1-7
その日の昼食。
武田がどうしてもと頼み込んだので、宮原は学食へと付いて行った。
「今日は親が寝坊しちまって弁当ねえんだよ」
「何か奢れよ」
屈託なく笑う武田にそう言うと、自身の持っていた弁当を空いている机へと置いた。
「分かってるって。ちょっくら買って来るわ」
人気の定食が目当てなのか、足早に向かうその姿に宮原は少し微笑ましく思った。
「あっ今日って月に一度のパンの日じゃない?」
「マジで!?忘れてた!」
不意に聞こえてきた同級生の言葉が宮原の中でひっかかった。
「パンの日?」
売店の方に目を向けると、確かにいつもの売店の隣にこじんまりと屋台のようなものができている。
「先輩、パンの日って何ですか?」
部活の後輩だろうか、同級生が入って間もない一年生に尋ねられていた。
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