高難易度なプログラム
キーボードを押すと文字が一文字表示されますね。
そのまま押し続けると、続けてダダダーッと入力されます。
一回しかキーを押していないですが、文字がいくつも入力されます。
この機能――アルゴリズムを『オートリピート』と言います。
「自動で繰り返す」ですね、
僕は小中学生の頃に自分でゲームを作る際に必要になりました。
ただ単にボタンを「押している」「押していない」だけで判定すると、
「文字を一文字だけ出す」という事が出来ません。
一回押しただけのつもりでも2,3文字出てしまいます。
余談ですが、
昔、戦闘の行動を上下ボタンで項目を選ぶゲームがあったのですが、昔なのでゲームそのものが重かった。
その後後継機が発売されて、昔のゲームも早いクロック数で遊べるようになったのですね。
遅かったデータ読み込みやマップの移動などが速くなって快適。当時もそこは不評でした。
これならまた遊べると軽快にプレイしていたのですが、
戦闘に入って項目を選ぼうと下を押したら一瞬でカーソルが一番下に。
行き過ぎた、と戻そうと上を押すと一瞬で上に。
全く間の項目が選べない。
今のパソコンはマシンによってクロック数違うのでそうならないように時間を見てオートリピートが入っているのでそんな事にはならない。
ボタンを押した時に「一文字」出て、一定時間待った後続きを表示する。
この「最初に一瞬待つ」というのが「オートリピート」に必要な要素です。
押している間有効になる機能には使われない言葉です(意味は間違っていないですが)。
その後ゲーム会社に就職して、オペレーション部分を担当する事になり、師匠に当たる人から、
「まあまず作ってみろ」
と言われて作ったのですね。
見てもらった結果は「思ったよりよく出来ている」と言われたのですが、
自分的にはオートリピートにそれ以上も以下もないと思うのだが……、と「?」状態でした。
リピートの待ち時間の違いで使い勝手が変わると言っても一般的な時間に合わせるのは難しい事ではないのでね。
その後部下がつくような時期になり、同様にオペレーションを作らせる事があり。
出来上がったものは、ボタン一回押すごとに一つ下に移動するものだったのですね。
オブジェクトを移動させるものなので、100ピクセル移動させようと思ったら100回ボタン押さないといけない。
それは大変すぎるだろ、と指摘すると「SHIFTキーを押しながら操作すると10ピクセル単位で移動できます」と返答。
それでもできない事はない。製品ではなくツールなのでね。
操作する方法があるのなら使えない事はないが、本人に確認すると別にオートリピートを知らないわけではない。
要するに「大変で」という事らしい。
別に大変かもしれないが、SHIFTキー押し判定する大変さと比べてそれほど大差はないと思うのだが……。
その後何度か現場を見て、
どうやらオートリピートというのは難易度が高いらしい。
というのを知った。
もちろん、そんな事はないだろ、という意見は変わってませんけどね。
実際ゲームには多々使われてますから。
別に高度でも何でもないですが、苦手な人はどうやら多いようです。
まあシステムの根本に寄っていると言えばそうなので、それで敬遠するのは分からないでもないですが。
小説でも何でも何の気なしに出来る事が、実は結構驚かれるというのはあるものです。
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