第17話 散歩しに行こう

「さぁここがあなたの部屋よめぐみん」


ゆいゆいさんがそう言い部屋のドアを開けると


多少は居間より綺麗でそしてめぐみんが使っていた部屋という事もあったのか

此処もまた良い匂いがする、何だろう最近俺良く誰かの匂いを嗅いでるような…気のせいだよな?


「こ、ここが私の部屋…何ともぼろっちいとこですね」


「それはあなたのお父さんに言ってちょうだい…まぁとりあえずしばらくは泊まるんだしここでカズマさんと寝てちょうだいね?では娘を宜しくお願いしますねカズマさん」


「え、あっはいすいませんわざわざ…」


「いえいえ、では」


ゆいゆいさんがそう言いって部屋から出て行った、あの人夜になったらまた部屋に魔法掛けにくるんじゃないだろうな?


「とりあえず荷物を置いておきましょうか」


「お、そうだなんじゃめぐみんの荷物を貸せよ適当に部屋の隅っこにでも置いておくから」


「あ、じゃあちょっと待ってください」


「?」


めぐみんは俺に荷物を渡す前に持って来た少し小さな鞄をゴソゴソ漁り始めた、そんなに漁るとパンツとか出てくるぞ、おっ紐パン見えた


「あっありました、んしょっと…では荷物お願いしますね」


「へいへい、って何を探してたんだ?」


「ん?あぁ実は昨日こっちにいく準備をしていたら日記を見つけまして」


「日記?(めぐみんのやつ日記なんて付けてたのか?)」


「はい、どうやら私がこうなる前まで日記を付けていたらしいのですが…とりあえず今日からまた付けておこうかと思いまして」


「そ、そうか…何かすまん」


「何故カズマが謝るのです?」


「いやまぁ…ほら…さっきゆいゆいさん達に言ったけどさ、お前がそうなったのは俺が…」


「あぁ、確かにカズマが私の爆裂魔法で消し飛ばせず飛んでくる岩を守らなかったせいでこうなったのですが、けどもうそれは済んだ事です。実際その後応急処置して助けてくれたのでしょう?」


「あぁ…そうだな」


「なら良いのです、こうして生きているだけで…まぁもしこのまま一生何も思い出せなかったら責任としてカズマに何かしてもらいましょうかね。ふふ♪」


「お前なぁ…まぁ本当にそうなったら覚悟はしておくよ」


「おっ言いますね〜ではとりあえず荷物も運び終わりましたし、そろそろお昼ですしご飯食べてからちょっと出かけませんか?」


「おう良いぜ、っても俺あんまり里の事知らないけどな」


「ふむ…そうですか…あっでしたらあのゆんゆんに着いてきてもらうのはどうでしょうか?」


「ゆんゆんか…良いなそれ後で頼んでみようぜ」


「ですね、それじゃ早くご飯食べていきましょ!」


「おい!、そんなに急かすなって!」


たくこれから1週間何が起こるか分からないが…せめて里で育った思い出くらいは思い出せれば良いな。


俺は胸の中でそう願いながら俺とめぐみんは皆んながいる居間に向かったのだった





「「「「ご馳走様でした」 」」」


「にゃーー」


「いやぁ母さん作る料理はいつ食べても上手いな」


「もうあなたったら〜褒めても何もでませんよ?」


あの後居間に戻り俺が買ってきた食材でゆいゆいさんが昼飯を作ってくれた、ゆいゆいさんが作る料理はとても美味かった


それにしてもやっぱめぐみんが作る料理の味付けも似ていたな、流石親子こういう所も似るもんだなぁ


「さて、お昼ご飯も食べましたしカズマ出かけましょうか」


「おっそうだな。おいアクア、ダクネス俺とめぐみんは散歩してくるけどお前らはどうする?」


「ん?私はこめっこちゃんと遊ぶから別に良いわよ〜」


「私も今日はこめっこと遊んでおく、それにアクアを見とかないと何かやらかしそうだからな」


「ちょっとダクネスそれどういう意味?何か傷つくんですけど」


「それもそうだな、確かにアクアを見張ってないとこめっこにアクシズ狂に勧誘してそうだしな」


「ちょっと流石にいくら私でも子供を勧誘する訳…いや案外それも良いかもしれないわね…」


「おい」


「あ、あの…アクアさんうちの可愛いこめっこに宗教の勧誘は…」


「はぁ…この駄目神が…あっそうだひょいざぶろーさん、ゆんゆんの家って何処だか分かります?自分前に一度だけ行ったんですが覚えてなくて…」


「ひょいざぶろーで良いと言っておるのに…ゆんゆんの家かそれなら家を出るとすぐ隣にでかい屋敷があるだろう?そこがゆんゆんの家だ、まぁ道なりに進んで行けば着くだろう」


「ありがとうございます、んじゃゆんゆんの家も分かったし、めぐみん早く行こうぜ」


「そうですね、では私達は出かけて来ますのでダクネス、アクアの事お願いしますね」


「あぁ任せておけ、めぐみんカズマには気をつけるんだぞ」


「え?気をつけるって?」


「めぐみん、奴は隙があればどんな酷いセクハラだろうと大義名分でやってしまうからな」


「おい、やめろいくら俺でも大義名分があるからってそんな事はしないぞ。てかひょいざぶろーさんの目が怖いんですけど!!」


「はっはっは、カズマくんちょっと良いかね?」


「ひぃ!?」


「ま、まぁ一応頭に入れておきます…では行きますよカズマ!」


「お、おう!」


「待ちたまえ!カズマくん!!」


俺はひょいざぶろーさんの怖い気配から逃げるようにめぐみんと一緒にゆんゆんの家へ向かうのだった





「あぁ怖かった…まじ殺されるかと思ったわ…」


「もの凄い顔してましたね、ひょいざぶろーさん」


「そうだな…けどあれが父親ってもんだよ、娘がセクハラにあってると聞いたらそりゃ誰だって怒るさ」


「ふむふむ、けど私カズマにセクハラなんて…あっ沢山されましたね」


「おい何だその顔は、確かにしたがどれもお前が無防備だったせいじゃないか」


「いやあの例え無防備だったとしてもしてはいけない事くらい分かるでしょう…」


「ふっ、男の好奇心は分かっていてもやらなきゃいけない事だってあるのさ…」


「何が男の好奇心ですか…全く…あっ着きましたよ」


「おぉーうちの屋敷よりでかいか?」


「そんな細かい事は良いのです、ほら早くあのぼっちを呼びますよ」


10分ほど歩いた所でやっとゆんゆんの家にたどり着いた俺とめぐみん、にしてもでけぇなこの屋敷うちよりデカイんじゃないのか?ん?これは?


「んとこれインターホンか?」


「何ですかそれ?」


「あぁ実は俺が元いた世界にはなこれと似たようなのがあってな、これ押すと音が鳴って人の声が聞こえたりするというとても便利な機能が」


ピンポーン


「おっ本当になりました、にしても変な音ですねあとゆんゆんの声も聞こえませんし」


「おいめぐみん何勝手に押してんだ?」


「え?だってカズマがこれを押すと音が鳴ると言ってたもので、てかまだゆんゆんの声が聞こえないのですが。ゆんゆーん!?いるのですかー!?」


「言ったよ!?言ったけどさ!?だからって普通押すかねぇ!?おい耳塞いで人の話無視すんな!」


ガチャ



「そ、その声はまさかカズマさんとめぐみん?」


屋敷のドアが開くとゆんゆんが出てきた、何か嬉しそうに見えるのは気のせいか?


「そうだぞゆんゆん実はなちょっとお前に頼みたい事があって来たんだ」


「た、頼みたい事ですか?」


「そうですよ、ゆんゆんにしか頼めない事なのです」


「私にしか!?その是非聞かせてほしいです!」


「んと実はな、ゆんゆんってやっぱ里で育ったし色々と詳しいじゃん?だから散歩がてらゆんゆんに里を案内してもらおうと思ってな」


「なるほど…それは良いですけどまたどうして突然?」


「いやぁ俺はこの里の事良く知らないし、めぐみんはこんな状態だし…だからゆんゆんにだな、それにゆんゆんはめぐみんの事詳しく知ってそうだしな」


「確かにめぐみんとは学生の時からよく私のお弁当とスキルアップポーションを賭けて良く勝負してましたけど、ん〜…」


「えっ私このぼっちから弁当何か賭けて勝負してたんですか」


「ま、まぁとりあえず何処でも良いんだめぐみんが何か思い出せそうな場所があればそれで!」


「分かりました。んーとそれじゃ近くの神社に行ってみましょうか!」


「おう!案内頼むぜゆんゆん!」


「ゆんゆん何かノリノリですけど、散歩ついでですからね?」


「わ、分かってるわよ!ほらめぐみんいくよ!」


とりあえず近くの神社に行く事になった俺とめぐみんそれにゆんゆん、しかし神社かぁ確かあそこは何か猫耳フィギュアが置いてあったような?まぁいいか!





「はい、此処が紅魔の里にある神社です」


「おぉー此処が神社…何か奥の建物はぼろっちい感じがしますがこの赤い門みたいなやつ中々良いセンスしてますね!」


ゆんゆんの屋敷から徒歩で5分ほど、またちょっと道なりに進んで行くと屋根が見事に猫耳になっていて、ついでにお賽銭箱の上に猫耳フィギュアが置いてあった。


「ぼろっちい言うな、神社ってのは場所に寄っては神様だって来る所なんだぞ」


「そ、そうなのですか?」


「あぁ、んでゆんゆん此処は昔めぐみんと来た事があるのか?」


「んーそうですね〜、確か此処に来た時私のエリス硬貨を使って発育が良くなりますようにと願ってたような…」


「え」


「ちょ!ゆんゆんそれ本当ですか!?」


「本当よ、確かあの時勝負に負けた私に食べ物とその余ったお釣りで賽銭箱に投げ入れただけだから」


何だろう一発目からちょっとゆんゆんの可哀想な情報が入って来るんだけど


「いやいや!それ殆どカツアゲみたいなもんじゃないですか!!」


「そうなの?」


「そうですよ!!何ですか私こんなぼっちにカツアゲしてたんですか…!!」


「ま、まぁそれくらいにしておいて…次行こうぜ」


「そうですね!それじゃこの少し先に行った所に願いの泉があるのでそこ行ってみましょう!」


「お、おー!」


「何でしょう私ちょっとゆんゆんに着いて行かない方が良い気がしてきたのですが…」


何かめぐみんが言ってるが無視して猫耳神社から離れ歩いて10分程、俺達は願いの泉という所に来ていた


「ここは願いの泉と言っていらなくなった斧とか捨てて鍛冶屋のおじさんが良く漁りに来る所です」


「いわゆる廃棄処分場だなここ、んでここもめぐみんと?」


「えぇ、確かここでめぐみんと勝負した時小さい石を投げてどちらが早く向こう岸に届くか勝負してましたね」


「なるほど、ちなみに勝ったのはどっちだ?」


「無論めぐみんで、その時は確かうちで余ったお肉を少し分けろと言って来て…」


「だそうだぞめぐみん、何か思い出せそうか?」


「いえ全く思い出せませんね、ていうか今度はお肉ですか」


「そうみたいだな、神社の時はゆんゆんのお金を使いそして次はゆんゆんの家にある肉を集り…やりたい放題だなお前」


「いやあのやりたい放題とか言われても私記憶吹っ飛んでいるんですよ?ていうかまだ二箇所目ですがこの調子だと私が何かを思い出すきっかけすらなりませんよ」


「まぁそう言うなよ、ゆんゆんだってお前が何か思い出すきっかけになると思ってああして話してくれてるんだぞ」


とはいえめぐみんの言う通りこのままだとゆんゆんがめぐみんの勝負に負けた話を永遠と聞かされるだけだ、とりあえずささっと場所変えるか


俺は何やらまだ勝負の事を語っているゆんゆんに話しかけたのだった


「ゆんゆん?悪いんだがめぐみんが何かまた言ってるみたいだから早く次の場所に」


「それでその時めぐみんが言ったんです!その肉があまりにも美味しそうだなと!その瞬間うちにあった生肉を!…

あっはいそれじゃ次はカズマさんも行った事がある謎の施設に行ってみましょうか」


「おっあそこかぁ、良いぞめぐみんほら早く行くぞ」


「いやいや!ちょっと待ってください!今とんでもない事が聞こえたのですが!生肉をどうしたのですか!?」


「めぐみん大丈夫よ、生肉はちゃんとお腹の中に入ったから。ではこちらです着いてきてくださいね」


「いやいやそれ全然大丈夫じゃない気がするんですけど!?」


「めぐみん細かい事を気にし過ぎだ、ほら早くしないと置いてくぞ」


「細かい事って…カズマ私もしかしたら生肉をそのまま食べたかもしれないのですよ?そんな事言われたら誰だって気にしますよ…ってちょっと本当に置いていかないでください!」


何やらグダグダ言ってるめぐみんを置いて行き、あの謎の施設と言われた日本転生者が作った所へ向かったのだった

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