第14話 無理!

フラキさんは私がまだ習得していない魔法を順に唱えていった。


この世界の魔法使いには、一部の系列の魔法しか使えない人たちも多い。

例えば、炎魔法は使えても電撃魔法は使えないとか

攻撃魔法は使えても癒し魔法は使えないとか。

我が土岐高丸家では得手不得手はあっても

一応、どの種類の魔法も使える人がほとんどだ。


私も水魔法と土魔法はまだ使えないが

それ以外は威力が小さいものも含めればほとんど習得した。


という事でフラキさんが今回私に教えようとしている魔法は

水魔法と土魔法だ。


今まで全く使えなかった魔法を、見ただけで

どうやって使えるようになるんだろうと

やる前からお手上げ状態だ。


魔法の多くは掌から発生される。

だからと言って、その発生される掌を見つめていても

呪文を唱えられて発生された後のものがそこから出ているので

“どうやるか”を知ろうと思ったら、それでは分からない。

呪文も言葉として口で発しなくても頭の中で思うだけでも唱える事が出来る場合もあるので

口元を見ても分からない。


魔法発生の大元は心というか頭の中というか、想いが元なので

見ただけで習得というのは本当に無理!と思ってしまう。


けれどそんな私の気持ちを無視して、フラキさんは次々と私の使えない魔法を唱えていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る