記憶を無くした紅魔の少女

ハデス

第1章 記憶を無くした紅魔の少女

第1話 失った記憶





「あ〜あ今日はあんまり良いクエがないな〜」


俺の名はサトウカズマ色々あってこの世界に転生し冒険者になった、最近塩漬けクエストをこなしそこそこレベルアップしたので今日はまたクエスト行くつもりだったから早めに来たんだが…どうも俺のパーティーに合うクエストが全く無かった…このまま帰ろうかと考えていると


「あっカズマもうギルドに来てたのですね」


俺に話しかけてきたのはめぐみんだ、うんあだ名じゃないよ?これがあいつの本名らしい。あんまり名前の事を言うと面倒いのでやめておこう


「カズマ今私の名前について考えてませんでした?」


「考えてねぇよ、てか今日はどのクエストも俺たちのパーティーじゃキツイやつばっかだからクエスト行くの中止な後でダクネスとアクアにも言っとかないと」


「そうですか、あっ隣いいですか?」


「あぁ良いぞ」


「ふぅ…クエストが中止となると今日は暇になりますね?」


「そうなるな〜」


「ならまた何時もの日課に付き合って来てくれませんか?」


「えぇ〜…一々ドレインタッチすんの面倒いからやだ」


「なっ!別にもうドレインタッチしなくても良いんですよ!おんぶしてくれればそれで…」


「おんぶも疲れるんだよ、いくらお前が軽くてもな。てかお前たまに寝てる時あるし」


「軽いとは失礼な!身軽と言ってください!!何ですかこんな美少女をおんぶ出来るんですよ?普通の人ならご褒美みたいなもんですよ?」


「お前が中二病全開で爆裂爆裂と言わなきゃ俺も喜んでおんぶしてやるよ」


「今爆裂魔法の事を馬鹿にしましたね、良いでしょう!その喧嘩乗りますよ!」


「あぁーもうまた始まった…しょうがねぇな〜分かったよ行けば良いんだろ行けば」


「またとは何ですか!またとは!ふん!まぁ行く気なっただけ良しとしましょう、では早く行きますよ!!」


「ちょ!おい袖引っ張んなよ!てか何で怒ってんだよ」


「…私の気持ちを気付かないからですよ馬鹿…ボソ」


「え?今なんて?」


「あぁ!もぅ!ほらさっさと行きますよ!!」


「ちょおい!めぐみん!!」


何だかんだで結局行く事になってしまった俺、まぁいつも通り爆裂魔法を撃ってそのまま無事帰るだろうとこの時はそう思っていた…




「ふぅ今日はここにしますか、おっ丁度良い的になる大岩が!今日はあれを破壊して差し上げましょう!!」


「おーそうかそうかーがんばれー」


「むっ…何で棒読み何ですか…全く…」


「ん?何か言ったか?」


「別に何でもありませんよー!では行きます!!」


(何か今日は珍しくイライラしてんなあいつ大丈夫か?)


『紅き黒炎、万界の王。天地の法を敷衍すれど、我は万象昇温の理。崩壊破壊の別名なり。永劫の鉄槌は我がもとに下れ!エクスプロージョン!』


ドーーーーーン!!



「おぉー相変わらず威力たけぇなーこれなら…ん?何か岩の破片がこちらに飛んで…まさか!めぐみん!」


「どうです!どうですか!これが我が最強魔法の威力でっ…ぎゃふ!?」


あっめぐみんの頭に直撃した…てっそうじゃない!


「めぐみん!大丈夫か!?」


「うっ…うぅ…」


良かった意識は辛うじてあるみたいだ、ただ出血量が少し多いなこのままじゃ危ない。


「めぐみん悪いがお前のマント少し借りるぞ」


ビリビリビリ!


俺はめぐみんのマントを掴みその一部をチュンチュン丸である程度の長さまで切り取り

そして軽くクリエイトウォーターで湿らせたハンカチで傷口周りを拭きそのままめぐみんの頭に先程切り取ったマントの切れ端を巻いた。とりあえずこれで出血は抑えられるはず…


「めぐみんしっかりしろよ…ここで死ぬんじゃないぞ」


「うぅ…痛い…頭が痛いです…」


とりあえず早く街に戻ってアクアに治療してもらわないと!多分この時間ならギルドにいるはずだ!俺はめぐみんを背負い急いで街に戻っていった





「はぁはぁ…アクアは!…アクアは何処だ!」


「ん?何よ〜昼間っから私の名前を呼んで〜今美味しいお酒を飲んでる所なのよ〜」


「酒なんてどうでも良いだろ!あっそうだアクアめぐみんの治療を頼む!」


「え!?めぐみんに何かあったの?」


「そうだよだが話すのは後だ!とりあえず早く治療を!」


「わ、分かったわ!それじゃめぐみんをそこに座らせて傷口を見せて」


「分かった!」


俺はめぐみんを降ろしアクアに言われた通り空いてる席へ座らせ頭に巻いてある布を外した


「それじゃいくわよ、『ヒール!』」


「流石アクア回復だけ腕は良いな…ふぅとりあえずこれでめぐみんは助かったんだな」


「そうね、これカズマがやったんでしょ?この応急処置がなきゃ本当にエリスのとこに行ってたわよ?」


「マジかよ…」


「マジよーだって傷口を見る限りかなり酷いものだったのよ?たまたまカズマが近くにいたお陰で助かったのかもねめぐみんは」


「そうかい…まぁ流石に道中あまりにの激痛だったのかこいつ気絶してたからなぁ」


そうめぐみんは此処に来る途中意識を無くしていた、最初は辛うじてあったのだがずっと続く激痛と爆裂魔法の撃った衝撃で気絶してしまったのだ


「なんだお前達こんな所にいたのか、それにめぐみんのその格好はどうしたんだ?」


「あっあぁそうだった実はな…」




「へぇ〜なるほどね〜だからマントがボロボロだったのね」


「なるほど、それは災難だったな」


「あぁけど何とかアクアにヒールして貰ったから命は助かったし、んじゃめぐみんをここに寝かせておくのはアレだから先にこいつおぶって家に帰るわ」


「いやカズマはここまで重症だっためぐみんを連れてくるのに疲れただろう?ここは私が」


「良いよ別に、それよりお前領主の仕事が溜まってるんだろ?今日はクエスト中止だからそれやって来いよ」


「そ、それはそうだが!このまま仲間を置いて行くわけにも!」


「んしょっと…はいはいとりあえずアクアまたツケにする気なら今回は払わないからな?自分で払えよ、んじゃダクネスまたなー」


「カズマ!待て!まだ話が!」


「まぁまぁダクネス〜あのカズマがあそこまで頑なにめぐみんを背負って帰りたいって言ってるんだから我慢しなさいよ〜」


「アクア!?何を言って!?」


なんか後ろから何か聞こえるが無視だ無視

俺は単にこうなったのは自分のせいでもあるからだ。だから男としてちゃんと屋敷まで連れ帰るだけであって…別に最近恋人未満な関係とかになったからじゃない、そんな事を考えながら俺はめぐみんを背負いながら屋敷に向かった



ガチャ



「はぁやっと着いたぁ〜今日は色々疲れたな…さてとりあえずソファにでも寝かせておくか」


屋敷に着くと俺はそのまま居間へ向かう。めぐみんの部屋に行って寝かせても良いのだが流石に女子の部屋に入る勇気は俺にはない、とりあえず目が覚めるまで居間にあるソファに寝かせておく事にした


カズマ「ふぅ、しかしさっきと比べて随分と気持ち良さそうに寝てるなこいつ…こっちは大変だったと言うのに」


しかしやっぱこいつも女の子寝てる時の姿は本当に可愛い。こんなのが俺の事を好きだと言ってくるなんて未だに信じられない、しかも恋人未満の関係にならないかと言ってくるし…正直めぐみんと付き合うのは悪くない。まぁいずれ俺の口からこいつと付き合いたいと言える日があれば言いたいものだ


「本当こいつ綺麗な肌してるな〜…ちょっとだけ触ってみるか」


ツンツン


(やばい超柔らかい!何これこいつの肌こんなに柔らかかったの!?もう一回だけ…)


ツンツン


(はぁ〜癖になりそう…ちょっとこいつが寝てる時はたまにでもほっぺツンツンしに言ってやろうか)


「ん…」


「あっめぐみん起きたのか、傷の方はもう大丈夫だぞ」


「……」


「どうしためぐみん?まだ頭が痛いのか?」


「…」


何かめぐみんの様子がおかしいさっきからずっと部屋の周りをキョロキョロしたりこっちを観てまるで警戒してるように見える…。ほっぺツンツンし過ぎたせいか?いやいや流石にそれは関係ないよな?というか何故だろうとてつもなく嫌な予感がするぞ…


「あ…あの…」


「ん?なんだめぐみん?」


「あの…あなたは誰でしょうか?それに私は誰なのです?」


「え?…えええええぇぇ!!??」


はい俺の予感は的中しめぐみんが記憶喪失になりました

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る