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「あっあの、名前」
「さあ、早く行かないと時間なくなっちゃうよ?」
最早、思考が固まり何とか話題を作ろうとする宮原の言葉を遮るようにスマートフォンの時計を見せると、女性はねっ?と笑った。
「あっうん…」
クリームパンを持ったまま、自身の席に荷物を置くと宮原は教室を出ようとドアに向かった。
「宮原君」
女性に呼ばれ振り向くと、再び桜の花びらを纏わせ日差しの中で微笑む女性と目があった。
「またね」
無言で頷き、教室を出て行った宮原はその後、その女性と出会うことはなかった。
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