【本編】この作品に登場した魔法たち

★魔法・神聖魔法・神族の奇跡


○転移(1話)

未知の土地であっても、座標を確認できれば移動できます。瞬間移動系の魔法です。

2話の「転送」は、賢者がこれの応用しています。


○『裏帳簿発見』(1話)

失せ物探しのようなものです。村長の隠し事に気が付き利用しています。

こいつ怪しいから叩けばホコリが出るだろと、探してみたら見つかったのでしょう。


○感覚拡大化(1話)

五感の感度を拡大することが出来ます。「遠見の術」はこれの派生系です。

ただし、8話の家出イルカがしたように、「見つかりにくく」する対抗策はあります。


○感覚共有(2話)

額に手を当て、自分の感覚(例えば見ているものなど)を共有できます。

遠見の術を使いながら、そこで見えるものを見せることも可能です。

賢者の脳は相当複雑なことを処理しますし、慣れてもいます。不慣れな人にそのまま見せれば失神しますので、相手が混乱しない程度に力加減をすることも出来ます。


○隕石・炎・氷(2話)

攻撃魔法です。他にも攻撃魔法はありますが、賢者の手にはこれらが馴染んでいるようです。通常は目の前で発動させます。せいぜい飛び道具が届く距離ですよね。

しかし、射程を拡大し、遠見の術で狙うことも可能です。

「腹が立ったら隕石落とす」と、エルフの里へ言い渡したこともあります。


○遠くの誰かに話しかける(2話)

頭のなかに話しかける方法と、周囲に聞こえるようにする方法の、どちらも可能です。


○「まことなりか」(4話)

真偽を見極める神聖魔法です。「蘇生」が使える程度のLvの神官なら使えます。

魔法でごまかすことは出来ません。

ただし、相手が「事実誤認」していて、嘘を付いていない場合は分かりません。


○「もう1つの人生」(6話)

「――霜柱が立つ冬、わずかな日差しを楽しみに、春に備えて力を蓄えていく。春が来て、新芽を出し枝を伸ばし蕾をつける誇らしさ。淡い赤の花を咲かせ、やがて花がらを落とし迎える夏。強い日差しを浴び、過酷な冬へ向かう支度をする。そんなミニバラとしての時間を数年分、まるで自分のことであるかのように経験させた。」

賢者は、老いた農耕馬に、ミニバラとしての命を経験させました。

例えば「建国王の生涯を追体験したい」という願いも、叶えることが出来ます。魔法の行使者が知らないことは体験出来ないので、ちょっと歴史的事実の確認してくる、といった使い方は出来ません。


○「恋の魔法(彼の苦しみを味わえ)」(7話)

「ふふっ、痛むでしょう? お前がネチネチいたぶった男の痛みよ。――念のため教えておくわね。私が大切に思う存在、それはあの村に関わる人達から、私の好きな小説の作者も含むけれど、そうした人たちを傷つけたり殺めることがあれば、それは全てあなたの体に反映されます。10人殺せば10人分の死の苦しみを味わって死ぬことになるわよ?」

小町魔王オリジナル魔法。神聖魔法で解呪出来ない呪いです。解呪できるのは小町魔王のみ。小町魔王を殺しても解呪は出来ません。元・魔王ですので、呪い系の呪文は得意みたいですね。


○「魔法生命体創造」(8話)

小町魔王が「魔法生命体」のイルカについて、賢者へ指摘するための例として出しています。竜化青年(不器用少年)は、弟子入りの課題として与えられ、ゴーレムを作って見せました。


○「虫よけ」(9話)

あおに頼まれて、村にダニやシラミがいられないように結界を張りました。

結界魔法の応用なので、例えば「ミイラ男くんな」といったことも出来ます。


○「なかったコトにする」(9話)

世の中の時間全てを巻き戻すのではなく、指定した範囲の出来事を「なかったコトにする」魔法です。命と引き換えに行使するくらいの禁呪です。

賢者は鍛えてあるので、「全魔力を放出し一日昏睡する」ことを代償に、行使する事が出来ます。


○部屋への扉(10話)

賢者も、神族でさえ「中の出来事が分からない」部屋への扉を宙に呼び出します。室内はホテルのスイートルーム程度で、暮らせるだけの食料や生活用品・衣類等の備蓄があります。話し相手が欲しければ、賢者のところのイルカを呼び出すことも出来ます。

部屋の外(正確には、「外」も部屋の一部です)には、「誰もいない森」があります。木々は生えていますが、生き物はいません。散歩に出かけることは出来ます。万一、迷子になると『扉』が迎えに来ます。

賢者が外からカギをかけると、神族の「娘」であっても中から開けることはできません。


○敵意解除(15話)

主神の神官が使える高位神聖魔法。モンスターなどの敵意を鎮めます。対象は単体ではなく範囲を指定できます。人間にも効きます。主神の教団のみの神聖魔法です。


○不老不死化(17話)

賢者の娘が使える奇跡。人間には使えない神聖魔法系の「奇跡」。

不老不死に出来る他に、その人の「どの世代の体にするか」まで選べます。

賢者は、「モテそうでダメ」という理由で、青年・壮年時代は却下され、爺ちゃん姿になっています。


○経験値譲渡(18話)

賢者の娘が「くろ」に対して行いました。神族のみ行使できる「奇跡」です。

独学でLv5になったご褒美にLv40にしてあげています。

当然Lv99にすることも可能です。


○「誤認」(27話)

賢者が終末少年の為に、複数の魔法を組み上げて作りました。禁呪です。

「縁のある者達から認識されなくなる。彼らから見れば、死者と同じで、目の前に居ても認識できない。思い出は残っても、交流は出来ない」という代償があります。

ただし、新たな人間関係は築けます。

もっとも、呪文発動時に「認識できなくなった人」とは、縁の結びようがありません。


○封印(27話)

賢者でも、両手に装備した高価な指輪に、予め魔法を貯めておかなければ行使出来ないほど複雑な魔法。神すら封印出来ます。

『建国王』は主神の高位神聖魔法で封印していますから、やることは同じでも、やり方が異なります。Lv99の神官である鉄棍女王でも、この封印は解けませんでした。



★精霊魔法

○風の精霊魔法での「転移・転送」(19話)

風の精霊に運ばせることが出来る。瞬間移動ではなく、風の精霊がえっさほいさと運びます。飛行機程度の速さは出るので、風の精霊が風圧や温度等も気を配ります。


○豊穣の歌(精霊魔法)・19話

痩せた土地へ働きかける魔法です。局所的にその土地の気候まで変えてしまうので、使い方が難しいです。


○水難事故禁止&火事禁止(21話)

夢幻夫婦(後の精霊王と歌姫)が上位精霊に依頼しました。

以後、この世界から、水難事故と火事はなくなりました。

彼らより『格』と『歌』を認められる精霊魔法使いが、「その約束を無効にしろ」と言うか、夢幻夫婦が取り下げるまで続きます。

なお、「これは燃えても火事でも無い」と精霊を納得させられるなら、燃えます。あるいは、夢幻夫婦が「これは許可します」と言っても燃えたり溺れたりします。


○心の精霊へ「平静さ」を願う(21話)

「そして、美しい声で、心の精霊に「平静さ」を願う『歌』を歌った。

扇情エルフの精霊魔法が室内に行き渡ると、苦しさが少し遠のいたのか、前村長の夫(柔和亭主)が目を開いた。」

落ち着かせ、苦しみを和らげるなど、波打っている心を落ち着かせる働きがあります。なお、扇情エルフは、精霊魔法を使わず、ただ歌うだけでも似たようなことができます。


○心の精霊へ「官能を対象者へ経験させる」ことを願う(24話)

「心の精霊は、夢想村長の長女へ、とっておきの官能の感覚を、滝のように洪水のように、一気に注ぎ込んだ。(24話)」

殴り込みに来た火の君を、精霊魔法の教授が撃退するのに使いました。精霊魔法は歌い続けないと魔法を維持出来ないので、心をかき乱すだけでいいのですけど、精霊魔法の教授はこの方法を選びました。享楽的な彼女の「とっておきの感覚」だそうです。精霊魔法を使った、一種の「感覚の共有化」ですね。なんてことするんだ。


○精霊王と歌姫達の柔軟さ

彼らは、「通訳」という工夫をし、『格』と『歌』を持ち寄りました。(精霊王は精霊魔法が使えず、当時の扇情エルフ(歌姫)は自信が無くびくびくしている女性でしたから精霊たちに『格』を認められていません)

この夫婦は、上位精霊たちとよく話し、水難事故や火事の例の他にも、自然災害の予報を貰うとか、農作業を炎の精霊・土の精霊に手伝って貰えるようにするなど、かなり柔軟に精霊魔法を使っています。

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