デキる人デキない人

 これはほんの一例ですが、


 プログラムを書く際に、ここは何の処理をしているのか、どういう意図で入れてあるのか、などのコメント――つまり説明文を添えておくようにと言われます。


 でないと後から見た時に何をやっているのか、他人どころか作った本人にも分からない、なんて事になります。


 コメントのないプログラムなんてアルファベットで書かれた文字の塊。暗号と同じです。


 しかし佳境に入ってバタバタと修正があると、どうしても抜けてくる。


 日本語でいちいち説明文を書き込んでいる時間がない。なにせどんどん変わるわけですから。


 コメントはいくら書いても動いているゲームに何の影響もない。


 やはり土壇場では実益のある方が優先されるのは止むを得なき事です。


 この辺は職種が違っても、確認などで同じ事は言えると思います。



 そこで「コメントをしっかり書きなさい」と指導されたりするわけですが、


 書くように注意していられるのは平常時の話であって、土壇場になったらそれどころではなくなっているんですね。


 そもそも土壇場で「今コメントを詳しく書いているのでお待ちください」が通用するはずがない。


そんな状況で「コメントをしっかり書きなさい」と指導するのは根本的に間違っている。



 解決できない指導は、指導の仕方が間違っているし、


 解決できない指導しかできない上長は無能です。



 部隊員に犬と猫がいたとしたら、


 猫は爪を隠して忍び足ができるが、犬は出来ません。


 爪を隠せと注意したって出来ないものは出来ません。


 しかし、4足動物を一括りにしか出来ないお猿の上長はそれが分かりません。



 人間も同じで、皆一緒ではありません。


 脳にもデジタル脳、アナログ脳があり、特性も考え方取り組み方も違います。



 冒頭のコメントの例などはある程度の自動化しないといけません。


 人の性質に左右される手法を選ぶ事が間違いです。ボタン一つ押す事が抜けるようになったらその時に叱りましょう。



 しかしながら、完璧なシステムというのは、人から考える能力を奪ってしまうのです。


 無能な上司の方が、部下の能力は高く。


 有能な上司の下では部下の能力が育たない。


 これもまた難しい問題なのです。

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