第3話 1日の終わり

「うぅ…服や下着がびしょ濡れです…」


私はカズマに風呂に入れと言われ風呂がある部屋に連れてこられた、カズマは私をここに連れてきた後服を取ってくるからと自分の部屋に向かった。


「はぁ…とりあえず早く脱いでお風呂にでも入りますかね…」


いつまでもこのびしょ濡れた下着や服を着る訳にもいかずさっさと服や下着など脱いでいった


「しかしこの赤い服といいこの眼帯といい…何でこんな格好をしてたんでしょうか…そしてこの下着…」


そう脱いでる途中で気づいたのだがこの赤い服とかっこいい眼帯…これは普段私が着ているやつでしょうか?後でカズマに聞いてみましょう。そしてこの下着色々とアウトですよ、見た目は普通ですけど黒色だから分かりませんがちょっと透けてますし…そしてちょっとその…漏らしたやつの臭いが…


「あぁもうとりあえずこんな事忘れてシャワーでも浴びましょう!」


私はそう言い浴室に入った嫌な事はお風呂に入って忘れるのです!





「ふぅ…良い湯です…」


何だか今日は色々あって疲れました…目が覚めたら知らない所にいたり知らない人がいたり…その知らない人はカズマと名乗りました彼は不思議な人でしたねずっと私を気にかけて心配してくれたりパニックになった私を落ち着かせてくれたり…ただ私を助けてくれた人に漏らしてる所を見られたのは最悪でした…


「はぁカズマにあんな姿を見られるとは…そして私これからどうなるんでしょうか…」


私はそんな事を考えながら深いため息をつく。カズマが言った話だと私は記憶喪失というやつになったみたいです。なんでも今まで覚えてきた事を全て忘れるという病気みたいなものだと

それを治すには頭に刺激を与えたりするのが良いらしいですが。


「まぁもし何かあればカズマに助けて貰いますかね」


そんな事を言いながらゆっくり湯船に浸かってると


『めぐみん〜ここに着替え置いておくぞ〜』


扉越しにカズマの声が聞こえました、着替えを持ってきてくれたのですね


「あっカズマすみません着替えまで用意させてしまって…」


『気にすんなよ困った時はお互い様だ、んじゃ俺は飯作ってくるから風呂上がったら居間に来いよー』


「分かりました、そのカズマ」


『ん?なんだめぐみん?』


「本当にありがとうございます」


『良いってことよ、んじゃ居間で待ってるからな〜』


カズマ…私は自分の事もカズマの事も何も覚えていない、だけど何故か安心してしまう…まるでずっと側で居たかのように。


「カズマは本当に不思議な人ですね…惚れてしまいそうです…」


私はそう呟いやきお風呂から出て脱衣所に行くとバスタオルとカズマが着てると思われる緑色の服とズボンそして黒いシャツと黒くて可愛いフリルが付いた下着が綺麗に用意されていた、ん?下着?


「はっ!そういえば私漏らしたんでしたね…だからカズマはわざわざ替えの下着を取りに…あぁもう!!せっかく良い感じに忘れていたのに思い出してしまいました!!」


あぁもう本当に今日は最悪です!てか私こんな下着持ってたことにびっくりですよ!何ですかこれ思いっきり男を誘惑出来そうな下着ですよ!まさかカズマこういうのが好みなのですかね?…はっ!いけない何を考えてるんでしょうか私は!


「はぁ、もうさっさと着替えてカズマのところに行きましょうか…」


そうして私はカズマが用意した服に袖を通すと少しサイズが大きかったのか袖からは私の指先までしか出てきませんでした、ズボンも少しゆるゆるでしたがベルトをするタイプみたいだったのでずり落ちる事は無さそうです。そして不意に何故かこの服を嗅ぎたくなりいざ嗅いでみると


「ふぁ〜…カズマの臭いがします…はっ!何故私はこんな事を!!」


もうさっきから色々と変ですよ私!もう何も考えずにカズマがいる居間に向かいましょう!




「あれぇ…確かこっちだったような…」


あの後私は服を着てカズマがいる居間に向かったのだがこの家は無駄に広く…迷うという事態になってしまいました家で迷うとか最悪です…


「うぅ…カズマぁ…何処にいるんですかぁ…シクシク」


あぁどうしましょう涙が出てきました…あっそうだ


「クンクン…ふぁぁ…カズマの臭い〜…」


私は着ている服を嗅ぎカズマの臭いで不安な気持ちを抑えた、何故かこうすると落ち着くんですよね…けどこれカズマには見られないようにしましょう絶対に。




「うぅ…一体何処まで歩いたんでしょうか…クンクン」


私は服の臭いを嗅ぎながらまだ迷っていた、あぁ早くカズマに会いたいです…もう嗅ぐだけじゃ不安は取りのぞけません…


「ん?この匂いは何でしょうか?とても美味しいそうです」


突然美味しそうな匂いがやってきた、もしかしてこの匂いをたどって行けばカズマに会えるのでしょうか?


「分かりませんがとりあえず行って見ましょうか!」


私は急ぎ足で匂いをたどりながらカズマの元へ向かった





「ふぅ何とか居間につきました…この奥にいるんですかね?あっそういえば何か作りながら待つとか言ってましたねちょっと気になるので覗いて見ますか」


何とか居間にたどり着いた私はカズマがいる部屋の所まで来ました。多分この奥は台所ですかね?もしそうならカズマが頑張って料理をしてるはずです、そうだ料理してるなら私にも何か手伝える事があるかもしれません(カズマの近くにいられるし)そうですそうしましょう!そうして私は扉のドアに手にかけようとすると


「にゃーーー!!」


「ん?おぁ!?」


突然変な黒猫が私にめがけてジャンプしてきました無論突然過ぎたので私は足を滑りその場にカズマがいる部屋の扉とは逆側の方に倒れてしまいました


「いたたた…何ですかいきなり…」


「んにゃ〜♪ゴロゴロ」


「何故私の上でそんなゴロゴロと唸りながら顔をスリスリしてるのですかあなたは…」


分からないこの猫は何故こんな事をしてるんだろうか…もしかして私が連れてきた猫なのだろうか?


「じ〜」


「…よく見るとちょっとだけ可愛いですね」


「にゃ〜ガサゴソ」


「え?ちょっと!?何で急に服の中に!?」


何ですかこの黒猫は!いきなり私の服の中に入ってきましたよ!(カズマの服ですけども!)そして更に首の周りでチロチロと舐めてる感触が!


「あんっ!ちょ何ですか!舐めないで下さい!」


「にゃーんチロチロ」


私は必死で引き剥がそうとするが舐められてるせいか力が入らずしかもこの黒猫今度はお腹辺りを舐め始めましたよ…今はちょっとくすぐったい感じですがそれとは他に何故か変な感じがして…


「んん!もうやめて下さい!これ以上舐められると!」


何故かさっきからどんどんいやらしく感じてきてる自分、やばいですこのままだとまた!しかもこの後ろの扉にはカズマが!あぁまたカズマに漏らしてる所を見られてしまいますよ!


「くぅ!もぅ…駄目です我慢するのです私…!ちょっと私の中に…入ってる黒猫!…いい加減…出てきて下さい!ハァハァ」


「んにゃ〜」


私は服の中に手を突っ込み何とか黒猫を引き剥がす事に成功した、危なかった後もう少しで何か出しちゃうとこでしたよ…その何かは言いませんけども


「はぁはぁ…舐められる感触がこんなに気持ち良いなんて…こんな姿カズマに見られないで良かったですね…はぁはぁ…」


「わ、悪りぃめぐみん…その安心してる所悪いんだが…さっきからずっと見てたんだけど…」


「ふぇ?か、カズマ?が何で…」


何故カズマが?料理してるはずじゃ?


「いやその〜めぐみんの声が聞こえたからさ、料理も出来たし呼びにいこうと扉を開けて出てきたんだが…そのマジで悪かった!」


「……」


あっ駄目ですもう恥ずかし過ぎて何も考えられませんし声も出ません


「お、おーい?めぐみん?めぐみんさん?」


あぁカズマの声がどんどん遠くなってきますよずっと私を呼んでるぽいですが駄目です私はこのまま朝まで気絶してやります


「めぐみん!?おい!しっかりしろ!気絶すんな!!」


あぁ神様明日になったら全部忘れてますように…私はそう祈りながら気絶していきました






「だ…ら!めぐみん……が覚め…!」


「ん…」


やけに騒がしいのでちょっと目を開けるとカズマが誰かに話しかけていました、あっそういえば私あの後気絶したんでしたね。あれから何時間経ったんでしょうか?ちらりと外を見ると暗くなっていました。そしてちょっと首を動かすと何故かカズマの体が近くにありました何ででしょうか?駄目ですね寝起きのせいか頭が回りません


「カズマ…お前が言ってる事は本当なのか?それに何故めぐみんがお前の服を着てるんだ?」


「だから本当だって…服はちょっと色々あって貸してんだよ」



「ほぅ…色々か」


意識がはっきりしていく中何やらカズマが揉めてるみたいですね、しかも声の相手は女性みたいです。もしかしてカズマが言っていた私とカズマの冒険者仲間の方ですかね?


「ふーんまぁそんな事はどうでもいいの、けどおかしいわ私のヒールを受けておいて記憶が戻らないなんてありえないもの実際カズマが記憶消しのポーション飲んだ時にも元に戻ったし」


「あれはポーションの効果のせいだったからだろうが、今回のは物理的に記憶が飛んだと思うんだよ」


「ふーん」


話を聞いてるとどうやら私の事で揉めてるみたいですね…このままではカズマにも迷惑をかけてしまいますしそろそろ起きますかね


「ふぁ〜…カズマどうされたのですか?それにこの人達は…」


「おっ!めぐみん目が覚めたか!大丈夫か?」


「はい…大丈夫ですよ…って何でカズマの顔がこんなに近くに?」


そう起きてみたらカズマの顔がすぐ近くにあったのだ。うん明らかにおかしいですねとりあえず理由を聞くと


「えっそりゃ…お前気絶してたから…とりあえずソファで俺の膝の上でだな…」


「あんた…自分でやっといて何で恥ずかしがってんのよ…」


「全くだ…普通にソファで寝かせれば良いものを…」


「う、うるせー!お前らには関係ないだろ!」


何やらまた騒ぎ始めているがカズマ今何と言ったのでしょうか?俺の膝の上で?いやいやまさかここはもう一度聞いてみましょうか


「あ、あのカズマもう一度言ってくれませんか?」


「うひひ、ほらほらーカズマさん愛しのめぐみんが聞いてますよ?」


「なっ!!アクア!めぐみんとカズマはそういう仲では!」


「うっせーよ!駄目神が!全く…あの後めぐみんが気絶しちまってとりあえず床に寝かせておくにもいかずとりあえずソファに寝かせようとしたんだが…。ついついお前の寝顔が可愛くてじっくり見たくなってだな…だから膝枕したんだよ」


「あ…あぁ…」


なんて事でしょうか私はカズマに膝枕を?あぁ駄目ですねこれまた気絶しますよ


バタ


「その2度もこんな事して悪かっ…めぐみん?おい?おーい!?お前また気絶すんのか!?」


ごめんなさいカズマ私は今とてつもなく恥ずかし過ぎて気絶したいんです大人しくこのまま気絶させてください、そうしてまた私は深い眠りにつきました



「…駄目だまた気絶しやがった…」


「みたいだな…とりあえずこのままカズマの近くで寝かせておくとめぐみんの身が危ないから私の部屋に連れて行こう」


「は?何言ってんだよ変態クルセイダーが。さっきも言ったろうがめぐみんは記憶喪失になったって。こいつがお前の部屋で目を覚ましたらお前みた瞬間発狂すんぞ」


このドMは突然変なことを言い出したこの俺がまた何かするだと?何もしてねぇし?もし何かしたならめぐみんの部屋にいってちょっと下着を渡しにいったくらいしか無いし?まぁこれバレたら即アウトだけどな…しかしこいつら俺を信用してないのかめぐみんが記憶喪失になったと説明してるのに全く聞いちゃいない



「んな!例えめぐみんに記憶が無くとも私をみたらすぐ誰だか分かるはずだ!!」


「お前な…記憶喪失を甘くみんなよ?このままじゃ一生記憶が戻らないかもしれないんだぞよく考えて物言えど変態が!」


「んんん!ど変態…!カズマこんな状況なのに言葉責めとはやるな…!はぁはぁ//」


あぁ駄目だこのドMに何言っても無駄だった…でも確かにこのまま此処で寝かしておくのもあれだな風邪を引いたら困るししゃーない飯は後で部屋に持っていくとして…


「とりあえずもう遅いからめぐみんは俺の部屋に連れていく、んじゃな」


「おい!カズマ!お前はヘタレだが何かする時もあるんだ!だからここは私が!」


俺は気絶してるめぐみんを背負いそのま居間から出ようとするとダクネスが止めてきた


「んしょっと…大体お前の部屋に連れて行ってもめぐみんがパニックになって今より悪化したらどうすんだ?責任とれんのか?」


「せ、責任…」


「しかももう夜だぞ?もしめぐみんが外に出てしまったらどうするんだ?お前はこの月明かりだけで探せるのか?」


「いえ…探せません…」


「だったら今日は大人しく寝て明日まためぐみんに聞けば良いだろう、んじゃお前らまた明日なー」


「んじゃ私はまたお酒でも飲みましょうかねー」


「確かにそれもそうだがしかしだな…ってカズマ待つんだ!カズマ!」


「おっさけ〜♪おっさけ〜♪美味しいお酒〜♪」


何やら騒がしい2人は置いておき俺はめぐみんを俺の部屋まで連れて行ったとりあえずベットに寝かして置いてその後飯でも取りにいくか







「ん〜ここは?」


私は目が覚めるとまた見知らぬ部屋にいた、ここはカズマの部屋でしょうか?暗い部屋を見回して見ると


「ぐ〜ぐ〜…」


カズマが椅子にもたれかかり寝ていました、そんな所で寝なくても良いのに…そしてテーブルを見るとは晩御飯が置いてありました。すると


ぐぅぅ〜〜


「うっ…そういえばご飯まだ食べてませんでしたね」


あまりも空腹なせいかぐーぐーとなっていますね私のお腹、ただご飯を食べる前にやる事が

私はベットから体を起こしテーブルがある方へ向かう


「カズマ〜ここで寝ちゃ風邪ひきますよー」


「ん…おぉめぐみん〜目が覚めたのか…ふぁ〜」


私はカズマを起こしベットで寝るよう説得するここはカズマの部屋なのだからカズマがベットを使うべきなのです、私は床で寝れば良いですし


「いや良いよお前が使え…」


「そ、それは駄目です!ここはカズマの部屋なのだからカズマが使うべきですよ」


「て言われてもなぁ…」


「良いから早くベットに言ってくださ…」


ぐぅぅぅ〜〜〜


「…めぐみんとりあえずここに飯があるから早く食え…」


「は、はい…そうします」


まさかのタイミングでお腹がなってしまいました、私は恥ずかしくて顔を俯かせながら部屋にある椅子に座りました


「めぐみんそういう事は誰にでもあるんだ、だから別に恥ずかしがらなくても良いぞ、ほれ飯だ」


「うぅ…いただきますぅ…」


私は用意されたご飯を一口食べると


「ふぁぁ…とても美味しいですよカズマ!」


「そうか?それなら良かったよあんまりこういう料理はしないからさ」


私はカズマの話を聞きながらご飯を次々と食べていた、カズマってやっぱ凄いですね料理も出来るなんて


「めぐみんもっとゆっくり食べなよ、飯は逃げないからさ」


「いやふぁってカズマのご飯がおいふぃくて」


「はぁめぐみんちゃんと飲み込んでから喋りなさい喉詰まっちまうぞ、ほれ水だ」


私は次々とおかずとご飯を口に入れていたせいかほっぺがリスみたいになっていました、そしてカズマは魔法を使いコップに水を入れ私にくれました


「ごっくん…ぷはぁー!いゃ〜本当にカズマの料理は美味しいですねもうお腹いっぱいですよ」


「そうかいそれなら良かったよ、んじゃ飯も食べたしもう寝ようぜ俺もう眠くて眠くて…」


「そうですね、それではカズマベットへどうぞ」


「いやいやお前は何処で寝るんだ」


「ん〜そうですね正直他の部屋に行くのは怖いのでカズマの隣で寝ちゃ駄目ですか?」


「お前よくそんな事を簡単に…まぁもう夜も遅いし良いか」


何かカズマが悩んでたみたいですがどうやら一緒に寝ても良いみたいですね良かったです


(これで安心して眠れます!)


私は心の中で喜んでるとカズマはベットに倒れこみました、早く私も寝ないとですね!あっそうだ


「ふぅ…やっぱ椅子よりベットが1番だなー」


「んしょ…そうですね〜あっカズマちょっと腕枕してもらっていいですか?」


「ん〜?あぁ〜良いぞ〜…」


カズマは寝ぼけながら片方の腕を出してきました、これで私も気持ちよく寝れます


「カズマ…今日はありがとうございました色々と助けてくれて…」


「ん〜…良いって事よ〜…」


「カズマ眠たそうですね、さぁ早く寝ましょう」


「そうだな…ふぁぁ…おやすみめぐみん…」


「おやすみなさいカズマ…明日もよろしくお願いしますね…」


私達はそう言いながらお互い深い眠りにつきました、今日は色々あって疲れましたが明日はどんな事があるんでしょうかね?楽しみです♪

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