第9話 見通す悪魔と貧乏リッチー

「やっと着いた…」


「カズマお疲れ様です、あっ降ろすならソファの上でお願いします」


「へいへい…」


爆裂魔法を撃った後俺はめぐみんをおぶりながら来た道を戻り屋敷へと帰ってきた、けどもうあの長距離でおぶるのはやめよう疲れるし。せめてまた行く時があるならドレインタッチで体力分けて歩いてもらうか


「よいしょっと…しっかし留守番を頼んでおいたダクネスと(ついでにアクア)がいないとは…何処行ったんだよ全く」


そう屋敷へ帰ってみるとダクネスとアクアがいなかったのだ。まぁアクアがいないのはどうでも良いとして留守番をほっぽりだしてダクネスがいないというのは珍しい。領主の仕事とかで家に戻ってんのか?



「ふぅ、多分ダクネスは領主の仕事やらで呼び出されてるんじゃないんですか?アクアは散歩かもしれませんし。あっカズマ隣どうぞ」


「お前また俺の心読んだな…、いや良いよ俺は部屋で少し寝てくるからお前はそこで休んどけ」


「むぅ読んでませんし寝るくらいならソファでも出来ますよ!」


「と言われてもなぁ、明らか2人座るだけで限界なんだが…」


「す、座るんじゃなくて!その…私が…膝枕をですね…」


「え?今なんて?」


うんちょっと今膝枕という言葉が聞こえたが気のせいかもしれないもう一度聞いてみようか


「だ、だから!膝枕をしてあげると言ってるんです!」


めぐみんは顔を真っ赤にしながらそう言った、恥ずかしいなら言わなきゃ良いのに…てかマジでこいつ大胆になってきたな、本当に記憶が無いのか疑いたくなるな…


「いやいや別に良いぞ?そんな無理しなくても…」


正直膝枕何てしてもらった事は無かったから内心嬉しいんだが、やっぱり俺のヘタレスキルが発動してしまう。うん我ながら情けない


「無理なんてしてません!これはただその…今日おんぶしてくれたお礼なのです!」


「いやいや別におんぶくらいで…本当にそんなの大丈夫だからさ!」


あかんどんどん俺のヘタレスキルが発動していってる本当はして貰いたいよ?けど恥ずかしいもん!もし誰か帰ってきて見なれてもしたら絶対何か言われそうだもん!特にアクアが!


「むぅ…それじゃもう良いですカズマはさっさと部屋に戻ってください」


あっやばいめぐみんが拗ね始めたぞ!しょうがないここは男を見せるんだ俺!


「んしょっと…」


「カズマ何でソファに座るんですか?部屋で寝るんじゃ無いんですか?」


「おいおい拗ねんなよめぐみん別に座るくらい良いだろう」


「拗ねてなんかいません!ふん!」


(あぁこれ完璧に拗ねてるなぁ…まぁそんな拗ねてるめぐみんも可愛いんだが…ってなに考えてんだ俺は!相手はロリっ子ただの子供だ!)


「今私の事ロリっ子とか言いませんでした?」


「言ってねぇよ!たく…よいしょ」


俺は横向きになるようめぐみんの膝の上に寝転がると突然された事に驚いたのかめぐみんがびっくりしている。


「ひゃ!?か、カズマ何で私の膝の上に!?」


「お前が膝枕してやるって言ったからだろうが…おっ何だ意外と膝柔らかいなお前」


「揉まないで下さい!確かに言いましたがさっきまで部屋で寝る気満々だったじゃないですか!」


「いやそうだったんだけどな、こうして膝枕をしてくれると言われると断るのは流石に勿体無いと思ってな〜」


「そ、そうですか…」


めぐみんはそう言われると満足な顔をして何も言わなくなり俺の頭を撫で始めた。めぐみんの膝枕はとても柔らかくそして暖かい、そして頭を撫でられてる感触もまた気持ちが良い

俺はちらっとめぐみんの顔を見ると何故かドキドキした。


(何故ドキドキしてんだ俺!あっそうだきっと膝枕されてるせいだ!うんきっとそうだ!)


「カズマ髪って意外とサラサラしてるんですね…ん?」


「い、いや別にサラサラとかじゃないぞ。てか窓の方を向いてどうしためぐみん?」


「いえさっき窓の方から視線を感じてですね…しかもその視線がゆんゆんみたいなぼっち感溢れるような」


「ちょっとあんたぼっちって言わないでよ!本当は思い出してるんじゃないの!…あ」


突然居間の扉が開けられるとそこにはゆんゆんがいた、俺は咄嗟にめぐみんの膝から離れる。さっきの所見られたか?


「おやゆんゆん来てたのですね、別に何も思い出して何かいませんよ単純にそう思っただけです」


「単純にって…」


めぐみんにそう言われて落ち込むゆんゆんであるが俺は一つ気になった事をゆんゆんに聞いてた


「ゆんゆん落ち込んでる所悪いんだが、いつ屋敷に来たんだ?」


「あ、その先程カズマさん達を見かけたのでそのまま後を追いかけてどうやって屋敷に入ったら良いかなと1時間くらい葛藤してたら窓があったのでそこ覗いてみたらカズマさんとめぐみんが…」


「もう良いから!そこまで説明しなくて良いから!」


やっぱり見られていましたかこんちきょー!まぁ見られた相手がゆんゆんで良かったあの駄目神なら絶対言いふらすしな…。


「てかそんな事せずに普通に入ってこれば…」


「カズマカズマこんな陰湿ぼっちほっといて先程みたいに膝枕しましょう」


「ガーーン…陰湿ぼっち…」


あかん!更に落ち込み始めたぞゆんゆんが!このままじゃ色々とまずい!とりあえず話を変えねば!


「めぐみんそう言うなよ、あれでもゆんゆんはお前の友達だぞ」


「あんなのが私の友達だとは思えませんね〜」


「は…はは…すみませんもう私帰りますね…はは…」


「待つんだゆんゆん!そうだ今から三人で出かけよう!」


「え?三人で?私もついて行って良いんですか?」


「良いに決まってるだろ別に嫌う理由とか無いしさ」


「ちょっと私を抜いて話を進めないで下さい、それに私は爆裂魔法を撃ってまだそんなに経って無いので歩けませんよ」


「あ、あぁそうだったな。んじゃほらよ」


俺はめぐみんの手を握るとドレインタッチし体力を分けてやった


「ふわわわ…何でしょうか突然体力が回復していくような感じがするのですが!」


「お前に俺の体力を分けてやったんだよそんだけ分ければ歩く事くらいは出来るだろ?」


「よっと…本当ですね全然歩けますね」


「おし、それじゃ行くぞ」


「あっカズマさん出かけると言っても何処に行くか決めてあるんですか?」


「あーそうだな〜とりあえずウィズの店に行ってみるか、アクアが何かイタズラしてないか確認したいし」


「ウィズ?誰ですその人は?」


「着いたら分かるさ、んじゃ行くぞ〜」


「知り合いと一緒にお出かけ…ワクワクしますね!!」


「カズマやっぱりゆんゆんは置いて行ったほうが…」


めぐみんがそんな事を言ってくるが俺は反応しない、正直知り合いと出かけられる所を喜ぶゆんゆんを見てると目から汗が出てくる。本当に誰でも良いからこの子の友達になってやってくれ…俺はそう思いながら屋敷を出てウィズの店に向かったのだった




「おし着いたな」


「ここがウィズという方の店ですか」


「ねぇめぐみん私そんな陰湿じゃないからね?ただ何時も1人でいる事が多くて他人を見たりするのが多いだけだからね?」


「あーはいはい分かりましたそういう事にしときますね〜」


「ちょっと反応が適当過ぎない!?もっと反応してよぉーー!」


ゆんゆんはどうも此処に来る前に言われた事が効いたのかかなり気にしてるようだ可哀想に…


「お前ら店中で喧嘩すんなよ?」


「喧嘩?私はゆんゆんと喧嘩何てしませんよ絶対」


「何だろうこのめぐみん普段よりかなり私の扱いが冷たく感じる…シュン」


いや明らかゆんゆんに冷たくしてるからな…まぁこれ言うと更にゆんゆんが落ち込みそうなので言わないでおこう。とりあえず店に入るか


カランカラン


「ん?あらカズマさん達じゃないですか!いらっしゃいませ〜♪」


「おうウィズ元気だったか?」


「ここ魔道具店なのに1人も客がいないんですねびっくりです」


「めぐみんそう言う事言っちゃだめよ!」


「あはは…まぁ本当の事なので…シュン」


「おいめぐみんそう言う事は言うなよ絶対に思ったとしてもだ」


「むぅ、カズマが言うなら仕方がありません…でその方がウィズという人ですか?」


「あぁそうだこの店の店主をしてるウィズだちなみにリッチーでもあるぞ」


「?あのカズマさん何故そんな自己紹介を?」


「あぁウィズは知らないんだっけ説明すると長くなるんだが…」


俺はある程度ウィズに分かるよう今のめぐみんの状態を説明した


「なるほどそんな事が…チラ」


「ん?何ですかウィズ何かあるなら言って見てください」


「い、いえ別に何も無いですよ!ただやっぱ何時ものめぐみんさんとはちょっと違うなーと思っただけで!」


「ふーん…(何時もの私とは違う…ですか…)」


「まぁそんな訳だからさ、てかバニルはどうした?」


「あっバニルさんなら確か商談に行かれて多分そろそろ帰って…」


カランカラン


「ん?何だ最近やたら誰かにストーカーしたくなるぼっち娘とそこ爆裂娘と殆ど一緒に過ごして日々悶々としている小僧では無いか今日は何しに来た?」


「ちょっとバニルさん!?私そんなストーカーなんて!」


「ゆんゆんストーカーしてるんですか…ちょっと引きますよ」


「相変わらず人の嫌な事を言ってくるなバニル」


「フハハハハ!いやぁ実に良い悪感情美味であるぞ小僧どもよ!」


そうふと現れたと思ったら人の嫌な事を言って悪感情を貪るこいつはバニル一応公爵級の強さを持ち殆どの事は見通す嫌な悪魔だ。今はこの店でバイトをしている


「ん?小僧何だその自己紹介的なやつは?」


「お前まで人の心を読むな!」


「カズマカズマこの悪魔ぽい人は何ですか?それとあの仮面カッコイイので欲しいのですが」


「おい爆裂狂よ悪魔ぽいでは無く本物の悪魔だぞ我輩は。それにこの仮面は非売品だがまぁ小僧には色々世話になってるしな後でまた一つやるとしよう」


「非売品とか言いながらくれるんだな…あぁめぐみんこいつはバニルで…」


とりあえずバニルの事が分かるように適当に説明した。正直こいつの説明はマジで面倒いし


「なるほど…そんな悪魔がこの店に入るとは思いませんでした」


「まぁ何もしなきゃ大丈夫だからな、人が嫌がる事は言ってくるが」


「私は悪感情が無ければ生きてけんのでな、それよりそこの爆裂娘ちょっとこっちへこい」


「それは私の事ですか?ちょっとその呼び方はやめて欲しいのですが」


「まぁそう言うな…どれどれ…なるほど実に面白い!」


どうやらバニルはめぐみんの未来を見通したようだ、しかし気になるな…


「安心しろ小僧明日またくれば教えてやる」


「だから人の心を読むなって…てか何で明日何だ?」


「あのカズマ一体何の話を?ちょっと訳がわからないのですが」


「バニルさんは色んな未来を見通せるのよ、多分めぐみんの未来を見たんでしょうね」


ゆんゆんが落ち込みながらそう言った、もう次から絶対誘ってあげよう可哀想過ぎる!


「なるほど…でバニルとやら私の未来を見たと言う事ですが一体どんなのだったのですか?」


「それは言えんな。気になるなら明日小僧の口から聞けば良かろう、それでは我輩は忙しい身なので失礼する!フハハハハ!」


「あっ!」


人に色々嫌がらせみたいな事して嵐ように去って行ったなあいつ…


「まぁ大丈夫だろどうせ対した事じゃ無いだろうし」


「そ、そうなのですか?それなら良いのですが…」


「まぁバニルさんは何時もあぁですから…あっちょっと皆さん待ってて下さいね今お茶入れますので!」


「悪いなウィズありがと」


しかしバニルめ一体何を見通したんだろうか…頼むから面倒な事だけはやめてくれよ。


あれからウィズがお茶を入れて来てくれて色々多少雑談し気づけば時刻は夕方になっていた


「おっともうこんな時間か、ウィズそろそろ俺達は帰るとするよ」


「あっはい!また来て下さいね!」


「えぇ暇な時があればいつでも来ますよ、ほらゆんゆん早く帰りますよ」


「ウィズさんまた〜!」


こうして俺達はウィズに帰りの挨拶をし店を出たのであった




「しっかし結局アクアは店に来なかったな」


「アクアは何時もあの店に来てるのですか?」


「そうだよ何時もウィズに嫌がらせをやりに行ってんだ」


「嫌がらせ…アクア最低な事してますね」


「あはは…まぁそれがアクアさんだからね…あっ私宿こっちなので2人ともまた明日!」


「おっそうかゆんゆん今日はありがとな、またなー」


「ゆんゆんストーカーはしちゃだめですよー」


「だからしてないってば!!それじゃまた!」




「ゆし、んじゃ俺達も帰るか」


「…」


「めぐみん?」


「…あっすみません帰りましょうか」


「?」


何やらめぐみんの様子がおかしい様な…気のせいか?


「あの、カズマ」


「ん?どした?」


「今晩カズマの部屋に行って良いですか?」


「どうしたんだ急に。まぁ良いけど2人が寝静まった時に来てくれよ、バレると面倒いし。」


「分かりました、それじゃ早く帰りましょ?」


めぐみんはそう言うと俺の左腕に抱き付いてきた、何これちょっと恥ずかしいんだけど!


「ちょ!?めぐみん?流石にそれは恥ずかしいから離れて…」


「良いじゃないですか別に〜ほらカズマ早く〜!」


「おいめぐみん引っ張るな!」


夕日が沈みゆく中俺はめぐみんに引っ張られながら屋敷へと帰ったのだった。ただ一瞬ちらっとめぐみんの顔を見ると何処と無く悲しそうな顔をしているように見えた。




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