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二人を吸い込んだ門は部屋の備品を全て元の場所へと吐き出した。
何事もなかったのようにしんと静まり返った部屋には少女と門のみ。
プレゼント達も二人の永久なる罰の為に取り込まれた。
そのまま閉じて消えようとする門に少女は待ってと声をかけた。
「あれだけ私に頂けませんか?」
残していても二人の希望になるだけでしょう。
少女の言葉に門は答えた。
ぽんっとそれを吐き出すと、今度こそ門は閉じて姿を消した。
少女は床に転がったそれを優しく拾い、抱きしめた。
白く汚れを知らない鍵のチャームが付いた鞄。
「これの何がいけないというのだろうね」
優しさと愛で溢れた本物の気持ち。
「偽りの気持ちだけの方が嬉しいなんて」
人間は本当に愚かね。
鞄を肩から下げると少女は部屋から姿を消した。
私の中の短編集 釉月 @yutsuki_chizukey
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