第1話出会い

━━悪魔の日から2年後━━

辺境の街『エルナト』

「おいアンタ! 100Gゴールドたりないよ!」

小さな街の小さな雑貨屋で大声が響いた

「え? 確かに全額払ったはずなんだが……」

「たりないものは足りないんだよ!」

黒いコートを着た男は不思議に思ったが、すぐ理解した、ここは辺境の街。犯罪などを取り締まる人間がいないのだろう…

(なるほどな、詐欺しても取り締まる人間がいないって事か……めんどうな事になる前に逃げるか……)っと思って逃げようと思ったその時

「あのここに100Gあるんで、これでいいですかね?「っといい見知らぬ男が雑貨屋にGを渡たそうとした。

「な!? 良いのか君!?」

っとコートを着た男は驚いた。するとGを払おうとした男は笑顔で「困った時はお互い様ですよ」っと言いい、Gを渡した、コートを着た男は本当に驚いた

(ここは悪評が絶えない辺境の街だと聞いたが、優しい人間もいるんだな……)なんて考えてると雑貨屋が

「買うもん買ったんならさっさと出てっておくれよ! こっちも暇じゃないんだ!」と言われたので、店の外にでて近くのベンチに座った

「ふぅ……本当に助かったよありがとう、俺はアルド・チュイカ、君は?」

「僕はケイ・リックマン、この街の自警団の1人です!』

「え? 自警団? ならなんでさっきの雑貨屋取り締まらなかったんだ?」

『あー、この街の自警団はなるべく面倒事を起こさないようにするっていうのが目的なので……」っと言い逃れるように言った

「そうなのか、まぁそっちの都合だし、俺がとやかくいう筋合いは無いしな、あっそうだ! 俺、宿探してんだが、どっかにいい宿ねぇか?」

「それなら、リクおじさんの宿がいいよ! さっきの雑貨屋の裏にあるよ!」

「そうか、ありがとな! じゃあ俺行くな、俺に用事あるならいつでもその宿に来てくれ、そんじゃあな」っと言いアルドは宿のある雑貨屋の裏へ歩いて行った

次の日の朝、アルドは宿屋の主に起こされた

『お客さん朝早くにすいません、お客さんに会いたいって人が来てまして、部屋にお通ししてもよろしいですか?』

「こんな朝早くから誰だよ……通してください……一言文句言ってやる……」と言い、ベッドから起き上がり、待っていると太陽の様な笑顔をした人物が入ってきた

「おはようございます!アルドさん!」

「あ、君は確かえーと……」

「ケイですよ! 昨日お会いした!」

「あ、そうだケイか、でこんな朝早くにどうした、話しなら手短にしてくれ……」アルドは早くもう一眠りしたくて堪らなかった

「いえ、勤務時間まで時間があるので、アルドさんの旅の話を聞きたくて……やっぱり迷惑だったみたいですね……」

「旅の話? いや、俺はもう一眠りした……まぁ良いか……だが、つまらんぞ?」

「ありがとうございます! 僕……貧乏なんで、いつかお金貯めてこの街から出て世界を旅するのが僕の夢なんです! でも……今すぐには無理だから、ここを訪れる旅人さんに旅の話をいつも聞かせてもらっているんです!」

「立派な夢だな……よし! つまらんが、聞かせてやろう!」

「ありがうございます!」っとケイが言った瞬間、店主が

「おい、ケイ、自警団全員に収集がかかっとるぞ、さっき自警団の鳩が飛んできた』ケイはふてくされた顔で

「そんなぁ……せっかく、アルドさんの話を聞こうと思ったのに……」

「ケイ、今は仕事に行ってこいよ、話しなら後でいくらでもしてやるからよ」

「本当ですか?なら早く仕事終わらせてまたすぐ会いに来ます!

行ってきます!』っと笑顔で宿を出て走っていった

「本当に爽やかなやつだなぁ……さて……ケイが戻ってくるまで俺はもう一眠りするか……」

そしてアルドはもう一度寝床についた……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る