第3話 街

今回の目的地であるマントの街に行く前に、今日は途中の街で一泊する。

 私たちは基本、移動にはバイクを使う。バイクよりも早い列車を使う人たちもいるが列車は小回りが利かない。余程遠い街への依頼があった時には列車で行くが遠い場所はまだ旦那様たちが行って下さっている。

 今日泊まる街は観光地の山や他の街への分岐処にある大きな商業地なので人が集まる場所だ。宿も前もって予約しておいた。

 私もタロウ様も、両親は健在だけど早くから魔物退治の旅に出かける事に慣れるため二人での行動を多くさせられた。

 甘えん坊で、戦う以外はあまり出来ないタロウ様をフォローするために私は自分の事はもちろん、タロウ様の身の周りのお世話や旅に関する手配などもなんなくこなせるようになっていた。

 街に着くとクリスマスが近い事もあり、電飾で華やかで人の波も何だか楽しそうな雰囲気だった。

 宿は安いビジネスホテルを予約している。なので食事は外で取る。人でごったがえしているので、どこのお店も混雑していそうだ。

 チェックインを済ませた後、私たちは近くの定食屋のようなところに入った。

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