エンド、バット。

埋葬、否ヒトに喩えたなら散骨と呼んだだろうか。家族が、ひとり減った。同じように出逢い、同じように短い時を送った彼は今日いよいよ、廻りを迎えることとなった。ヒトにとっては所詮足のつくところ、彼や僕にとってはそれはそれは高い天から地面へまっさかさま。主は言葉の通じないなりに彼を想像し、そのように散らした。のだろうと、あまり語り合うことのなかった彼女とも話をした。僕らも腐り落ちた躰を削いで、ゆうらりと水に立っている。彼に会う日も近いと解る。ただその刻まで、僕も彼女も相応しく佇む、それが、気高さという存在を遺すことだと、信じている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る