第4話 救急搬送

「…て、…起きて!千夏!」

母親が千夏を起こしに来た。

まだ2時、起こすには早すぎる時間だ。

「なによう、お母さん。」

「陽菜ちゃんが…って!」

寝ぼけている千夏に声は届かない。

「何?陽菜がどしたの。」

「だから!陽菜ちゃんが自殺未遂しちゃったって!病院に救急搬送されたそうよ!」

千夏は時が止まったように感じた。

一度感じたことのあるような。

思い出した。陽菜のあの一言を。


「誕生日を命日にしたいな!」


「早く!病院に連れてって!お母さん!」

千夏は感じたことのない焦燥感に駆られ、寝巻きのままリビングに飛び出した。

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