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「そんな理由?」
着替え終わり、荷物を片づけた二人に話しかけるようにホテルの部屋に声が広がった。
「聞き間違いか?」
「間違えて放送スイッチでも入ったのかしら」
二人が首を傾げた瞬間、ぐにゃりと世界が歪んだ。
「ねえ、そんな八つ当たりな理不尽な理由であの子殺したの?」
幼い声が二人をぐるりと取り囲む。
気付けば二人は大量の荷物と共に宙に浮いていた。
「ちょっと!何よこれ!」
「俺が知るかよ!」
焦る二人の目の前にはいつからいたのか、白いノースリーブワンピースの少女が澄んだ瞳を輝かせながら立っていた。
少しくせのあるからすのような長髪を宝石のような光沢で輝かせながら、首をかくんと右に曲げて傾げている。
「そんなくだらない理由であの善良なる魂を葬ったの?」
裸足でホテルの床をとんっと蹴ると少女の体がふわりと浮いた。
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