持ちよくすーすーと寝息をたてながら寝ているめぐみん、まぁ今日は里に来て初日だし色々と気を張って無理してたんだろうな


まぁ明日になれば気が抜けて少しは楽になるだろうし


「ふぁぁ…さて俺もそろそろ寝るか。」


しかし軽く2、3時間寝たとはいえ布団の中に入ると眠くなるもんだなぁ…


俺は目を閉じそのまま深い眠りに…


「ん〜…ギュー」


むっ人が寝ようとしてる時に寝返りするとはめぐみんめ、まぁ今は眠いから許してやるが明日何かお仕置きでも…


ん?なんだ俺の胸辺りに何やら暖かい息みたいなものが…それに何か抱きつかれてる感じがするんだけども…ちょっと見てみるか?


閉じていた目を開けるとそこには先程よりも近くにきためぐみんの顔がありそしてさっきの寝返りのせいなのか、俺に抱きついて寝てるみたいだ…ってちょっと待て


(おかしい、何で寝返っただけで抱きついてんのこいつは!しかも顔が俺の胸辺りにあって息が凄く当たるんですけど!)


しかもこの状況前にもあったような気がするし!あっまためぐみんの息が!、落ち着け俺落ち着くのだ。


と、とりあえずめぐみんが起きてないか確認しよう!


「お、おーいめぐみん何俺に抱きついてんだ?」


「すーすー…」


軽く揺さぶり声をかけるが返事はない、はい完全に熟睡してますねこれ。ていうかちょっと俺のナニがむくむくと大きくなってきてるんですが。


「ふふっ…スリスリ」


えっ何急にスリスリし始めてるんですかこの子は?可愛いんですけど!てか今笑わなかったかこいつ?とりあえずもう一回声かけ見よう!


「めぐみん?お前本当に寝てるのか?起きてるならこの手をどけてくれよ」


「…」


んーやはり返事は無しか…しかしこれはもうあれだないっその事俺も抱きついてしまえば良いんじゃないか?


もしめぐみんが起きてしまったらたまたま寝相で抱きついていたと言えば大丈夫なはずだ。


よーしそうと決まれば俺も抱きついてやるぞー!俺は意を決してめぐみんに抱きつこうとゆっくり背中まで手を回そうとした時めぐみんの目がパチリと開いた


何でこういう時に限って目を覚ますんだよ!俺の幸運どこいった!


「ん〜…おや、カズマいつの間に風呂から…」


「さっき風呂から出て来たんだよ」


「なるほど…あのカズマ何やらちょっと機嫌が悪そうに見えるのですが気のせいですか?」


「気のせいだよ」


別に全然機嫌なんて悪く無いし、タイミングが悪いのは何時もの事だし?


「そうですか、それじゃもう一つ私が寝ぼけてるせいなのかもですが、何でカズマの顔がこんなに近くまできてるのですか?」


「お前が寝相で抱きついて来たからだ」


「えっ私が?カズマに?」


「そうだよ、お前が寝相で俺に抱きついて来てしかも嬉しそうに俺の胸元に顔をスリスリして来たぞ」


おかげで興奮して現在俺のアレが大きくなってるけどな


「いやいや何を言ってるのですかカズマ私が寝相何かで…あれ本当に抱きついてる…」


「だろ?もしまだ違うと言うのなら今何でお前の手は俺の背中にあるんだ?どういう事か説明してみろ」


「えっ…それはその…」


「あと俺の股の間にめぐみんの足があるような感じがするんだけどさ、ちょっと確かめてくれよ」


「えぇ!?ま、まさかそんな!?」


「何だ俺が嘘を言ってると思ってるのか?」


「そうは思っていませんけど…ただその確かめると言う事はカズマのアレを…」


顔を赤くしモジモジし始めるめぐみん、いやぁ見事嘘に引っかかってくれたな。本当にめぐみんの足が俺の股の間に入ってたら擦すって色々と済ましてるとこだぞ。


よしここは更に攻めてみようか


「おいめぐみんモジモジされると俺のアレが当たって更に大きくなるんだが」


「えっ!流石にそれは嘘でしょう!?私からは当たってる感覚が無いですし!」


「本当だって、てかさっきも言ったがそんなに疑うなら見てみろよ」


「いやだからカズマは女性に何を見せようと言うのですか!」


「何ってめぐみんが俺の股の間に足を入れてる所を見せたいだけだぞ?」


「それ絶対嘘ですよね!?」


ちっこれは引っかからなかったか残念だ。そして何やらめぐみんが何か気づいたような顔をしている


「カズマ、本当に私の足がカズマの股の間に入ってるんですよね?」


「おいおいめぐみんさっきからそう言ってるだろうお前は頭打った時記憶どころか馬鹿になったのか?」


「いえ、別に馬鹿になった訳ではありませんよ記憶はありませんけど。それに今中を覗く以外に確かめる方法を思いつきました」


何だろうめぐみんから湧き出てくる不吉な感じは…まさか俺の危機察知能力が発動して何か知らせてたり?いや考え過ぎだここは冷静に!


「そ、そうかなぁめぐみんその覗く以外に確かめる方法ってのは何だ?」


「あぁそれはですね…こうするのですよ!」


「え?ぐふぅ!?」


突然俺の股間付近からもの凄い痛みが湧いてきた待て待て今何が起こった!?


「ふむ、足が動くという事はどうやらカズマが言っていたのは嘘のようですね、ていうかどんだけ大きくしてるんですかカズマの変態」


「お、お前な…!流石にこれはやりすぎだ!」


俺は痛みを必死に耐えながらめぐみんにそう言った、いくら何でも股間蹴りは無しだろうが!


「ふん!カズマが嘘をついてしかもそんなに大きくして変な事しようとしたからですよ!」


「何おう!?元はと言えばお前が抱きついてきたのが原因だろうが!」


「なっ!?そ、それは今関係無いでしょう!?もうカズマの馬鹿!」


「げぼぉ!!お前また人の大事なとこを…!!」


「ふん!これは仕返しですよ!」


くっそ!何で俺がこんな目に!しょうがない正直これはやりたくなかったが!


「めぐみんお前のせいだからなこうなったのは!『スティール!』」


俺はめぐみんに思いっきりスティールを唱えめぐみんが履いていた下着を奪ってやった


「きゃぁ!?何するんですか!」


「ふっふっふ…ざまぁみろめぐみん」


「くっ何故でしょうこんな時にカズマがどれだけクズい人間だった事を今思い出しましたよ!」


「おいおい今の俺にそんな事を言って良いのか?もう一回スティールしてやっても良いんだぞ?」


「ひぃ!?また私から何か剥ぐ気ですかこの変態は!てかパンツ返してください!」


「やだ、これは明日の朝まで俺が使用する」


「使用って何に使用する気ですか!」


「何に使用ってそりゃナニに使うんだよ?」


「よくサラッと下着を剥いだ人の前でそんな事言えましたね!」


「別に良いじゃないか減るもんじゃあるまいし」


「いやいやそういう問題じゃないですよ!ていうか本当に返してくださいじゃないともう…!」


「おっ?何だモジモジし始めてトイレか?」


「ち、違いますよ!」


おっこりゃ反応を見る限り図星か?まぁちょっと面白く無くなって来たしそろそろ返してやるか


「めぐみんトイレに行きたいならそう言えよ、ほれパンツも返すよ」


「えっ何ですか急に優しくし始めて…あっもしかして何か企んでますね?それとトイレじゃないです」


「んな訳ねぇだろ、いらないなら本当に俺が使うぞ?」


「本当にそれだけはやめてください気持ち悪いので」


めぐみんが俺が持っていたパンツをパッと取りそのまま布団の中でモゾモゾし始めた、えっなにここで履くの?まじで?ちょっと布団の中覗いてやろうか


「カズマ今布団の中覗こうとしたらどうなるか分かりますよね?」


「お、おう分かってるさそんな事」


くそここで今生でめぐみんがパンツを履こうとしてるのに見れないなんて!


「ふぅ、全くカズマは…油断してたらいつ何してくるか分かったもんじゃありませんね」


「何なんだよもう履き終わったのかよ」


「何で残念そうにしてるんですか…ふぁぁ…」


「眠そうだなめぐみん」


「そりゃ起きて早々色々やられましたからね…それに今はまだ夜ですし…」


「色々ってお前な…あれは殆どお前が悪いようなもんだぞ」


「いやあれは私に変なのを見せようとしたカズマ悪いです」


「ええぇ…」


結局俺が悪いのかよ…絶対めぐみんの方が悪いだろあんな事されたら黙ってる男なんていないぞ


「さて、カズマそろそろ寝ましょう眠気がやばいです」


「そうだな、俺もさっきので疲れちまったせいで何だか眠くなってきた気がするわ」


「そうですか、それじゃカズマおやすみなさい」


「へいへいおやすみ」


めぐみんは目を閉じるとまたすーすーと寝息を立てながら寝てしまった、全くこいつは…まぁこれで少しは楽になったならそれで良いか。


「ふぁぁ…さてそろそろ俺も寝るか…」


そう言って俺は目を閉じ明日は何処へ行こうかと考えながらそのまま深い眠りについたのだった。

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