ルールは守るだけじゃない?

 ツイッターで見かけたものでして。


「ルールをただ守ればいいと思ってるだけのバカが多いな」


 というものです。


 それに対して「守らなくていいルールなど存在しない」と書き込んだ所突撃して来たんですね。


「あなたは法律が完璧だと考えているのですか? 法律も完璧ではないのだから、時には破る事も必要だと思うのですが?」


 というわけですね。


 まあそれ自体、正しいかどうかというのはここでは言いませんが、どうもその相手を見る限り


「ルールは破る為にある」


「ルールを破れる俺カッコイイ」


 と言っているようにしか感じられなかったのですね。


 プロフィールには頭のいい人が好きです、と理論的な書き込みをする者的な雰囲気を出してるんですけれど。


 結構なフォロワーして誰も助け船を出してくれなかったようです。


 なんなんですかねあれ。


 その相手、この場合はどうですか? という例を出してきました。


「赤信号待ちで、向こうで人が倒れた。この時に安全を確認した後信号を無視して助けるのは信号無視ですよね? ルールを破ってませんか?」


 と聞いてきました。


 僕は最初の書き込みで、そういう時は「正当防衛」や「緊急避難」など別のルールが適用される。だから破って言いルールなど存在しない、と書いていたんですね。


 にもかかわらずこの例で突撃。


 それは緊急避難でしょ。


「これは緊急避難になるんですか?」


 いや法廷で緊急避難となるかどうかまでは知りません。別のもっと細かい適用があるのかもしれません。


 しかしそれで罪に問われる事はありません。


 人命を優先した行為ですからね。結果大した事はなくともその時点では分かりませんからね。


 その為に車を止めて事故を引き起こしたらその限りではないが、そこは「安全を確認して」と言ってますからね。


 それが緊急避難になるかどうか疑問なら最寄りの警察署で聞いてくれ。僕は何も決定しない。


 それでも食い下がってきて、


「結局あなたは先の例で、正当防衛にも緊急避難にもならない状況でも信号は守るべき、という考えでよいですね?」


 と言ってきた。


 それが緊急避難にならないと言ったのは、どこの警察署の何という方ですか?


 と聞いたら、


「論点をずらしてきましたね。せっかくいい議論ができると思ってたのに。そういう回答だと論理破綻したと思われますよ」


 今までの流れの中でどこに論点のずれと論理破綻があるのか指摘してもらえますか?


 と聞いたら、そこは謝ってきた。謝ったのかな?


 正直僕は全然いい議論ではない。非常に頭の悪い会話なのでとっとと切り上げたいのが本音です。


「先のが緊急避難なら別の例を出すだけですけどね。たとえばあなたが重症の奥さんを抱えて病院を向かっている時に手に持っていた空き缶を落としてしまった。しかしそこはポイ捨て禁止の条例がある。しかし拾いに行かずに病人を運ぶ事を優先した。これは条例違反ですよね」


 ツッコミ処が多すぎてどうしたらいいのか分からない。


 なぜ重症人抱えて空き缶持ってるのか。


 そもそもどうやって人一人抱えながら空き缶持っていたのか。


 運んでいる間にも水分を与える必要があったのかもしれないけれど、そんな状態の患者を抱えて運ぶか普通。


 法律云々以前にそんな事しちゃいかんだろ。人として。


 まあそんな事を指摘してもしょうがない。論点はそこではないし。


 なので「違いが分かりません」とだけ。


 結局人命を優先しているわけだから。


 もっともその落とした間で人がケガをしたりしたら別だし。そもそも持ち歩く必要がない物を持っていたのなら過失がある。


 でもまあハッキリ言ってそんなことを指摘しても理解できる相手には見えない。


「人命を優先するなら許されるんですか?」


 君はどんな人生を送ってきたの?


 そもそも緊急避難を調べたのか?


「話がややこしくなってきたので論点を一つに絞ります。結局あなたは今の法律が完璧だと考えてるんですか。それだけ聞かせてください」


 そもそも完璧なルールなど存在しない。


 関わる人間が多くなるほどにルールは複雑になる。


 法律はその例だ。


 法律も古くなって通用しなくなったりする場合もある。


 その為に法律も改定する正規の手続きがある。


 法律が間違っていると思うなら改定する運動を起こすべきであって破る事が解決ではない。


 もちろん綺麗事に違いない。


 しかしそれがルールで破る事は最善の策ではない。


 あまりにつまらないので「あなたが出すべき例は痴漢冤罪などの問題だ」と助け船をこっちから出した。


 あれも社会的弱者とされていた女性を守る為の法律が、時代と共におかしな方向に進んでいる零で、今も見直されてるもののまだまだ解決すべき問題が山積みされているもの。


 痴漢冤罪をかけられそうになったら走って逃げる。それが最善。


 しかしそれも冤罪から身を守る為の正当防衛ですからね。


 それも冤罪の前例があるからできる事。


 一番最初は正当防衛にならなかったでしょう。


 こういうのを例として挙げられないのか?


 全く話にならない。


 その例を教えたら途端にフェードアウトしました。


 どうも冤罪とかそういうものが理解できなかったようです。


 面倒なので「クリムゾン・タイド」という映画を見ろ、で済ませました。



 しかしこの程度の理解力で、頭のいい議論してます的なツイートを並べてられるもんなんだな、と驚かされる。

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