第2話 自分は何者?どんな人?




「なぁめぐみんお前がこんなふざけた事を言うなんてどうしたんだ?」


「め、めぐみん?私の事でしょうか?別にふざけてる訳では…」


「えぇ…」


「あのもう一回聞きますがここは何処なのです?そしてあなたは…私は誰なのですか?」


「…」


「?」


「何で…何で…こんな厄介事ばかりおこるんだぁぁぁぁぁ!!!」


「ひぃ!!ご、ごめんなさい!変な事聞いてごめんなさいー!!」


はっ!あまりにも突然過ぎて叫んでしまった!叫んでしまったせいかめぐみんは怯えて部屋の隅にいき涙を流しながらずっとごめんなさいと言っている…


「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」


「ちょ!大丈夫だ!いきなり叫んで悪かった!何もしないから安心しろって!」


俺は大丈夫だと信じさせる為に両手を広げ一歩ずつ近づくと


「ひぃ!!!ごめんなさい!!私が悪かったです!だから何もしないで下さいー!!」


まさかの余計怯えさせてしまうという事態になってしまった!くそ!こうなったら!


「めぐみん悪いがそのままでいろよ…おりゃ!!」


「きゃーー!!!ごめんなさいぃぃー!!私が悪かったですぅぅー!!」


めぐみんが泣き叫ぶ中俺は思い切ってめぐみんを抱き寄せた、何故かは知らないがこうすればめぐみんは落ち着くと思った。俺は大丈夫大丈夫と言いながら優しく頭を撫でた、そして少し時間が経つと落ち着きを取り戻し泣き止んだ


「めぐみん大丈夫だ…大丈夫何も心配ない」


「…もう…ヒッ…大丈夫です…グズ落ち着きましたので…グズ」


「そうか、それなら離すけど良いか?」


「すみません…その…後少しだけで良いのでこのままで…」


「わ、分かっためぐみんがそう言うなら…」


「ありがとうございます…」


やばい何がやばいって俺の理性がやばい!だってさっきは本当にめぐみんを落ち着つかせる為にやっただけで…はぁ〜めぐみんの髪良い匂いだ…って何やってんだ俺ー!


「その…先程は本当にすみませんでした…突然パニックになってしまって」


「い、良いんだ俺が叫んじまったのが原因だしさ…本当に悪かったな叫んじまって」


「フフ…こうしてあなたと話してると何故か心が安らぎます…」


「そ、そうなのか?」


「はい…私はあなたの事が…自分の事が何一つ分からないのにこうしてパニックになった私を落ち着かせてくれた。こんな事をしてしまって…あなたはとても優しい人なのですね」


「いや別に…俺はその…」


「フフ♪あっもう離しても良いですよ」


「あっあぁ…分かった」


めぐみんにそう言われ素直にめぐみんを離した、ちょっとさっきまでの感触が名残惜しいがまぁ我慢だ我慢…


「それでその私はめぐみんと言うんですね?先程から私をそう呼んでましたし」


「そうだよお前はめぐみん、んで俺はカズマだ」


「カズマ…何だかとても懐かしい呼び名ですね」


「懐かしいねぇ…」


「あの一つ良いでしょうか?」


「ん?なんだ?」


「私はどんな仕事などしておりましたか?」


「仕事ねぇ…その俺とお前は仲間であり冒険者なんだ。だからたまにクエストを受けてそれで飯を食ってるんだそして他にも仲間が2人いるが…あっそうそうお前はアークウィザードっていう職業についてるんだぞ」


「なるほど…冒険者でアークウィザードですか…なんかかっこいいですね!あっカズマの職業は何ですか?」


「俺は初期職業である冒険者だよ」


「ほぅ…初期職業の冒険者ですか」


「あぁ、ちなみにお前は爆裂魔法という魔法を好んで使ってたな。まぁそれしか使えなかったんだけど」


「爆裂魔法…これはどういう魔法なのです?」


「爆裂魔法はな一言で言えばどんな敵だろうとほぼ一撃で倒せる魔法だ、だがその分馬鹿みたいに魔力を消費するし爆発範囲は広いし…

下手に撃てばもう1日魔法は使えない状態になっちまうんだよ」


「なるほど、その魔法を私が…何故でしょうちょっと撃ちたくなってきました」


「おいやめろ撃とうとするなよ?てか今日はもう一発撃ってお前は殆ど魔力が残ってないんだ」


「そうなのですか?」


「そうだよ、今撃っちまうとお前死んじまうぞ?」


「え…流石に死ぬのは勘弁ですね」


「ふぅ、とりあえず今話せる事は話したけどどうだ?何か思い出せないか?」


「すみませんまだ何も…」


「そうか…」


こりゃ厄介な事になっちまったな…アクアが帰ってきたらまたヒールをかけてもらうか?まぁどうせ確率は低いだろうが駄目でもやるしかないか、俺がそんな事を必死で考えてると


キュルルルル


「ん?」


何処からか空腹の時に出る音が


「あっ!いやこれはその!」


「そういえば飯がまだだったな、よしめぐみん飯作ってやるよ」


「す…すみません…」


「気にすんなよ、誰だって腹は減るんだ。めぐみん立てるか?」


「いえ、申し訳無いのですが手を貸して頂けませんか?」


「良いよそんくらいほら」


俺は手を貸しめぐみんが立った所で俺はふと気づいた


(ん?床が少し湿ってる?まさか…)


俺は恐る恐るめぐみんの太ももの辺りを見るとそこにも少しながら湿っていた、まさかめぐみんがちびるとは…そんなに怖かったのか。てかこれどう伝えるんだ


「?カズマどうしたのですか私の脚ばっかみて…」


あっ察しがついたのかめぐみんは次第に顔が赤くなり股を抑えモジモジしていた、よくみると僅かながらも太ももから伝って降りていく汗らしきものが…あぁ神様ありがとうございます!


「うぅ…いつの間に私は漏らして…しかもカズマに見られるなんて恥ずかしいです…」


「め、めぐみんその…悪かった着替え持ってきてやるからさお前は風呂にでも…」


「分かりました…うぅ何でカズマに…」


「本当に悪かったって!ほら風呂はこっちだ」


俺は急いでめぐみんを風呂に連れて行きその後俺は自分の部屋へと向かった


「とりあえず俺のジャージを着させておくか…あっ」


服は良いとしてあいつが漏らしたって事は下着も変えなきゃいけないわけで…しかもその下着を取りにいくにはめぐみんの部屋に入らないといけないわけで…これは仕方がない仕方がないのだ

そうこれはめぐみんの為だから決してやましい事など無いのだから!


「し、失礼しま〜す…」


はぁ〜ここがめぐみんの部屋…初めて入るけど部屋の間取りとかは変わらないんだな。何か凄い良い匂いがするぞ!


「さ、さーてめぐみんの下着は何処に…グヘヘ」


俺はやましい心を抑えタンスを一段ずつ開けていったそして


「おっこれか…凄いなあいつのパンツ殆ど黒じゃないか。」


タンスの下から二番目の段を開けると黒い下着が沢山入っていた、よくみるとフリルが付いたタイプや赤いリボンが付いたやつなど…あいつ紐パンまで持ってたのか…見た目によらずこういう所は案外エロいんだなめぐみんは今度この紐パン履いてもらおうか。俺は適当に下着を一枚取り開いてあるタンスを閉めめぐみんが入っている風呂へと向かった


「めぐみん〜ここに着替え置いとくぞー」


俺はそう言うと少し間を置き扉越しに声が聞こえてきた


『あっカズマすみません着替えまで用意させてしまって…』


「気にすんなよ困った時はお互い様だ、んじゃ俺は飯作ってるから上がったら居間に来たくれよー」


『分かりました、あのカズマ』


「ん?なんだめぐみん?」


『本当にありがとうございます』


「良いってことよ、んじゃ居間で待ってるからな〜」


例え記憶を無くしてもやはりあいつは仲間だ助けてやるのは当然の事だ、まぁ個人的にはそれ以外の理由もあるにはあるけども…まぁそんな事よりもう日は落ちるしさっさと飯でも作ってめぐみんが上がってくるのを待つとしようか

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