第4話 目覚めの朝

「ん〜…もう朝か〜…早いなぁ…」


俺は朝方の眩しい光で目を覚ます、昨日は色々あったのでまだ寝たかったのだがそんな事を考えてるとふとある事に気付く


「なんかさっきから俺の胸元に息みたいなのがかかってる感じがするんだが…まさか」


俺は恐る恐る布団をめくって確認してみるとめぐみんが俺の服を掴みながら胸元ですーすーと寝息をたてて寝ていた、何という幸せそうな顔してんだこいつは。そして俺は昨日の事を思い出す


「あっそいえば昨日一緒に寝たんだっけ…にしても女の子の寝顔ってこんなに可愛いもんなのか…はっ!落ち着け俺相手は頭があれな爆裂狂だ落ち着け俺!」


そうどんだけ可愛い寝顔でも中身がアレなら駄目だ、あっそいえばこいつ記憶喪失だった事忘れてたわ。それなら頭のおかしい部分は抜けてるなうん


「ん…あっカズマおはようございます…」


「おはようめぐみんよく寝れたか?」


おっとそんな葛藤していたらめぐみんが目を覚ましてしまった寝顔が見れなくなるのは残念だがまぁいいだろう、そして何故俺の胸の上に乗っかるのだろうか


「カズマさっき何を1人でうんうんと唸ってるのですか?」


「め、めぐみん?何でその事を?…」


「いえ寝てる最中誰かに馬鹿にされてる感じがしてですねそれのおかげで目が覚めてしまったのですよ」


「そ、そっか〜それは嫌な目覚めだな」


「じ〜…カズマまさか私の事頭があれな変なやつだと思ってませんでした?」


「ギクリ…そんな訳ないだろ何で俺が」


「ふーん…違うなら良いのですが、さぁ早く下に降りてご飯食べましょカズマ」


「そ、そうだなそうしようか…あっ」


「どうしたのですかカズマ?」


「いやお前の格好を見て思い出してなお前に服を貸してた事をな」


「あっそいえばそうでしたね、この服着る時苦労しましたよ」


「だろうな、今見てもダボダボな感じがするし。ズボンも裾捲ってるしな。よしちょっとお前の部屋に行って服着替えてこい」


「え?別に良いですよ私はこの服気にってますしずっと着ていたいですしスンスン…ふぁぁ…」


「いやそれだと俺が困るんだが…何で匂い嗅いでるんだ。とりあえず部屋まで俺が案内するから早くこい」


「むぅ…しょうがないですね…また着させてくださいよ?それと匂いを嗅ぐのは秘密です」


「そうかい俺の気分が良ければいつでも貸してやるよ、ほら行くぞ」


とりあえずいつまでもあの格好では色々とあれなのでめぐみんの服をとりにあいつの部屋へ向かうとする




「ここが私の部屋ですか…カズマの部屋とそんなに変わりませんね」


「まぁお前オシャレとかかなり興味無かったからな、あっ確かあのタンスの中に服があるんじゃないか?」


「分かりました、あのカズマ…」


「分かってるよ外でまってるから終わったら出てきてくれ」


「すみませんありがとうございます」


俺はめぐみんが着替え終わるまで廊下で待つ事にした、正直ここで待ってあの2人に見つかったらとんでもない事になりそうだが流石に時間的にもまだ早いから大丈夫だろう。しかしアレだなめぐみんがあんなパンツ履いてる事を想像すると…興奮するなうん。そして待つ事数分



ガチャ


「カズマ待たせてすみませんこの服で良かったですかね?」


「おっめぐみん着替え終わったか、うんやっぱその格好が似合ってるぞお前」


「ありがとうございます、私何時もこの服着ているんですね」


「そうだぞ、たまに違う服も着てくるけど大体はその赤い服を着てたぞ」


「なるほど、まぁこの服はデザインも良いですしかっこよくて良いのですし。」


「そうだな、んじゃ居間にいって飯でも食おうぜ」


「えぇそうしますか」


俺とめぐみんは一階の居間に向かう、そしてふと背後に視線を感じた何かものすごい殺意に近いような…


「なぁカズマ何故お前がめぐみんの部屋の前にいたんだ?そして何故お前がめぐみんの部屋から出てきたんだ?」


「ダ、ダクネス?いつからそこに?」


振り返るとそこには何時ものネグリジェを着たダクネスがいた、何でこいつ怒ってんの!?


「さぁいつからだろうなぁ?カズマボキボキ」


やばい何このダクネス超怖いんですけど!!これは普段食らってるアイアンクローの威力を越えそうな予感がするんですけど!!


「ん?カズマどうしたのです?それにあなたは誰ですか?カズマが言ってた私達の仲間ですか?」


「あぁめぐみんおはよう、その話は後でしよう先にカズマをだな…ゴゴゴ」


「ダクネスさん!?俺の弁解は無しですかね!?」


やばいやる気だこの人まじでやる気だぞ!普段ドM発言ばっかなのに!今はかなりドSぽいぞ!


「むっちょっと待ってくださいどういう事ですかカズマが何をしたと言うんですか?カズマは優しくて良い人ですよ?」


「め、めぐみん?何を言ってるんだ?こいつは駄目なクソニートで普段から家に引きこもってるクズだぞ?」


おーいダクネスさん流石にそれは言い過ぎじゃないですかね?いくら自覚してると言えど傷付きますよ俺


「イラ…こういう事を初対面の人に言うのもあれですけどあなたなんですか?そんなにカズマをボロカスに言うんですか?さっきから聞いてればカズマの悪口ばかり…カズマがあなたに何をしたと言うんですか!言って見てくださいよ!ほら早く!」


「めぐみん!?お前は何を言って!しかも初対面って!」


どうやらめぐみんの発言に驚いてるなダクネス…てかこうなるのは俺も予想外だ、まぁとりあえずこの場を収めないとまた面倒い事になるな


「おいお前ら朝から喧嘩すんな、めぐみんとりあえずお前は落ち着け!」


「カズマ良いんですか!?こんなに言われて良いんですか!?」


「別に俺は何言われようが知ったこっちゃない、ただ仲間がこうして喧嘩する所は見たくないだけだよ」


「…カズマすまないお前がめぐみんの部屋から出てきたからまた何か如何わしい事をしてるのかと…」


「イラ…またあなたはそうやって!」


「待て待て落ち着けめぐみん!な!ほら早く居間にでも行って飯でも食おうぜ腹減ってちゃいつまでもイライラするだけだ」


「ぐぬぬ…ふん!分かりました今回はカズマの顔に免じて無しにしてあげます、ただしまたカズマを馬鹿にするような事があれば許しませんからね!」


めぐみんはそう言い居間に向かった、あいつまだ怒ってはいたが何とか理解してくれたようだ。しかしあそこまで熱くなるとは思わなかったな…


「はぁ…ダクネスとりあえず分かっただろ?あいつは本当に記憶が無いんだよ」


「みたいだな…私の事を初対面と言うくらいだ…しかしめぐみんからの罵声中々良かったなハァハァ//」


「お前は何時もブレないな…」


何でこいつはこんなに仲間から言われてもブレないんだろうか…流石は変態そしてめぐみんの後を追うように俺たちも居間へ向かった


「何かさっき騒がしかった気がするけど気のせいかしら?ふぁぁ〜…頭痛い…」





「おやカズマまだその女と一緒に居たんですか早く台所に来てください手伝いますよ」


居間に着くとエプロン姿のめぐみんがいきなりとんでもない発言をしてきた


「おいめぐみん俺はもう気にしてないから怒るのはやめてくれ、それにこいつはダクネスだ」


「いえ別に怒ってませんよ?ちっとも怒ってませんともえぇ」


「あーぁ…ありゃかなり怒ってんなあい」


「そうだな…すまないがカズマ何とかめぐみんの怒りを収めてくれないか?流石に私も仲間からの罵声は段々効いてくる…」


「分かったよ、お前はそこで大人しく待ってろ」


「すまないカズマ、助かる」


はぁめぐみんが怒るのは分からないが早くイライラを沈めないとな、とりあえずめぐみんがいる台所へ行こう



「おっカズマやっとあの女から離れましたか、さて朝ご飯は何にしますか?」


「ちょっと待て作る前に一つ言わせてくれ、あの女じゃなくてダクネスだダクネスは俺たちの仲間だ」


「へぇ〜あれが私達の仲間ですか〜カズマを盛大に馬鹿にするあのダクネスという女が仲間ですか〜へぇ〜」


「め、めぐみん?怖いから包丁は置こうな?」


「おっとすみません取り乱しました、イライラするのもあんまり良くないですね」


「そうだぞ、さてめぐみんも落ち着いたとこだし朝飯はささっと簡単に作れるやつにするかな」


「そうですね、早くちゃちゃっと作ってしまいましょう」


何とかめぐみんのイライラを収める事が出来た俺はささっと飯を作っていった、これでダクネスと仲良くなってくれたら良いんだけどな




「まさかカズマが言ってた事が本当だったとは…悪い事をしたな…」


「おはよぉ〜…あらダクネス随分と早起きね」


「そういうアクアもな、そしてまた二日酔いか?」


「そーなのよー…あぁ頭が痛い…」


「全くアクアは…二日酔いの薬はそこの棚の中だ」


「ふぅ…何よその言い方そいえばカズマとめぐみんは?」


「あぁ2人なら台所で朝食を作っているぞ」


「へぇ〜そーなのね、あっそいえばめぐみんのやつあれ本当だったわけ?」


「あぁ本当だ、カズマに聞けば詳しく分かると思うが先程めぐみんと喧嘩しかけた時私の事を初対面と言ってたからな」


「ふーんそうなのね、あっカズマとめぐみんが来たわよ」





「おっなんだアクアなんだ起きて来たのか」


「カズマあの青い髪の人はアクアと言うのですか?」


「あぁそうだアクアも俺たちの仲間だからな、さてめぐみん飯をテーブルに並べて席についてくれ」


「分かりました」


「今日も美味しそうに作るわねー、あっめぐみんありがと〜」


「いえいえ、あっカズマ隣どうぞ」


「あぁすまんな」


人数分の料理をテーブルに並べると俺はめぐみんの隣の席につく。あっそうだ改めてめぐみんの状況を説明しとくか


「ダクネスとアクアに言っとくがめぐみんは昨日色々あったせいで記憶喪失になった、正直これからどうなるか分からないが宜しく頼むめぐみん改めて言うがこっちの金髪の奴がダクネスでこの青髪で駄目そうな奴がアクアだ」


「あぁ分かった、めぐみん先程はすまなかった私はダクネスこのパーティーでクルセイダーをしている」


「ちょっとカズマ青髪で駄目そうなって何よ!もっとちゃんと言いなさいよ!」


「と、言うわけでめぐみん何か思い出せそうな事があったら言ってくれ」


「はい、頼りにしてますよカズマ。

ダクネス私も先程は取り乱してすみませんでしたこれから宜しくお願いしますね。

今は何も思い出せませんがいつか全て思い出してみせますので」


「あぁめぐみんゆっくりで良いさ」


「何か勝手に話が進んでるけどまぁ良いわめぐみん私はアクアよこれから宜しくね!」


「アクア宜しくお願いしますね」


「ゆし、自己紹介も終わったところで飯食うか」


「そうね!さぁ早く食べるわよー!」


「アクア朝からはしゃぎ過ぎだ」


「カズマでは頂きましょうか」


「だな、では」


「「「「頂きまーす」」」」



とりあえずこいつらにめぐみんの事を説明出来たがさてどうするか、まぁ先ずはクエストにでも行ってみるか!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る