第8話 久々の爆裂魔法!
「はぁ…今日も疲れたな…」
あの後ゆんゆんと話終わった俺はめぐみんを背負いながら屋敷に帰った。
まぁ着く頃には既に日が落ちて夜になってたけど。
屋敷に入るとダクネスが晩飯を作ってたらしくめぐみんを降ろし居間に向かうとアクアが「あっやっと帰ってきたわねいつまで待たせるのよこのロリマ!」
と言ってきたのであいつが持っていた酒を盗んで飲んでやった。その後飯を食べ風呂に入り俺は今自分の部屋にあるベットで横になっている
「しかしいくらめぐみんが軽いって言ってもやっぱ腕にくるなぁ…」
正直ゆんゆんと話してる時はあいつを降ろしておけば良かった。どうせ動かないし腕疲れるし
「まぁ過ぎた事はしょうがないな…ふぁ〜…眠くなってきた…寝るか」
俺はやってきた眠気に勝てずそのままぐっすりと眠った
チュンチュン
「ふぁ〜…もう朝か…」
俺は今日もまた朝早くに目を覚ます、何か段々規則正しい生活になってきてるな俺。
「時間はまだ8時か…しかしやっぱまだ眠いな…二度寝しよ」
俺はまだある眠気に勝てずまた布団に潜った、今日はめぐみんが爆裂魔法を撃ちたいとか言うから付いてこうと思ったが面倒いし時間になったら起こしに来るだろう。そんな事を考えてると何やらこっちに向かってきてる足音が聞こえてきた
バン!
「カズマ起きてください朝ですよ早速爆裂魔法を撃ちに行きましょう!」
そして止まったと思ったら勢いよく扉を開けたのはめぐみんだった。確かにあいつが起こしに来るとは言ったけど来るの早過ぎるだろうまだ10秒も経ってないぞ
「むっ…反応無しですか。カズマ早く起きてください」
めぐみんはそう言いながら俺が寝ているベットまで近づいてきた
「カズマ〜起きてくださいよー早く爆裂魔法を撃ってみたいんですよー」
めぐみんめ俺の身体を強く揺さぶってきたな、ふっだがいくら揺さぶられた所で俺は絶対に起きないぞ!
「むむむ…これでも起きないなんて…こうなったら…」
ふっふっふ…さて次はどう来るか…今の俺は色んな耐性が付いてるから多少の事なら動じは…
「んと確かこうやって魔力を込めれば…よし」
ん?魔力?何をする気なんだめぐみん…もしかして…いやいやまさかそんな事は無いはず…?
「すぅ…『光に覆われし漆黒よ。夜を纏いし爆炎よ。紅魔の名のもとに原初の崩壊を顕現す。終焉の王国の地に』」
「めぐみんおはよう!今日はいい天気だな!」
「あっカズマおはようございます、そうですねいい天気ですね」
俺の危険センサーが察知しベットから飛び起きるとそこには何事も無かったかのような顔をして何時ものローブ姿をしためぐみんがいた。てかマジで撃とうとしやがったぞこいつ…しかも魔力の込め方まで思い出したのか流石は紅魔族と言った所か…恐ろしい
「カズマ恐ろしいとかそんなに怖がらないで下さいよ試しにやれるかやっただけですよ?テヘ♪」
「てへじゃねぇよ!試しにとか嘘だろ!さっきの流れ的にマジで撃とうとしたろうが!可愛くしたってそれは許さないぞ!」
「…すみません…そうですよね…そんな簡単に試したらどうなるか分かりませんもんね…。カズマ本当にすみませんでした…」
めぐみんは突然涙を堪えながらそんな事を言ってきた、いやいや何これ何で俺が悪いみたいな流れになってるの?
「えっ…いやその…俺の方こそ悪かったよ、ちょっと言い過ぎたごめん…」
俺はそう言うとめぐみんが俯き始めた、何この空気重いんですけど!何で思った事を言っただけなのに俺があたかも悪いみたいな感じになるわけ!?心の中でそんな事を思ってるとめぐみんが突然プルプル震えだした。何これマジで泣いてんのかこいつ!?
「ちょ!マジで悪かったって!謝るから泣く」
「プッフフ…はっはっは!」
「は?え?ちょっとめぐみん何笑ってんの?今の冗談だったのか!?」
「はい…カズマは本当に…ククク…ちょろいですね、ははは!」
「ふざけんな!本気で悪いと思った俺の気持ちを返せ!そして笑い過ぎだ!」
「いや〜すみません簡単にカズマが騙されるもんですからつい…ははは…ちょっと笑いを堪えるのはキツイですね〜」
「そんな俺を騙して何が面白いんだよ全く…はぁもう良い俺は二度寝する!」
「まぁまぁそんな拗ねないで下さいよ〜」
「ふん!拗ねて何かねぇよ!」
「はぁ、やれやれカズマは子供ですね〜」
「お前に子供なんて言われたくは無い!」
「それじゃ何したら機嫌直してくれますか?また私のパンツあげましょうか?」
何したら機嫌を直してくれますか?か…てか俺パンツやったらすぐご機嫌になると思われてんのかよ、まぁ喜んで貰うけど。けどそんなんじゃ今の俺の怒りは収まらない、あっそうだ
「そ〜だなぁ〜、パンツは貰うとして…何して貰おうかなぁ〜?」
俺はゲスい顔をしながらそう言った、まぁまだ何させるか決めては無いが
「何気持ち悪い顔して言ってるんですか、パンツは貰うんですね冗談で言ってみただけなんですけど」
「今度は冗談かよ…期待して損した…もう行く気無くしたし何もしたく無いから俺は今日一日中ゴロゴロするわ。んじゃ爆裂魔法撃ちに行くのはまた今度という事で」
もうこれ以上騙されると俺の精神が持たないのでさっさと部屋から出て行ってもらう事にした
「またそんな事を言って…カズマはしょうがないですね…それじゃちょっと恥ずかしいですが…」
めぐみんがそんな事を言いながら顔を近づけてきた、何をする気だ?まさかキス?いやいや流石にそれは…
「ん…唇は流石にあれなので…ほっぺで我慢して下さいね?…」
めぐみんがちょっと頬を染め恥ずかしがりながらそう言った。あれ?めぐみんってこんなに大胆な事してくるのか、いや記憶が無くしてるお陰で大胆になってるのか?めぐみんにほっぺにキスして貰った感触はほんの一瞬だった、暖かい息が頬に当たり少し経つと柔らかい物が俺のほっぺにくる。やべぇ頭が回らねぇ…
「あ、あぁそうだな…まぁ今回はこれで許してやる。次からそんな事すんなよ?したらまたして貰うからな?」
「流石に2度も同じ事はしませんよ…それじゃ早く行きましょカズマ?」
「そうだな、てその前に飯食わせてくれ腹減ったし」
「しょうがないですね〜、それじゃご飯食べ終わったら声かけて下さいすぐ行きますので。」
めぐみんはそう言うと部屋から出て行った、何かまた手玉に取られてる気がするがまぁいい。しかし爆裂魔法かぁ…撃ちに行くならやっぱあそこしか無いよな…
「んじゃ出かけて来るから留守番頼むぞ」
「カズマ本当に大丈夫なのか?何なら私もついて行っても!」
「いや良いよわざわざ付いてこなくても。お前は領主の仕事があるだろ」
「そ、それはそうなのだが…しかしだな!」
飯を食べ終え出かける準備が出来た俺はめぐみんを呼び爆裂魔法を撃ちに出かけようとしていたが、めぐみんの怪我の件があったせいかダクネスは頑なに付いて来ようとしていた。過保護過ぎるだろダクネス
「カズマ〜?まだですかー?」
「もう少しで行くから待ってろ〜、んじゃもう行くぞじゃあなダクネス」
「カズマ!ちょっと待て!まだ話が!」
めぐみんを待たせるのもあれなので俺は適当にダクネスとの話を終わらせそのまま玄関の方へ向かうダクネスが止めて来るが俺は知らない。
「あっカズマやっと来ましたね遅いですよ」
「悪いなダクネスが色々言ってきてな」
「ほうダクネスが…まぁ良いです。さぁカズマ道案内お願いしますよ?」
「はいはい任せとけ」
俺とめぐみんは屋敷から出ると街の外れにあるある場所へと向かった
「ふぅ、だいぶ遠くまで来ましたね〜帰り大丈夫ですかカズマ?」
「大丈夫だこの辺は殆どモンスターは出ないしもし出たとしても俺の潜伏スキルでそのまま素通り出来る」
俺とめぐみんは街から少し離れた場所に来ていた、しかしあの時はギルドから向かったから近く感じたけど今回は屋敷からのかちょっと遠く感じるなぁ
「なるほど、流石カズマですね潜伏スキルなんて覚えてるとは…」
「何だその意外だったみたいな言い方、俺は盗賊系スキルとかある程度覚えてるぞ?潜伏以外にバインド.罠解除、そして昨日アクアにやったスティール」
「おぉ〜、そんなに覚えてるなら盗賊に転職したら良いんじゃないですか?」
「ん〜転職ねぇ〜…おっめぐみん着いたぞ」
「考えて無いんですね…ここですか?何も無いですけど…それに何ですかこの大きなクレーターは」
「お前がやったんだよ、ここは前にお前が爆裂魔法を撃った場所だ」
「なるほどここが…このクレーターが私が…我ながら凄いですね」
「そうだな爆裂魔法に関しちゃ誰にも負けてねぇよ、リッチーや邪神ですら負かすほどだし」
「じゃ、邪神やリッチー!?何かどちらも強そうな感じがするのですがその両方を負かしたのですか私は…」
「あぁどちらも桁違いに強いぞ両方魔法を極めた者だしな。邪神の方の爆裂魔法はかなりやばかったな〜」
「そうなんですか、にしてもあまり的となるやつはあんまり無いですね…」
「そうだなここにある大岩は殆ど消し飛んじまったかもな」
「うぅ…せっかく此処まで来たのに撃て無いなんて…あっあの岩はどうでしょうか?あんまり大きくは無いですが良い感じの的ですよ!」
めぐみんがそう言って指差す方向を見ると底にはそこそこ大きい岩が転がっていた、大きさ的に前撃ったやつより一回り小さい感じか?
「ん〜…まぁあの大きさなら破片も飛んで来ないだろうし…大丈夫か?」
「大丈夫ですよきっと、このクレーターの大きさを見る限り明らかに高威力には違いありませんし!あの大きさのやつなら破片なんて残らず消し飛んじゃいますよ!」
そうやって余裕ぶっていたら岩がめぐみんの頭にぶつかって記憶喪失になったんだよな…まぁ此処まで来たんだ一発撃っておかないとめぐみんが拗ねたりするしな。
「しょうがねぇな〜、けどもし何かあったら怖いから俺はなるべくお前の側にいるからな」
「分かりました!では行きますよ〜!」
撃てる事が嬉しいのか随分とノリノリなめぐみんはさっそく詠唱を唱え始めると周りの空気がバチバチと音を鳴らし始めた
めぐみん「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。
覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!
踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。
万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン!」
ズドーーーーーーーーーン!!
聞き慣れた詠唱を終えると次の瞬間狙いを定めた岩はあっという間に消し飛びその後もの凄い爆風がやってきた、久々に見たがやっぱり爆裂魔法は凄い。魔法の範囲の広さやオーバーキル並みの高火力、正直使い所さえ間違わなければまさに一撃必殺だ。まぁ欠点が1日に一発が限度
そして騒音が酷すぎて近くのモンスターがやってくる事、その高火力や魔法範囲のせいでダンジョン内では全く使えない事。欠点をあげれば色々出てくるがそれでも本当に凄い
「わわわ…何て高火力何でしょうか…一瞬で辺り一面消し飛んじゃいましたよ…そしてこの撃った後の脱力感…はひぃ…」
「おっと大丈夫か?まぁこれがお前がこの世で1番好きな爆裂魔法だ」
爆裂魔法を放った後めぐみんは案の定倒れこみそうだったので、俺は素早く手を貸し地面に顔が着かぬように身体を起こした
「大丈夫…とは言えませんがありがとうございますカズマ。爆裂魔法…こんなに気持ち良い物とは思いませんでしたよ…今日は来て良かったです…」
「そうだな、だが今日の威力などはまだまだだな。久々だったのかそれとも魔力の込め方が甘かったのか、爆風も何時もとは少し弱かったしな」
「そうだったんですか?まぁ次撃つ時は今以上の爆裂魔法をやってやりますよ…へへ…」
「そうかいんじゃ期待せずに待ってるよ」
「むぅカズマは意地悪ですね、あっカズマおんぶお願いします」
「へいへい…意地悪何かじゃないぞ?あっめぐみん爆裂魔法放った瞬間何か思い出せたりしないか?」
「んーそうですね〜あっ先程のリッチーと邪神の事について思い出しましたよ。確かリッチーは爆裂魔法の威力勝負して邪神の方は私に爆裂魔法を教えてくれた人ですね」
「そうだ流石めぐみんそれくらい思い出せれば上出来だ」
「ふふん!もっと褒めてくれても良いんですよカズマ?」
おっと何か調子乗り始めたぞこいつ、流石に褒めすぎたか?
「んー何かそこまで言われると褒めたく無くなるなぁ〜」
「ちょっと!?そこはあえてもっと褒めるべきでは!?」
しかし爆裂魔法放つだけでこんなに思い出すとは流石めぐみん、少しずつではあるが徐々に思い出してるみたいだしこの調子で戻ってくれると良いんだがな、俺とめぐみんはそんなやり取りをしながら屋敷へと向かった
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