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少女はゆっくりと立ち上がると彼の頭を優しく一回だけ撫でた。
そしてそのまま踵を返すと、てちてちと裸足のままアスファルトの上を歩き出す。
座って汚れているかと思われたワンピースには一切の汚れもついていない。
少女がいなくなった場所には既に彼の血が勢いよく流れ広がっていた。
「愚かね」
騙されていたのに未だに彼女を想い、そして自身がバカで愚かだったと話した彼。
「本当に善人すぎるくらい愚かだわ」
あれほどに綺麗な魂はそうはない。
「残念だわ」
彼の未来が閉じられたことを残念に思いながら、少女は二つ先の路地を左に曲がった。
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