プログラムで暗記をする

 プログラムの勉強で暗記をする事が間違っているとまでは言いませんが、まあ普通は必要のないものですね。


 あれから動画を色々探っていると、結構ある物なんですね。プログラムのやり方を解説している動画。


 プロから見れば「えっ? そんな覚え方してるヤツいんの?」と驚く事ばかり。


 むしろプロには思いつかない教え方です。


 というより、なんでそもそもそんな覚え方してる奴がいるんだ?


 それは学校教育が間違っているのではないか?


 僕もそれ系の学校には行っていたので、プログラムの授業、テストはありました。


 それは実際さして奴に立たなかったし、ゲーム会社の面接でも


「学校で教えられた」=「奴に立たない」という前提があるくらいでした。


 しかしなんでしょうね。


 僕らの頃は、


 ・ゲームを作りたい

 ・それをやるにはどうかればいいのか

 ・プログラムを覚える必要がある

 ・自分で調べる

 ・できるようになる


 という流れでした。


 まあ小学生でしたからね。吸収力強い年頃です。


 暗記しなければ! という強迫観念もなく実際ほとんど必要なものは覚えてましたけどね。


 その後マシン語を覚え始めて記憶の範疇を超えると言うか、その必要性も無い事はやれば分かるというものでした。


 そんな中で同じマシン語を勉強していると言う人間が、


「まだ RET が C9 ということしか覚えてない」


 とか言ってました。


 コイツはOPコード表を暗記しようとしているのか? と驚愕したものです。


 実際ソイツは意欲も何もない、私の真似をして始めただけのヤツだったのですぐ興味を無くしたようですが。


 結局そういう人間が気軽にプログラムを始められる時代になったという事なんでしょうか。


 でもまあハッキリ言ってしまえば、そういう人間に「プログラムは暗記じゃない」という事を教えただけで使えるようになるとは思えないですけどね。


 根本的にやる気が無い。


 やる気が無い者が、やる気が無いと思っていない、という一番たちの悪い者が出来上がっているのだと思います。


 まああくまで可能性なので、その中から次世代を担う若者がでないとも限らないので一概には言えないですけど。


 願うのは、そういうやっかいな新人は、そういう新人を量産した人に責任とってもらいたいですよね。


 大抵現実はその逆なのでボヤくのです。


 先に取り上げた「すごいものを見た」の人なんてのはまさにそれ。


 『プログラムは誰でもできる』


 というのを真に受けて、


 『分からなければ資料を見る』


 『それでも分からなければ人に聞く』


 をそのまま実践しているような人でした。


 それ自体は間違っていませんけどね。


 『プログラムは誰でもできる』というのは私自身昔から唱えています。


 しかしそれは「プログラムをやりたいのなら誰でもできる」というのが正しいのだな、と今は思い始めています。


 別にプログラムがやりたいわけではない、何か別の目的がある人はそれには当てはまらない。


 根本に嘘があるからです。


 いかにプログラムを勉強せずに『プログラムができる人』の称号を得られるか、をやっているだけなので、そりゃ出来るわけがない。


 プログラムをやるつもりがないんだから。


 『分からなければ資料を見る』


 見ても当然わからない。だからすぐに人に聞く。


 でも『プログラムができる人』の称号を得たいのだから近しい人には聞けない。何せ近しい人達が自慢したい相手なんだから。


 だからネットで質問する。


「プログラムが動きません」


 回答者に直してもらう。


 動くようになる。


「プログラムができるようになった!」


 アドバイスを何も理解していないのですぐにまた同じ問題に躓く。


 また質問する。


 さすがに回答者も、理解させようとアドバイスを試みるが全く理解しない。


「分かりました」と返答して何も分かっていない。


 ヒアリングをしていくと根本的な事を理解していないのが分かる。


「機械というのは心に思った通りに動いてくれるもの」というまさに『中に小人が入っている』と思ってるんですね。


 なのでまず基礎を勉強するように、とアドバイスすると怒り出す。


「これでも基礎は勉強しています!」


 彼の言う基礎の勉強というのはネットや本のプログラムを打ち込んで、実行する事。


 コンパイルして実行 → 書いてある通りの結果になった → この設問はクリアした。


 中身は何も理解していません。


 そしてライブラリやコンパイラのバージョンの違いなどでそのままでは動かない事があります。


 それをネットで質問し、動くように直してもらう → この設問はクリアした。


 それを丸投げだ、基礎が分かってない、と言われるのですが、彼にはそれが誹謗中傷にしか聞こえないのですね。


 彼のやった事は

  →プログラムをネットで拾ってくる

  →修正する(プログラムが分かっていないのだから当然動かない)

  →ネットの質問板に挙げる

  →直してもらった物を拾ってくる

  →動く

 それを世間一般では「丸投げ」と言うんですが、それが分からない。


 なぜなら、彼は冒頭で取り上げたような動画で解説した通りの事をやっているから。


 その教えは何も逸脱していない。


 当たり前ですが動画を作っている人はプログラムが出来る人なので、まさかこんな奴らが出てくるとは……と予想外の事とは思います。

 もちろんその動画の教え子とも限らない。


 そしてプログラムが出来るようになったと思った件の人はゲームを作り始める。


 当たり前ですがプログラムの技法は何も身に着けていないので、ネットで漁って来たものを繋ぎ合わせているだけです。


 言うなれば車に飛行機の羽つけたら飛ぶと思っている。


 可能性はゼロじゃありませんけどね。飛ぶかもしれませんけど。


 普通に親切な人なら「危ないですよ」と止めてあげませんか。


 それが「飛ばないんですけど」という質問なら速効笑い者で済むんですが、


「鉄骨をフレームに溶接するには何を使えばいいのか?」


「高度計の配線をどこに繋げばいいのか分かりません」


 と部分的な質問をする。


 答えられる事は答えるのですが、次々と挙げられる質問を見ると何かおかしい。全く進歩しない事は置いといても。


 一体この人は何をしようとしているのか?


 と「一度ソース全体を見せてもらえませんか?」と挙げてもらうと、


 なんだこれは!????


 とビックリするわけです。


 そもそも車も走らない。


「燃料タンクどこ?」

「重いので取りました」

「・・・」


 さすがにあなたのやっている事の先に空の旅はありませんよ? と教えてあげるのですが、誹謗中傷にしか聞こえないんですね。


「これでも航空力学は勉強しています!」


 いやいやいや。



 いやー。


 いやいやいや。



 さすがにネットの質問板はちゃんと勉強しようとしている人達もいるので、そういう人の妨げになります。


 確かに彼がプログラムができるように導く事もできるのかもしれませんが、その為に何人の才能が潰れる事になるのか?


 それに出来るようになってくれるのならいいですけど、まあ無理でしょう。



 彼は極端な例ではありますが、実際近い物が新人として入ってくる場合もありますからねぇ。

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