三話、ペットは心図良い友である。

山中はどうしてこうなったと思いながらなんとか引き離そうとした時に遠くのところからこちらに向かってくる者が視界にとらえることに成功したのである。それは獣人のような見た目が十六ぐらいの少女であるように見えてまっすぐこちらに向かって来ていた。あの速さでぶつかりしたら大けがになるのは火を見るより明らかであった。そのために逃げるためにも必死にエルフを離そうとしたが向こうが全力で離さないようにしているために大ピンチであった。もう駄目だと思った次の瞬間に山中はいいことを思いついたのであった。



そうしてぶつかる瞬間にエルフを盾代わりにして山中はできる限りの受け身をして最小限に抑えたのであった。もちろん盾代わりとなったエルフは大変な状況であったが向こうが悪いというしかない。それよりも問題なのは獣人の少女がこちらを見てキラキラしていることであった。山中は誰だと思いつつ話そうとした瞬間



「ご主人様ー。会いたかったですよー。チャコは寂しくて何回も泣いたんですからね。」




山中はいやいやこんな少女は知らないぞ。それにチャコは日本で飼っていた柴犬の名前であって・・・・もしかしてそのチャコなのかこの子はと思い聞いてみることにした。



「もしかして柴犬のチャコなのか。」




「はい、あなたの犬のチャコです。いつも布団に潜り込んんで寝ていたチャコです。」



山中はどうしてここにいるのかを聞こうとしたがまさかあの女神は人だけでなくほかの動物までこの世界に転生させたのではないかと考えたのである。あの頭が悪い女神ならあり得る話だと思いとりあえず愛犬との再会を喜ぶことにした。



「それにしてもよくここにいることが分かったな。いくら犬でも見つけるのは大変だっただろうに。」



「ご主人様と再会できるのでしたらこれぐらい苦ではありません。それにしてもご主人様、良い匂いです。」



山中は相変わらずに甘え上手だなと思っていたら先ほどのエルフが恨めしそうにしながら



「そこのお前、一体お前が何をしているのかわかっているのか。」



すまないそのセリフは我が一番お主に言いたいことだがと思いつつ話をスルーした。その代わりにチャコが



「ご主人様の寄り掛かって昼寝をするだけだけど駄目ですか。」



「ダメに決まっているだろうがー。そこにいるお方は創聖神様だぞ、大変ご無礼だ・・・・それとそこの場所を私に寄越せー。」




正直、このエルフのほうが大変ご無礼だと思うのは我だけではないはずというか族長、このダメエルフを止めてくれ。一応この地方か一帯かはわからないが救ったのは本当のことだからお礼代わりに助けに来てくれと心の底から願いながら思うのであった。そうしているうちにエルフの方から



「それとあなたは何というの見た目から獣人なのはわかるけど。」



「私はご主人様の犬のチャコです。きれいなお姉さんの名前は何というのですか。」



「私はエルフのシナリと言う。それよりもご主人様の犬とはどんな意味か・・・まさか。」




シナリの妄想



「今日も可愛がってあげるよチャコ。」



「ダメです、ご主人様。今日は危険日なのに・・・。」



「君は我の犬であろう。君に権利はないが優しく可愛がってあげるよ。もう心から服従させてあげるよ。」



「そ、そんなそんな風にされたらチャコは・・可笑しくなってします。」



シナリの妄想終了



そんな変な妄想を考え顔を真っ赤にしながら戸惑っていた。それを見た山中は絶対に変な方向のことを考えているなと思ったのである。ついでに実際は



「チャコ、御飯だぞ。」



「ワン、ワン。」



「チャコ、あそこまでどちらが速いか競争だ。」


「ワン、ワン。」



こんな感じで別にどこでもいる感じのはずだがここで獣人になっているために話がかなりややこしくなってしまうのでチャコにこれ以上何も話さないように言おうとした瞬間にさらに地雷発言をしてしまうのである。



「それと好きなことはご主人様と夜一緒に寝て可愛がってもらえることが一番大好きです。」



山中は一番地雷になりやすいことを堂々と言ってしまったかと頭を抱えながらしまったと思うのであった。もちろんこの話を聞いてシナリはさらに妄想を膨らませていき



またシナリの妄想


「ご主人様、激しいですよ・・・でもそれがいいですけど。」


「まったく、こんなことで喜ぶとはお前は本当に犬だなだがそれも悪くない。」


「私はうれしいです、ご主人様の犬で。」


「そうか、それでは今日は寝れると思うなよ、チャコ。」


「はい、ご主人様。」



妄想終了



顔を真っ赤を超えて顔から火を出しながらチャコに向かってシナリなりに宣戦布告をしたのであった。


「ふ、ふざけるなー。いくら今は創聖神様の犬でもいずれは私がその立場になって見せるから覚悟しておけよ、チャコ。」



山中はエルフはエロい妄想が得意なのかもしくはあいつだけが特殊なのかと別のことを考え始めていたのである。そして頼むから話をやめてくれないかなと思うのであるがここは話が好きな女子たちでありなかなか話が終わりが見えなかったので山中がある提案したのであった。



「とりあえずこれからエルフの村に向かうことになったけどシナリにチャコには俺がエルフの村に着くまでこの場所で待機して俺が火炎魔法で上空に放つからとその瞬間にスタートして先についた方が勝ちで負けた方が勝者の方のことを聞くでいいな。」



二人はそれで構いませんと言った。それから山中は族長たちと先にエルフの村に向かうのであった。それから二時間後に到着しそこから山名は空に向かって上空魔法を放ったのであった。これで解決してくれるといいけどそうしたら族長がどうやらシナリはエルフの中で一番速く神速のシナリと異名もあるほどらしい。だが山中はそれ以上に・・・



「ご主人様、チャコ一番乗りですよ。」



開始三分で到着したのであった。あまりの速さにエルフたちは言葉を失ったが山中は相変わらずに速いなと頭をなでて褒めたのであった。それをしてもらいチャコは大変うれしそうであった。



ついでにチャコは日本にいた時から犬の中で一番速く、山中自身も魔力を使わないととても追いつけないほど速かったのに・・・誰が獣人になったチャコを超えることができるのであろうと逆に考えないといけないレベルだからであったのである。










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