1-8
「ああ、月に一度、有名なパン屋…駅前にあるでしょ?あれが来るのよ」
「えっ!?あそこってテレビにも取り上げられてるとこじゃないですか!すごい」
「最初はねー。三年にもなると当たり前すぎてあれだけどね」
楽しそうに笑いながら定食を食べ始める同級生達の言葉にそんなのあったんだとぼんやりと思いながら、宮原は無意識にそのパン屋へと近づいた。
「いらっしゃいませー」
マスクに給食当番のような恰好をした女性が、パンを買おうと並んでいる生徒達にせっせとパンを渡している。
何の気なしに宮原は列に並んだ。
ちらりと見ると武田は遅れをとったのか、随分と後ろに並んでいる。
もう少し時間がかかりそうだ。
思いのほか、列は順調に進んでいく。
「いらっしゃいませー」
宮原の順番になった時、女性の動きが一瞬だけ止まったような気がした。
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