1-19
「お前が本当に大学に属してると信じる奴が多すぎる」
そっと抱き着いている彼女の背中を撫でると、くすぐったいのか微かに体を震わせた。
その反応が楽しいのか、背中を撫で続けながら男性は赤ワインを飲み干してベッドサイドに空いたグラスを置いた。
「にしても感心するよ。お前の純粋金持ち坊ちゃんを見分ける才能に」
「それ褒めてるの?」
頬を膨らませる彼女にもちろんと囁くと、男性は彼女を膝の上に乗せた。
頭を撫でると、気持ちよさそうに微笑む彼女。
彼女はどこの大学にも行ってはいなかった。
適当に大学に入り込み、裕福そうな家庭の男性からプレゼントを貰い、自身の生活費にあてる。
そして適当なところで飽きたら別れを告げる。
「私が好きなのは貴方だけだもの。他の奴なんてお金さえくれればいいのよ」
「はいはい」
子供っぽく拗ねる彼女の頬を撫でながら、男性は満足そうに笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます