第15話 ちょっとした甘い夜

「ふぅ疲れましたぁ…」


「あっめぐみん、カズマおかりーって何その食べ物の量は」


そろそろ夕方になる頃に買い物を終えた俺とめぐみんは袋にパンパンに入った食べ物が入った荷物を持って屋敷へと帰ってきた


ちなみにめぐみんは屋敷に着くと買ってきた荷物を居間に置きソファで横になっていた


「あぁこれは里に行った後めぐみんの家に持ってくやつだよ」


「へ?里って紅魔の里の事?」


「そうだよ、あっそいえばお前とダクネスには言って無かったな。明日紅魔の里に行ってくるから」


「えっちょっと待って!それ私とダクネスはお留守番って事!?」


「そうだ、テレポートの人数は最高で4人まで、ゆんゆんの魔力の的にも流石にきついだろうからお前とダクネスは留守番してろ」


「嫌よ!私も行きたいー!こめっこちゃんと遊びたいーー!」


「駄々こねてんじゃねぇよもう決まった事だ、それに早くて2.3日遅くても1週間には帰るから大人しくしてろ」


「やだー!私も行きたいのー!」


「んじゃ帰り酒買ってきてやるから大人しくしてろよ!」


「嫌よ!絶対行くの!」


「ただいまー帰ったぞ〜」


「あぁもうこの駄女神が!ワガママ言ってんじゃねぇよ!」


「あぁ!またカズマさんが言っちゃいけない事を言った!!」


「ふぁぁ…眠いです…」


「帰ってきて早々何なのだこれは…」




「つう事で明日紅魔の里にまた行く事にしたから準備しとけよ」


「わかったわ!それじゃ今日は私早めに寝るから!」


時刻は夜20時

あの後結局アクアに根負けした俺はダクネスが丁度帰って来たので眠たそうにしているめぐみんを叩き起こし飯を素早く済ませ、俺はまた紅魔の里の準備について話していた。


ちなみに行きはゆんゆんにマナタイトを渡せば何とかなるだろうと俺は考えていた


マナタイトはウィズの店にでも行けば売ってるだろうしな


「その唐突過ぎてあれだが、それは私やアクアも行けるという事だな?」


「あぁそうだよ、と言っても長くて1週間くらいしか滞在しないからそこまで荷物は多くなくて良いぞ。お前とアクアはこめっこと遊んでおけよ」


「こめっこちゃんと!?ならめぐみんの家にも行くのだな!」


「あぁだから今日ゆんゆんに会いにいくついでに大量の食料を買っといたんだ」


「んー!明日が楽しみだな!」


「カズマカズマ、こめっことやらは私の妹?でしたっけ?」


「そうだぞ、お前が一番可愛がってる妹でな、それを見ていた俺はちょっとお前がシスコンだと疑うほどにだ」


「え!?そ、そうなのですか!?」


「あぁ、まぁそこら辺は明日お前の両親と会った時にでも話してみれば良いさ」


「そ、そうですね!それにしても両親に妹ですか…ちょっとワクワクしてきましたよ」


「そうだな、俺もちょっと楽しみだよ」


「さて私も早めに寝るとする、ではまた明日おやすみ」


「おう、おやすみ」


「ではカズマ、私も明日の為に部屋に戻りますね。それと」


「ん?どしためぐみん?」


「起きてたらカズマの部屋にちょっとだけ来ても良いですか?」


「そりゃもちろん構わないが…ってええ!?」


「ふふ♪ではカズマまた」


「えっちょめぐみん待っ!」


えっ何あいつ本当に俺の部屋に来る気なの?今度はベッドで寝てましたとかそんな落ちは絶対嫌だぞ…けどとりあえず


「期待せず待ってよう」


どうせ期待し過ぎたら後が辛いし、ここは気長に待ってみる事にしよう。


俺はそう考えながらゆっくりと自室へと戻って行ったのだった



時刻は23時くらいを回った頃、明日の準備も済ませ風呂も入り後は寝るだけなのだが


「んーめぐみんめ…本当に来るのか?」


俺はベッドの布団に包まりながらめぐみんが来るのをじっと待っていた。さっきは期待せずに待ってようとか言ったけどさ


多少は期待しちゃうもんじゃん?


んでいざ来たらドキドキするじゃん?そしたらまためぐみんが生殺し見たいな感じにして俺の部屋から出て行って…


「そしたらまたいつも通りにモヤモヤした気持ちを感じながら朝を迎える…ゆし寝よう」


流石にもうそんな気持ちになるのは嫌だし、それにだ俺はめぐみんにあんな事を言ったが実際付き合ってもいなきゃキスだってしていない。


いやまぁ添い寝とか一緒に風呂に入ったりはしたけどね?


それはそれこれはこれだ、てか何で俺こんなにめぐみんの事を考えてんだ?今回の件は俺のせいではあるが


バニルが言った通りたまにアクアやダクネスに任せれば良いじゃないか、そうだ明日紅魔の里に行くんだしどっちかめぐみんを任せて俺1人で散歩にでもしよう


「さて予定も決まったしさっさと寝るか」


「何1人でぶつぶつ言ってるんですか?もう寝るのですかせっかく来たのに」


「うぁ!?めぐみん何時からそこに!?」


突然背後から声がしたので驚いてベッドから飛び起きるととそこにはピンクで半袖半ズボンのパジャマを着ためぐみんがいた


こいつ何時から俺の部屋に!?てかさっきの事聞かれたか!?


「何時からって先程から部屋の前でノックしたのですがカズマ全然反応しなかったので勝手に部屋に入るとベッドで横になってるカズマがいてぶつぶつと何か言っていて」


「そ、そうか悪かったなノックに気づかなくて」


ふぅ、良かったどうやらはっきりと聞き取れなかったみたいだ危ねえ危ねえ…


「良いですよ別に、どうせ明日の事でも考えていたのでしょう?」


「まぁな、てか本当に来るとは思わなかったぞ」


「何で私そんなに信じられて無いんですか!全くもう…ちょっと隣いいですか?」


「あぁ良いぞ」


「では失礼します」


めぐみんはそう言うとベッドで座ってる俺の隣に座った


「その…実は今日来たのはですね…」


何だろうこの感じ前にも似たような事が…まさか


「何だ?世間話なら聞かないぞ?」


「世間話だなんてそ、そんな訳ないでしょう!何言ってるんですかカズマは!」


「図星だったのか…まぁ世間話と分かったならもう良いさっさと部屋から出てけよ」


「ちょ、ちょっとカズマ!?」


「俺は世間話を聞くために起きてる訳じゃない、明日は早いんだからお前もさっさと寝ろよ」


俺はめぐみんにシッシとやり、またベッドの布団に包まった


「カズマ起きてください!世間話をしようとしたのは謝りますので!」


めぐみんはそう言いながら俺の布団を引っぺがそうと思いっきり引っ張ってきた、くっこいつ無駄に力を!


「おい布団を引っ張るな!破れるだろ!」


「嫌です!カズマが起きるまでやめません!」


「何て強情な!…あぁもう分かったよ!聞けば良いんだろ!聞けば!」


そう言うとめぐみんが嬉しそうに俺の布団を離し顔をめちゃ近づけてきた、ちょっ顔が近い!


「ほ、本当に聞いてくれるんですか!?本当に!?」


「あぁ本当だからそんなに顔を近づけるな!暑苦しい!」


「はっ!す、すいません…」


「たく…ただまた世間話しようとしたら問答無用で部屋から追い出すからな」


「わ、分かりました」


俺はめぐみんにそう言いつけまたベッドに座る、正直また大事な話がとか言って結局関係無い話をされても困るしな


「それで?話したい事ってなんだ?」


「そ、そんなに急かさないでくださいよ!心の準備というものが!」


「んなもんいらねぇだろ、告白する訳でもあるまいし」


「あなたって人は…はぁ少しでも緊張した私が馬鹿みたいです…」


「何だよ急に」


「カズマ、普段の私ってどんなのでしたか?」


「あ?普段のめぐみんがどんなのって?」


めぐみんがちょっと不安げな表情で突然そんな事を言ってきた


「そうです、ちょっと普段の私が分からなかったので今日は少しそれっぽくしてたのですが…」


「ほほぅ、というとあれか突然日課やりに行こうとか言い出したのも?」


「えぇそうです」


「なぁ何でまたそんなめんどくせぇ事をしようと思ったんだ?」


「えっそれはその…」


「もしかしてあれか、ゆんゆんやウィズに何か何時もと雰囲気違うなとか言われたからか?」


「うっ…は、はいそうです…」


「はぁ、何でそんな細かい事気にしてんだよ」


「だ、だって!今日だって街で店を出してる人に何度も言われたり、ウィズやゆんゆんとかにも言われたら…」


「はぁ、気にし過ぎだめぐみん。」


「うぅ…だって…」


「めぐみん、普段とは違うとか何時もと雰囲気違うなとか言ってる奴はめぐみんがどんな状況なのか知らないから言えるんだ。俺はお前が今どんな状況か知ってるしそれにそうなったのは少しばかり俺のせいでもある」


「は、はい…」


「だからそんな事言ってくる奴は無視しろ、もし言われて気にするならえーそうですかー?とか適当に言っとけ。その時俺が近くにいたら普段と変わりないぞと言ってやるよ」


「カズマ…ありがとうございます…」


めぐみんに不安そうな表情は消え今のめぐみんの表情にはとても嬉しいそうな感じになりこちらを見ている


いやあのちょっとそんな顔でこちらを見ないで!直視出来ない!


「ふふ♪カズマに相談して良かった気がします」


「そ、そうかよてか話が終わったんならもう良いだろ早く出てけよ」


「いやあの…今日は相談ついでにここで寝ようと思いまして…」


「は?いやちょっと待て一緖に寝る?俺と?」


「そ、そうですよ?駄目でしょうか?」


「別に駄目じゃないけど…」


「な、なら良いですよね?」


「う、うん…」





俺は素直にそう返事をするとめぐみんはモゾモゾと俺の布団に入ってきた、やばい何でうんと言ってしまったのだ俺!


これじゃまた生殺しの刑じゃ無いか!正直簡単に一緖に寝るって言うけど悶々とした気持ち抑えるの大変なんだぞこっちは!


あぁめぐみんの髪良い匂いがする!


「そ、その…いざ一緖に寝るとなると…ドキドキして寝れませんね…」


「じゃあ何で一緖に寝ようと思ったんだよ…」


「それはカズマが私とカズマの関係が恋人未満とか言ったので…」


「あ、あれはお前が言い出しただけで俺はまだ返事をしていないぞ」


「え!?そ、そうなんですか!?」


「そ、そうだよ?」


「な、何でその事を早く言わないんですか!馬鹿!」


「ば、馬鹿とは何だ!馬鹿とは!あれはたまたま勢いで言っただけで!」


「勢い!?勢いで言ったんですか!?」


「はっ!しまった…」


「ほ、本当にカズマは馬鹿ですね!大馬鹿ですね!」


「す、すまん…」


「はぁ…もう良いですよ、あんまり大声だすとアクア達が起きてしまいますし…」


「本当に面目無いです…」


「本当にそう思うならちゃんとした返事を待ってますよ?」


「え?」


「私の記憶が戻ったらカズマの思いを聞かせてくださいと言う事です」


「あぁそうか…分かった…」


「何でそんな自信なさげな顔してるんですか全く…」


「う、うっせーよ。ほらもう寝るぞ明日は紅魔の里に行くんだからさ」


「はいはい、分かりましたよ。ではおやすみなさいカズマ」


「お、おやすみ」


何だろうこの甘酸っぱい感じは…普段とはまた違う感じがする!


てか本当にこいつ俺と一緖に寝やがったよどーしよう緊張して寝れません!結局俺は殆ど眠る事が出来ず朝を迎えるのだった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る