扉の魔導師<Blue Blood. Red Eyes>

Cessna

登場人物紹介

ネタバレを含みますので、ご注意ください。

★水無瀬 孝 (ミナセ・コウ)

 本編の主人公。26歳。アルバイトとニートを繰り返しつつ、実家でのんびりと暮らしていた青年。とある秋の晩、突如部屋に現れたフレイアによって、「勇者」として異世界・サンラインへと導かれる。

 趣味は読書と散歩。特技はマインスイーパ、良く飛ぶ紙飛行機作り。所持する資格は普通運転免許(AT限定)と、近所の書道教室で取った書道2段。西東京住まいで、愛車のホンダのスクーターで湖の方まで行くのが好き。だがよく煽られる。

 魔術はからっきしだったが、つい最近、竈(かまど)に火を点けられるようになった。(竈以外にも火が点いたが)

 「扉の力」と呼ばれる希少な能力で魔力の流れを読み、変化させることができる。珍しい竜の因果の持ち主でもある。(珍しさはRH-のB型ぐらい)



<主人公の味方たち>

★フレイア・エレシィ・ツイード(フレイア)

 サンラインから来た剣士の少女。18歳。教会騎士団「白い雨」の精鋭部隊員で、サンライン三寵姫の一人・蒼の主に仕える。美しい紅玉色の瞳を持つ。火蛇と呼ばれる、二匹の蛇の形をした固有の魔力を使うが、実は魔術はあまり得意でなく、主に卓越した剣技と身のこなしを生かして戦う。真面目な性格で、誰に対しても敬語で話す。

 趣味は様々な世界の剣術研究、および部屋と庭の掃除、武具の整備。特技はナイフを使っての彫刻。休日は火蛇と遊んで過ごすことが多いが、本当は誰かとどこかへ出掛けたりもしたい。

 実家のツイード家はサンライン筆頭の大貴族で、姉のイザベラは今代の紅の主である。

 また、骸の騎士タリスカの愛弟子でもあり、幼少期より彼と共に様々な世界で鍛錬に明け暮れていた。そのため、その剣技は人の身において右に出る者は滅多に無いが、少々常識に欠けるところがある。



★ツヴェルグァートハート・ハンナ・エル・デル・マリヤーガ・シュタルフェア(ツーちゃん、ツヴェルグ、琥珀様)

 コウやフレイアをサポートする大魔導師。実年齢は不明。サンラインのどこかの塔に封じられており、霊体として活動している。実体を現さないため、対する人間によって見える姿が異なる。サンラインでは主に四足獣か鳥、あるいは高齢の女性として認識されるが、コウにはなぜか幼い少女に見える。高圧的な口調で、何かにつけては魔術の講義を始めたがる。琥珀色の瞳。

 趣味はこれといって特に無いが、何にでも興味を持つ。好物は獣肉のステーキで、特技はそれを味わうこと。他には、生徒の心が折れるまで質問攻めにすることなど。



★リーザロット(蒼の主、蒼姫、リズ)

 サンラインの神的存在である「裁きの主」に仕える三寵姫の一人。敵国からの侵略によって危機に陥っているサンラインを救うため、伝承に従い、コウの元にフレイアを遣わした。強い魔力の持ち主だが、技術的にも、精神的にも未熟な部分がある。己の誕生日を知らないため、正確な年齢はわからない。海を思わせる、深く蒼い瞳を持つ。

 最近の趣味はオースタン(コウのいた世界)の物集め。特技は紅茶を美味しく淹れることと、DIY。一度集中すると倒れるまでのめり込む癖があり、たびたび従者達を困らせる。

 孤児であり、物心つく前から貧民街の一角で育てられてきたが、蒼の主として白羽の矢が立った時から、彼女の人生は大きく変わった。まともな教育を受けたことは無く、それゆえ彼女の魔術は独自の解釈を多分に孕んだものとなっている。



★グラーゼイ・ジーク・ドルゼン

 教会騎士団「白い雨」、精鋭部隊隊長。32歳。フレイアの直属の上司であり、「裁きの主」と三寵姫に忠誠を誓う騎士。サンラインの男性戦士の習いとして、常に獣人変化の術を用いて狼の姿をしている。銀色の毛並みの、大柄な男。不器用なりにフレイアのことを気にかけている。

 趣味は乗馬(正確には、サンラインにおける馬に似た生物)。特技は料理。精鋭部隊の隊舎では伝統的に、食事当番は隊員の持ち回りとなっているが、彼の料理は非常に好評である。

 指揮能力に長けており、「個性派」揃いの精鋭隊をうまくまとめ上げている。

 コウとは非常に仲が悪い。理由はフレイア以外は誰もが気付いている。



★クラウス・カイル・フラウリールス

 教会騎士団「白い雨」、精鋭部隊隊員。23歳。サンラインにおける魔術の名門一家の出で、剣術もさることながら、魔術にも抜きんでた才がある。見目が良く、ブロンドにスカイブルーの瞳が映える。

 趣味は女の子と遊ぶことと、美術品の観賞。特技は楽器演奏。何もしなくてもモテるし、何かしたらもっとモテる。戦いに赴く際のキツネ面ですら、女の子からは「可愛い」と黄色い声があがる。ムカつく男である。

 人と話すのも好きだが、案外ひとりでいることも好き。

 貴族の名声によらず実力で精鋭隊に入った叩き上げであり、後にフレイアが入隊するまでは史上最年少の精鋭隊員でもあった。本人はおくびにも出さないが、実はとても悔しがっている。



★デンザ

 教会騎士団「白い雨」、精鋭部隊隊員。37歳。獣人変化した姿は、毛の生えたサイに似ている。鼻づらにそびえる1本角は彼の大の自慢で、その突進によって魔獣をも串刺しにしたことがあるとか無いとか。

 精鋭部隊には珍しく、貴族の出身ではない。サンライン南西部の農家出身で、力試しに「白い雨」入団試験を受けてみた所、あっさり合格。以後はその類稀な怪力と度胸を買われてじわじわと出世し、気付けば精鋭部隊隊員となっていた。

 不思議とウィラックとウマが合い、よく仕事終わりに一緒に飲みに行く。

 たまに実家に帰った折には、今でも快く農作業を手伝う孝行息子だが、豪放過ぎる性格が災いしてか、なかなかお嫁さんが見つからないのが目下の悩み。



★ウィラック・ロイク・デュホン

 教会騎士団「白い雨」、精鋭部隊隊員。年齢不詳。「白い雨」団長・ヤドヴィガが精鋭部隊隊長だった頃から部隊に在籍している古株で、一応、現在の副隊長でもある。獣人変化した姿は白兎。

 魔術学院を飛び級で卒業した後、熱心に研究に励んでいたが、一方では何かと規制の多い学院に退屈を覚えてもいた。

 そんなある時、気晴らしに街へ散歩に出掛けた彼は、任務中の精鋭部隊員を偶然に見かける。途端に彼は、精鋭部隊に入れば国家の守護という大義の元、いかなる研究でも許される上、うまくすれば異国の技術・知識・検体をも入手できることに思い至ったのだ。

 思い立ったが吉日。当日に入隊を申し出、その翌々日には、たくさんの魔術師会勲章とそれに見合う魔力を持つ彼は、迎え入れられるように精鋭部隊隊員となっていた。

 周囲にとっては必ずしも幸福なことでは無いが、今の彼は毎日が充実している。



★タリスカ・シフ

 蒼の主に個人的に仕える魔。サンラインと彼の繋がりは古い時代に遡るが、それを知る者はツヴェルグの他に無い。年齢不詳。人知を超えた剣技により、高名な魔導師とすら互角以上に渡り合い、その剣は空間や概念をも斬り裂くという。未だ己の肉体を保持しているものの、すでにその肉は腐り落ち、骨を残すのみである。コウの精神面における師匠で、フレイアの剣の師匠でもある。

 趣味は剣術。特技も同じく。かつては人を寄せ付けず、孤独な闘いに明け暮れていたが、現在は訳あって考えを違えている。リーザロットからの信頼は殊更に厚く、彼もまた蒼の主に深い敬愛を寄せている。

 お気に入りのマントは最早身体の一部。



<主人公に敵対する人たち>

★ヴェルグツァートハトー(ヴェルグ)

 サンラインの元老院議官を務める魔導師。大勢の門下生を率い、国内では巨大な勢力を誇る。また、サンラインを侵略中の敵国・ジューダムとの戦争においては、元帥として総指揮を執っている。対外交渉における方針の一致により、三寵姫の一人・紅の主とは協力関係を築いている。逆に、方針を異にする蒼の主とは対立関係にあって、時空移動中のコウを殺そうと目論んだ。金色の瞳に黒いドレスの、少女の姿をしている。

 好きな食べ物はブドウだが、甘酸っぱい果物なら何でも好む。

 趣味と仕事が一致している幸せなタイプである。



★イリス・ハートコール・タチバナ

 ヴェルグの弟子。28歳。ゴスっぽいエセメイド服と不健康そうな紫ベースの化粧、年齢の割に甘ったるい口調が特徴的だが、サンライン有数の魔術師であり、トレンデでの戦闘ではフレイアを大いに苦しめた。

 趣味はネイルアートと、美容関係の魔術研究。特技は薬品の調合。感情は過剰なほどに豊かな反面、倫理観にかける言動が目立つ。

 酸や毒、蟲などを使った魔術が大のお気に入りで、そうして苦しめた相手を弓で少しずつ射抜くのが彼女本来の戦闘スタイル? である。

 使用している和弓は高校時代からの愛用品。



★リケ

 ヴェルグの「一番弟子」と称される、オスの三毛猫。非常に長生きらしいが、本人以外誰もその来歴を知らない。三毛猫らしからぬ長い尾は二股に分かれている。コウを狙ってサモワールに侵入し、その力を遺憾無く発揮した。

 趣味は人間観察で、人の言葉を喋ったり、二本足で立って挨拶をしたりと、何かと人間の真似をする。だがそれはあくまでも、驚く相手の顔が面白いからであり、決して人間を尊敬しているわけではない。

 いつも化粧くさい爪の尖った手で無遠慮に撫で回そうとしてくるイリスが苦手で、見かけると逃げる。

 直接戦闘も嫌いでないが、基本的には不意打ちを好み、勝てないと見たら即座に撤退するため、敵からすると非常に性質が悪い。



★ヤガミ・セイ (八神 誠、ヤガミ)

 現ジューダムの王にして、コウのかつての親友。和平を呼びかけるコウの声にも一切耳を貸さず、冷徹にサンラインの侵略を続けている。栗色の髪と、灰青色の瞳を持つ。

 周囲から孤立してはいたが、長身で運動神経が良く成績も優れていた彼に、コウはいつも劣等感を抱いていた。

 2人はとある事件をきっかけに決別し、オースタンを遠く離れたサンラインの地において再会した。

 オースタンにいた頃の趣味は愛用のカメラでの写真撮影であったが、カメラを失った今は特に好んですることは何も無い。剣術や勉学、魔術においてすら満遍なくこなすため、特技という概念は彼の中に無い。

 オースタンの暮らしに未練は無いが、好物であったチキン風味のインスタントラーメンだけは唯一心残りである。



<その他>

★水無瀬 朱音 (ミナセ・アカネ、あーちゃん)

 コウの妹。16歳。兄の失踪に疑問を持ち、真相を確かめようとしている。兄とは違い、根っからの優等生である。

 趣味はコンビニのスイーツを片っ端からSNSでレビューすること。特技は一夜漬けだが、最終手段なのであまりやらない。計画的に成績を上げていくことを尊ぶ。壊滅的な料理音痴で、学校と予備校に持っていくお弁当は兄か母に作ってもらっていた。未だにキャベツとレタスの区別がつかない。

 甘えさせてくれる彼氏、絶賛募集中。こだわりの黒髪と、つぶらな黒目がチャームポイント。



★タカシ

 コウの肉体。あっけらかんとした明るい青年。コウがゲームをする時にキャラクターに名付ける名前が呼び名の由来。

 コウより素直なので、女の人に馴れ馴れしく、何事にも積極的である。

 余談だが、一般的に霊体よりも肉体の方が明るい性格であることが多い。



★「水先人(パイロット)」ナタリー

 サンライン、ヒイロ地区の自警団員。18歳。痴漢として捕らわれたコウを助け出し、自分が追っている事件に協力してくれるよう頼んだ。正義感が強く、先代の団長だった父親の死後、心折れてしまった自警団をなんとか立ち直らせたいと思っている。団長だった父を心から尊敬していて、その実力に一日でも早く追いつけるよう、日々仕事に、修行に励んでいる。小麦色の肌と、翠玉色の瞳が特徴。

 趣味は街の人と他愛も無いお喋りすること。恋愛事にも興味津々。特技はにらめっこと、瞬発力勝負の指相撲。好物は屋台で売っているケバブ風のサンドイッチ。

 レヴィという名前の魂獣を代々肉体に宿しており、彼女の左腕の刺青はその象徴である。代償として霊体を持たないため、「無色の魂カラーレス」と呼ばれる人工の霊体を使っている。



★シスイ・キリンジ(シスイ)

 コウ達がテッサロスタへの旅のために雇った、スレーン人の案内人。28歳。竜の扱いが非常に巧みで、旅の途上の空戦ではその腕でコウ達を大いに助け、窮地を切り抜けさせた。魔術の矢を放つ弓と、ジコンと呼ばれる因果の糸を斬り裂くブーメラン型の武器で戦う。ちなみに竜を降りての接近戦は物凄く苦手で、幼少期にスレーンきっての武術の達人から付きっきりの指導を受けていたにも関わらず、その辺の筋の良い子供にも強かに打ち込まれてしまう程度の腕前しかない。

 日本人とよく似た風貌をしており、黒真珠のようなミステリアスな瞳が印象的。

 趣味は何と言っても竜に乗ること。操竜の腕ではスレーンでもサンラインでも右に出る者は無く、どんな竜ともあっという間に信頼関係を築く。特技は抜群のセンスを活かしたジョークだと、本人は信じている。好物は川魚の干物とお酒。熱燗に限る。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る