六話、噛ませ犬役に命を懸ける
吸血鬼の洋館に住んでから数日後、ゴボルトたちが住んでいる山に向かうことになった。来るメンバーはまたチャコとシナリの三人で向かうことになった。吸血鬼のララミアはめんどくさいという理由で来ることはなかった。まあ、せっかくの拠点をほかの者に取らせたくなかったためにも強力な者を残すつもりであった。それでまた三人だがこの三人でいる時間が長くなったせいかチャコとシナリの二人はかなり仲良くなっていた。山中はチャコが危ない方向に行かないか心配であった。
だが、その反面もあるがそれよりもチャコが山中以外に心を開いて楽しそうにしているチャコを見てうれしい気持ちの方が大きかった。昔、チャコは・・・山中以外にほとんど心開かなく困っていた。そんな昔話はあんまりいい思い出ではないからあんまり思い出さないようにしよう。今、チャコはあんなに楽しそうにしているのだ。無理に過去のことを思い出すこともないだろうと心の中で考えていたら明らかに昔のアニメに世紀末ですぐにやられる敵の噛ませ犬集団と出くわしたのであった。違う点と言えば人からゴボルトに変えただけである。
「そこの者たち、いい物持っているじゃないか。あるだけ頂こうかー。それとそこのかわいいお嬢さん二人には・・・わかっているな。」
「ま、まさか。夢にも見たレイプをするつもりだな。オークでないことに少し残念だがそれでも十分いい。さあ、もう存分私を犯すがいい。いや、やってみせろ。」
山中はこんな状況でもエロい思考ができるエルフにある意味感心してこの状況をどうするか考えていたらチャコがひねりつぶせばいいじゃないですか。私は弱い犬や自分を邪魔する知性ある生き物が大嫌いですからと言ってきたのである。山中はこの子は本当に時々怖いことを平気な顔で言ってくるから困るところだが・・・まあ、自分の飼い犬だからしょうがないかと諦めるのであった。そんな風に考えていたら向こうのゴボルトからありえない言葉を口に出したのであった。
「おかしいでしょう。こんな時は女子は驚き男はかっこよく力を出して俺たちを倒すのが常識でしょう。なんで女子の片方は喜んでもう片方は平気で戦闘態勢するのそして男のお前が考える。どう見ても噛ませ犬にしか見えないだろうが余程弱くなければ負けるようにしてやるからもう一度やるぞ。」
すみません、どうしても一度やる必要があるのですか。そもそも一体、何が目的なのですか。周辺の龍脈が開いたおかげで少し遠い場所でも緑が戻っているがそれでも足りないからやるということだったら分かるけどどうして今のことをもう一度やる理由がわからない。もしかしてここのコボルトも変な趣味を持っていると言うのか・・それが本当だったら最悪だがそれが考えすぎだということを信じたい。
「そこの旅人さんたちよ、その重そうな荷物をあるだけ頂こうか。」
それを言った瞬間、チャコがこの前に山中からもらった大剣でものすごい勢いで倒していった。もちろん殺していないが軽症とは言えないほどの傷を与えながら狂ったような笑みでゴボルトの群れを倒して倒してそれを繰り返したのである。流石の光景にいつもすぐにエロいことを考えるシナリも恐怖を感じ怯えていたのであった。もちろん味方がこれであるからゴボルトたちはなおさら怯えていた。流石にチャコを止めないといけないなと感じ山中は行動に移すのであった。
「あなたが大将さんでしょう。責任を取って・・死ね。」
それを言って大剣を振り下ろしてゴボルトの大将は終わったと思った瞬間、横から剣がゴボルトを助けるように横槍したのであった。それをしたのは山中である。
「ゴボルトたちよ、今度はやる相手を見極める力をつけたほうが良いぞ。でもないと次は命はないかもしれないぞ。それよりもチャコ、やりすぎはいけないといつも言っているだろう。」
「でもご主人様・・・一匹ぐらい殺さないと気が収まりません。そこをどいてください。さもないと・・・ご主人様まで対象に入りそうです。」
山中はまたか・・・と思いながらも戦闘態勢をするのであった。そして戦う前にゴボルトたちに
「ついでにゴボルトたちよ、我の部下になるのであるなら命の保証はするぞ、なるか。」
コボルトたちは一斉に首を縦に振ってなると答えを出したのであった。それを見た山中はこれで戦う理由がまた一つ増えたなと思いながらチャコの咆哮が後ろから聞こえたのであった。山中が急いで後ろを振り向いた時には目の前に狂犬ともなったというべきチャコが楽しそうに大剣を振り下ろしたのである。
そうして振り下ろし終えた場所には大きなクレーターができたのである。しかし、そこには山中はおらずチャコは次の瞬間、どこかに走ったのであった。そうしてチャコが走った場所には山中が待ち構えていた。
「さて、たまにはその狂犬面のお前とじゃれ合うことにしよう。来いよ、チャコ。我を殺す気で来い、そうでもしないとお前の気が晴れないであろう。」
それを聞いたチャコは狂気を浮かべた笑顔を殺意共に出しながら山中に攻撃をしたのであった。しかし、その攻撃は届くこともなく簡単に避けられてしまった。山中はもし最初の世界と同じ世界だったら力を出してしまうと自分の場所がばれるがその前にここで力を出さなかったら飼い犬に殺されてしまうために仕方なく力を三割ぐらいだしチャコと死闘が開かれると思いきやチャコの後ろに回り込んだ山中が
「食らえ、膝カックン。それと追い打ちのように締め技だ。」
それを受けたチャコを体制を崩された上に締め技で起き上がれなくなった。チャコは必死に抵抗したがそれでも結局そのまま力を使い果たしおとなしくなった。そうしたら山中は
「まったく、手がかかる犬だな、チャコ・・・・・でも嫌いじゃないぜ。」
そうして頭をなでているうちにいつものチャコに戻っており恥ずかしそうに甘えたのであった。そしてチャコがそのまま睡眠してしまったのである。山中は仕方なく魔力を使いチャコを犬にして腕に抱きながらゴボルトたちのところに戻ってみるとゴボルトたちが山中の姿を見つけたらすぐ様に土下座をして忠誠を誓うのであった。まあ、結果オーライと言うべきところであったのである。
それにしてもこの世界で命を懸けることは噛ませ犬を助けることとは思わなかった山中将であった。
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