第4話 自殺未遂
さらに、実は今回の出来事は2回目なのだ。
まだ結婚して1年半の頃、パチンコがやりたくてたまらなくなり2社と契約を結んだ。
最初はすぐに返せる。そう思っていた。パチンコ依存症は自覚症状があるけど、それを自分だけは違う、わかってる。認めたくない。そう思ってるのかもしれない。僕は少なからずそうだった。
カードローン2社から借金し、徐々に借金は膨らみ、今日負ければ本当に終わるという日がやってきた。
負けた。
落ち込んだ僕はどうすることも出来ず、白黒に感じる帰り道をゆっくりと車で帰った。家で待ってる家族を考えると涙がさらに溢れ、家を通り過ぎて海に向かった。
まだ帰らない?と連絡が来ても、電話にも出ることすらできない。
苦しくて、泣き喚いて、奥さんと娘に申し訳なさすぎて、両親には顔向けできなくて、友達や会社の人にも言えずにいて、ただただこの真っ暗な目先の人生を考えた。どうしようもない馬鹿者だ、
、、、やっぱり死のう。
遺書を作ってみた。
奥さんへ
娘へ
お父さんへ
お母さんへ
…
書いてる途中も涙が止まらなかった。僕がパチンコ店を出て海に着くまで発した言葉は
「ごめん、本当にごめん。」
奥さんや娘、家族、関わった人みんなに申し訳なく思ったのだ。
ぼくはただただこれを繰り返した。
書き残した遺書を奥さんのラインにそれぞれ全部残し、携帯の電源を切った。
これで死ねる。後悔ばかり残して死ぬのは嫌だけど本当に死ぬのがベストだと思ったのだ。残される方の気持ちを考えなかった。
シートベルトで首を絞めたり、車に積んであったカミソリで腕を切ったりした。
そして最後に海に入ろうと思った瞬間、娘の顔が頭を過ぎった。娘はまだしゃべれずこれからの未来どんな大人になるのか、どんな楽しい会話が出来たのだろうか、色々楽しい未来があっただろうと考えると、、やっぱり死ねなかった。
泣き叫んだ。
携帯の電源を入れると奥さんから、
「お金はどうにでもなるから帰ってきて」とラインが入っていた。
奥さんに電話を掛け事情を説明した。
夜の10時頃、両親も実家からこの町にかけつけていて、警察に捜索願もだしていた。
今まで本当に色んな嘘をつき続け、その嘘を隠す為にまた嘘をつき、
傷付けて、今まで本当に迷惑しかかけていないのだ。
そのお金は両親が肩代わりし、月々両親に返している。
次パチンコに行ったら離婚する!と言われ、僕ももう2度と行かない!
そう決意したはずだった。
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