第2話 幸せな時間

僕は亭主関白な親父と、いつも味方をしてくれる超がつくほど優しいお母さんの元に長男として田舎町で育った。

ちなみに妹は2人いて2つ下と7つ下の3人兄妹。

僕の性格はどちらかというとのんびり屋で、おっとりしている。ポジティブでナンクルナイサ〜精神の持ち主だ。


勉強は普通で、スポーツも普通。クラスで上位ではなく真ん中より少し上。たまにイケメンと言われていたせいか彼女もちゃんと作れた。

商業高校を卒業してから飲食店(カフェ・バー)のバイト経由で就職した。

18〜28歳の10年間は昼と夜の逆転生活で、22歳で結婚し子どもも生まれた。

しかし5年の結婚生活にピリオドを打つことになった。昼と夜のすれ違いでケンカが増えていた。昼の仕事に戻りたいと思い会社をやめた。

昼の仕事が見つかるまで別居生活が始まった。その間に元嫁が浮気をしたのだ。ただ原因は僕が作ったようのものだ。やがて元嫁は浮気相手と再婚し、親権も元嫁に譲った。

母親の笑顔で娘は育つと思ったからだ。



僕はひとりぼっちになった。


友達と時間が合わず1人でいることが多かったのか、この頃にパチンコに目覚めた。いわゆる遅咲きだ。


そしてまた別の居酒屋の道へ戻り社員になり店長になった。


それでもひとりぼっちを毎日感じていた。そんな谷底を感じてたいた時、彼女が出来た。

しかし、遠距離恋愛で半年で終わった。気持ちは少し楽になっていた。


僕は趣味で手品とDJをしていた。

昔から手先が器用だったのもありカードマジックを主としてお客さんにも披露していた。

師匠といわれる人はいなくて、You Tubeで動画を研究し、タネを見つけてひたすら練習するのだ。手品ショップを見かけると必ずみたりしていた。


DJは18歳から続けていて、クラブイベントのDJとして場を盛り上げていた。


そして今の奥さんとこのイベントを通じて、共通の友人をきっかけに出逢った。なにか昔から知っているような感覚があった。


今の奥さんと恋人時代に宝くじ3等が当たった。妊娠中の奥さんには高価な財布をプレゼントし、40型テレビやブルーレイレコーダーを買い、自分の欲を優先した。両親には1円もあげなかったのである。これは今でも凄く後悔している。そして残り半分は奥さんに預け貯金に回した。


夜の仕事だった僕は昼の仕事に移すことに決め、酒蔵に就職した。

肉体労働を毛嫌いしていた僕は、家族の為に!と頑張ることができた。

給料も飲食店の時より少し上でボーナスもあり、なにより昼のリズムに移ったのだ!

今年で4年目になり、少しずつ板についてきた。


僕は長男だが奥さんの家で住み、マスオさんの状態で暮らしていた。

実家とは違い、海端で、 部屋から水平線がみえるくらい海が広がっている。

奥さんのご両親は離婚されており、奥さんのお母さん、そのお父さんと僕の家族で5人で暮らしている。

今の奥さんとは出会って5年くらいが経ち結婚も4年目になり、子どもは3歳の娘と、7月に出産予定の男の子。奥さんは3つ年下で性格は真反対のしっかり者。


昼の時間帯の就職は奥さんがとにかく"安定"を求めていたからだ。飲食店のオーナーを勧められていたが安定を求めた奥さんの考えを優先して夜から昼の仕事になった。奥さんは贅沢なく普通だったらなにも要らないという生活ができる。僕には少し難しかった。


休みの日には公園に行ったり買い物をした。GWには旅行に行ったり、3人で充分幸せなごく普通の家庭だった。なに不自由なく暮らせているはずだった。

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