自分より賢いキャラクターを出そう
作者よりも頭のいいキャラクターを作る事はできない。
昔から提唱している持論なのですが(ここで取り上げた事あったかな?)、まあ大抵の人は賛同してくれるものです。
まあ至極当たり前の事だと言えばそうなんですが、
自分に解けないミステリートリックを使って登場人物に完全犯罪をさせる事はできませんね。
そういう話なんですが、とあるエッセイで、
「こういう風にすれば自分よりも頭のいいキャラクターが作れる」
と紹介していました。
単純に、作者が記憶しきれない様な情報を何も見ずに暗唱させれば、それは作者より頭が良いと言える。
作者にそんな記憶力は無いのだから、キャラクターは作者よりも記憶力が良い、つまり頭が良い、というわけです。
作者がネットで調べなければ分からない様な知識をキャラクターが語れば、そのキャラクターは作者よりも博識だというわけです。
面白い考え方だと思います。
確かにそれは思いつかなかったし、「作者よりも頭のいいキャラクターを作る」と言えると言えばそうでしょうね。
ただ問題はその目的です。
頭のいいキャラクターを作る事の意味を考えるとどうか。
なぜ頭のいいキャラクターを作る事がよいのか?
それは読者が、エピソードを読んで驚くからです。
「この作者すげぇ!」
と感心するからです。
では記憶力が良いキャラクターが登場したらそれはあるか?
まあないです。
誰でもできますから。
キャラクターは結局役者。
台本読んでるだけです。カンニングペーパーがあるんですね。
それは「頭のいいキャラクターの役ができる」というだけです。
役をやるだけなら作者も出来ます(演技力は置いといて)。
読者が期待しているのは自分には思いもよらない様なトリックであり、ストーリー展開であり、演出見せ方、発想です。
要するに大事なのは目的なのです。
何の為にそれをするのか。
「感心」が目的であるのに、それから逸れた物を作り上げて成し遂げたと勘違いしては問題です。
そのエッセイの作者には別の目的があったのかもしれませんが、それが語られなくては読んで勘違いする人が現れるかもしれません。
まあその程度の人間だと言ってしまえばそれまでですが。
自分の知らないウンチクが語られても感心はあるかもしれませんが、結局それが正しいものと見るかどうかは自分の責任ですからね。
ネットで調べただけのものを丸写ししているだけだと思われる物もよく見かけます。
そういうのは穴や間違いがある。
やはり何事も読んで「ああそうなんだ」と思うのではなく、それが正しいものであるかどうか考える事は必要だと思いますね。
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