第7話 紅魔の友人ゆんゆん
「あのぅ…皆さんご無事でしょうか?」
「おっゆんゆんまた助けられちまったな、んでゆんゆんは何でここにいるんだ?クエスト帰りか?」
声をかけてきた彼女の名はゆんゆん紅魔族で唯一まともな性格であり常識で優秀な魔法使いだ、めぐみんをライバル視してるが当の本人はライバルと見てないらしく今は記憶喪失でそんな事は気にしていない
「いえ先ほど里からアクセルの街に帰って来まして、それでちょっと街の外まで散歩してたらカズマさん達を見つけたんです。あっめぐみん大丈夫?怪我はない?」
「そ、そうか散歩の途中だったのか」
「ゆんゆんじゃないか先程は助かった礼を言うぞ」
「ヒッ…何でまた私だけカエルに追われるのよ…また粘液に塗れになるし…」
おっとそんな話をしてたらダクネスとアクアもこちらにやってきた。しかしわざわざ街の外まで散歩しに来たという事はめぐみんを探しに来たのだろうか?ゆんゆんのぼっち癖は少し見ないうちにまた悪化したなこれ今度一緒にクエストでも連れてってやろう。
「カズマこの人は誰なのですか?何やら知り合いみたいな感じがするのですけど」
「え!?めぐみん私よ!ゆんゆんよ!」
めぐみんが未だに俺に抱きつきながらそんな事を言ってきた。
そういえばゆんゆんはめぐみんが記憶喪失という事まだ知らなかったな。
「めぐみん、こいつはゆんゆんお前の同じ里の出身で友達だよ」
「ふ〜ん…こんなぼっちみたいな人が私の友達ですか」
「めぐみん酷い!それにぼっちとか言わないで!。はっ!まさかこれは私を惑わせる罠なのね!」
「はぁ?何を言ってんですかこの人は…」
「めぐみん!?ちょっと今日は冷た過ぎない!?」
「ふーん」
「ねぇねぇまだ話長くなりそうなら先帰っていい?私早くお風呂に入りたいんですけど〜。ダクネスもそう思わない?」
「ん?いや私はこのまま粘液塗れでも…」
「お前ら…まぁ確かにこのままなのはあれだしさっさと帰るか、ゆんゆん今日家に来るか?」
「え!?行きたいですけど…その今日はまだやる事があるので明日じゃ駄目ですかね?」
「そうか、んじゃ明日来てくれめぐみんの事で話しておきたい事もあるからな」
「分かりました、ではお先に失礼しますね!」
ゆんゆんはそう言ってアクセルの街に戻っていった、さてさっさと家に帰るとしますか。あっそうだ
「ダクネス悪いがめぐみんとアクアと一緒に先に屋敷に戻っててくれ、俺はクエスト報告してくるから」
「分かった、けど良いのか?私が行っても良いのだぞ?」
「良いよこの中であまり汚れてないの俺だけだし、という事でめぐみん立てるか?」
「いえ先ほど色々あって腰が抜けてしまいましたので立てません」
「そうか…んじゃダクネス悪いがめぐみんを背負って…」
「あっ良いですよ私もカズマと一緒にギルドに向かいますので、カズマおんぶしてください」
「なっ!?」
めぐみんがそんな事を言ってきた、いやまぁ着いてくるのは良いけど粘液塗れだし(あと臭いし)流石にその状態でギルドに入ったらまたどんな目で見られるか…
「いや良いよお前は先に帰って風呂でも入ってろダクネス頼むわ」
「あっあぁ、ほらめぐみん行くぞ」
ダクネスが俺に近付き未だ抱きついてるめぐみんを背負おうとすると
「ダクネス良いですよ背負わなくても、先ほども言いましたが私はカズマと一緒にいますので。」
まさかのダクネスが背負う事を拒否をしためぐみん、ギルドにいる時少しは仲良くなったと思えば…こいつ案外結構引きずるタイプなんだな…
「んな!めぐみん遠慮するな!良いから私と一緒に来い、それにずっと抱きついてるとカズマに迷惑が」
「大丈夫ですよダクネス、別にそこまで強く抱きついてる訳じゃ無いですので」
「いやそういう訳じゃ!」
「長くなりそうだし私は先に帰ってるわ〜んじゃ後はよろしく〜」
「あっアクア!待つんだ!」
「…めぐみん頼むからダクネス達と先に帰っててくれ、報告し終わったら早く戻るからさ」
「むぅ…けど嫌なもんは嫌なのです私は絶対に離れませんよカズマ」
ん〜どうしたものか…このままいられるのも辛いし(てかさっきからめぐみんの息がかかってくるし)しょうがねぇなぁ…
「はぁ…分かったよ。んじゃめぐみんは俺が背負って帰るから、ダクネスアクアの事頼んだぞ」
「え!?しかしそれじゃカズマは!」
「このままずっと言い合いしても仕方ないしそれに日が暮れるうちに終わらせておきたいんだよ、ほら早くアクアの所に行け」
「むむむ…わ、分かったでは先に帰ってるからなカズマ」
「へいへーい、んじゃめぐみんギルドに行くぞ」
「はーい、カズマおんぶ頼みましたよー」
はぁ全くこの爆裂狂は記憶が無くてもこういう積極的な感じとかは抜けないんだな…本人は意識してないんだろうけど2日続いてこうやって甘えられると色々とヤバイ性的な意味で、とりあえず俺とめぐみんはギルドに向かいダクネスとアクアは屋敷へと向かった。
「はい、確かにクエスト完了しましたお疲れ様でした。こちらが今回の報酬になりますご確認下さい」
「あっはいありがとうございます」
俺はクエスト報酬を受け取りめぐみんがいる席に戻る、あれから少し時間が立ってるがめぐみんは未だ歩けないとか言い出し俺におんぶされるのを待ってる状態だ。絶対歩けるだろこいつ
とりあえず少し休憩して屋敷に帰るか
「ふぅ疲れた」
「あっカズマ報告ご苦労様です報酬はどうでした?」
「あぁ無事に貰えたよ、てかお前あれから結構経つんだしそろそろ歩けるんじゃないのか?」
「ん〜まぁ多少なら歩けますがすぐフラフラになって座り込んじゃいますよ?」
「マジかよ…んじゃ帰りもおんぶかな」
「そうですね、カズマお願いしますね」
「全く呑気な事を言いやがって…」
「まぁ良いじゃないですか、それにカズマの背中にいるととても暖かい感じがするんですこうして側にいたりして話す時みたいに」
「え?」
「多分感覚的に覚えてるんでしょうねウフフ♪」
「そ、そうか…」
「おっカズマ今照れましたね?照れたカズマも可愛いですね」
「うっ…お前本当は覚えてるんじゃないのかよ…」
「い〜え何も覚えてませんし何も思い出しては…あっ」
「どしためぐみん?」
「いえさっき変な言葉を思い出しましてね」
「変な言葉?気になるな言ってみろよ」
「分かりました、では…『光に覆われし漆黒よ。夜を纏いし爆炎よ。紅魔の名のもとに原初の崩壊を顕現す。終焉の王国の地に、力の根源を隠匿せし者。我が前に統べよ!』てな感じですね何言ってるか分かりませんがこの紅魔の名の元っていうのは私の事でしょうね」
「おぉ…お前そういう事は普通に思い出すんだな」
「えっへん!ではカズマそろそろ帰りましょう私お腹が空きましたよ」
「へいへい」
俺はまためぐみんを背負いギルドを出て屋敷へと向かった
「ぬふふ…あっカズマ明日暇であれば爆裂魔法を撃ってみたいのですが何か撃てそうなんですよね」
「い、良いぞ別にんじゃ場所は俺が決めておくぞ」
「はい、お願いしますね〜スリスリ」
これ屋敷が着くまでに俺の理性持つかな…最悪どっかの草むらでやっちまうぞ俺…
「カズマ、気のせいかもしれませんがその…そういう行為は私の記憶が戻ってからで…」
「俺の心を読むんじゃねぇ…全く」
「す、すみません…あともう一つ言いたい事が」
「なんだー?またそっち系の話か?」
「違いますよ!そのさっきカズマが言ってたゆんゆんという人物が背後からもの凄い目で見てきてるのですが」
「え?おいおいそんなわけ…」
ドシャーン!!
めぐみんがそんな事を言うと背後からもの凄い音がし振り向くとそこにはゆんゆんがいた。何してんだゆんゆん…てかさっきの話聞かれたか?
「い…いたぁ〜い…あっか、カズマさんこんにちは!」
「お、おう…ゆんゆんお前用事があったんじゃ…」
「そ、それがその…用事ですが私が着く頃には終わっていまして…」
「なるほど、んで帰ってる最中に俺とめぐみんを見つけたと?」
「はい…そ、その失礼な事をお聞きしますが2人は何処まで関係が!」
「おいさっきから何聞いてるんですかゆんゆんとやら、まぁ答えておきますが私とカズマはただの友人関係です」
めぐみんがおんぶされながらそんな事を言ったこいつ何でゆんゆんにまでこんなトゲトゲしいんだ?
「え?めぐみん今友人関係って?」
「えぇ言いましたよそれが何か?」
「い、いやぁめぐみんなら絶対恋人関係とか言いそうだったから…」
「ちょ!?ゆんゆん!?」
「な!?何を言ってるんですかあなたは!わ、私がかかかカズマと恋人なんて!!」
どんだけ慌ててんだよこいつは…まぁしょうがないかこいつ覚えて無いんだもんな此処はとりあえず俺も否定しておこう
「そうだぞゆんゆん、俺とめぐみんは別に付き合って無いし」
「そ、そうですか…あのカズマさんもう一つ聞いて良いですか?」
「ん?なんだ?」
「そのめぐみんの事ですが…今日街の外から会ってから何処か雰囲気が違う感じがするんですが何か知りませんか?」
おっと流石紅魔族中々感が鋭いな、まぁ別に隠しておくつもりは無いし言っておくか
「あぁ実は…」
「ええぇ!?めぐみんが記憶喪失に!?」
「ちょ!ゆんゆん声がデカイぞ!」
「そうですよもうちょっと静かにしてください」
「ご、ごめんなさい突然すぎて…」
「まぁそういう事だから、詳しくはまた明日話すけど。とりあえず俺達はもう帰るわまたなゆんゆん」
「そうですね早く帰りましょうカズマお腹空きすぎて倒れそうです」
「お前はおんぶしてるから倒れないだろうが」
「分かりました、その…本当にカズマさん達の家に行っても…」
「あぁ来ていいよ、てか別に遠慮はいらないぞ?好きな時に来たら良いさ」
「カズマさん…分かりました!ではまた明日ー!」
俺はそう言うとゆんゆんは笑顔になりそのままどこかへ立ち去って行った。今まで家に誘ってもらわなかったせいかそんなに嬉しかったのかゆんゆん…誰かあの子を拾ってやってくれ…
「カズマ随分とゆんゆんに優しいんですね〜」
「そりゃ女性には優しくしなくっちゃな」
「へ〜そうなんですか〜」
「はぁさっきから何だその愛想の無い返事は嫉妬か?」
「さぁ?私には分かりませんほら早く家に帰りましょう」
「マイペースな奴だなぁ全く」
何やらめぐみんが嫉妬してるように思えるがまぁいい、そろそろ日も落ちるしさっさと帰るか。俺はめぐみんを背負いながらまた屋敷へと向かった。
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