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「あー本当にいらつく」
昼前だというのにホテルのベッドで恥ずかし気もなく、裸で座り込む彼女の隣で男性が落ち着けよと笑った。
男性の手には赤ワインが入ったグラスが握られている。
「だってあのガキ、いいとこの坊ちゃんのくせにケチるんだもん」
ホテルの床に無造作に置かれたブランド物の鞄や服を蹴り飛ばしながら、彼女は子供のように頬を膨らませた。
「おいおい。今日の戦利品だろ?売り物にならないだろう」
「正確には昨日よ」
男性に抱き着きながら、彼女は目を猫のように細めた。
本当の猫ならば喉を鳴らしていそうだ。
「でも、どいつもこいつもバカばっかりだな」
彼女が気に入らず売却コースへとされたプレゼント達を見つめながら、男性はにやりと意地の悪い笑みを浮かべた。
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