第12話 時は過ぎて…

あの事件から3ヶ月ほどが過ぎて、夏樹幸平は軍曹へと昇格した……であります

しかし、軍服に新たなエンブレムをつけてそれが馴染む間もなく新しい任務というのは入るもの

人間がどれだけ人間を殺しても数というのは減らないように魔物は狩っても狩っても数が減らない

……魔物は人間の栄養源という側面もあるから減られても困る種というのは存在するのだが

「幸平、フィニッシュブローは任せた!!」

「了解!!」

魔物の動きを読み、逃げた先で待ち構えて剣を振り下ろす

今回の獲物はチャージポーク……みんな大好き豚だ

取らぬ狸の皮算用というが、この世界における豚さんも使い道が沢山ある

「ぴぎゃああああああああ!!」

チャージポークが致命傷を受け、動かなくなると

「よし、今日はご馳走だな!!」

「ですね、でもせっかくだから……」

「燻製器か、豚は熟成すると旨味が増すからなぁ……大活躍だ」

地球における豚も肉、内臓に骨、耳まで捨てるところが無いようにこの世界における豚も人間の貴重な栄養源だ

「脂も取れるし耳も刺身に出来るし、骨からはいい出汁が取れる……最高の獲物だ。絶滅しないのが不思議だよ」

結局あれから念願の昇進を果たしたリン曹長は豚を語る

「地球だと気が弱くて大人しいので家畜にされていたんですよ、安くて美味い主婦の味方……でも高級品は舌がとろけるほどの美味なのでグルメの味方」

「へぇ……チャージポークは家畜にするのは無理そうだな」

「こいつはどちらかというとイノシシに近いですね……味は豚だけど」

チャージポークの身体に切れ目を入れ、内臓を取り出し肉は骨と切り分けていく

そこで、俺の出番

「時流の遅延……スロウタイム」

物体に流れる時間を遅らせるスロウタイム、本来は火傷の悪化や毒の回る時間を遅らせるものだがここ最近は狩りで役に立つ魔法と化している

何故かというと、狩りで死んだ魔物はその時から劣化が始まるからだ

兵士の中に治癒魔法の勉強をしている人間は意外と少ないので、以前にも増して魔物討伐の仕事に担ぎ出される

「幸平の魔法のお陰で、メシが豪華になるぜ」

「あはは……」

少し、ほんの少しだけ複雑な気分


———————


この世界に来てから5ヶ月ほどになるけれど、時間の流れや食文化などは地球と似通っている部分が多い

麺類だって地球のそれとは多少差異はあれど当然のように存在するし、入浴も睡眠も当たり前に取るしめでたい事があれば宴を開く

「骨を使った出汁を取って、内臓を煮込んだ鍋にしようか」

「地球で言うとこのモツ鍋ですね」

「地球にもそういう鍋があるのか!」

「はい、地球の豚も捨てるところがありませんから」

「地球のメシも一度食ってみたいな」

ラングレイさんが言うには俺もかなり兵士として身体が仕上がってきたらしく、食材として切り分けた魔物の死体を運ぶのもそれほど苦ではなくなってきた

「そろそろ着くな……」

「はい」

リン曹長は街道を通る時不安に思うらしい

エルオーサ一家惨殺事件の時点でもリン曹長は殺人事件に何度か立ち会った事があるらしいが、あれほどの死体を見るのは初めてだったらしい

「何も起こらない、そうだな?」

「何度もあったら困ります」

「ああ」


———————


朝の稽古、仕事の確認、任務、食事、午後の任務、試合、終わり稽古……というのが3ヶ月前までの俺のローテーションだったけど

今ではこれに座学や魔法の練習が加わった

時には任務として診療所の手伝いなんかもするようになった

治癒魔道士という『ジョブ』はいわゆる回復魔法の使い手だが、戦士や格闘家と治癒魔道士双方の適性を持っている人間は少ない

そして、メルドニア国軍には治癒魔道士と戦士両方の適性を持っている人間は俺以外いないのだという

回復魔法専門の人間はいるけれど、両方出来るのは俺だけなのだという

ラングレイさんは戦士としては今のままでは頭打ちなので、さらなる飛躍を目指し俺に治癒魔道士としての修行をするよう提案した

その理由としては戦線の安定、そして自己強化魔法を使いあの技をデメリットの多い集中力をつかわずに撃てるようにする事

だが実際のところ「使い勝手のいいパシリ」が欲しかったというのが大きいのではないか

「時給もっと増えないかな……」

「いや、伍長の時より増えたはずだろ」

「労働量と時給が釣り合わない気がするんですよ……」

「その調子ならすぐに昇進するだろ」

「今の労働量に加えて隊長までやったら身体潰れちゃいますって」

以前、国軍をホワイトな組織と評したけれどそれは間違いだったかもしれない

せめて出張料とか資格手当とか出ないものかなぁ……


———————


勤務の合間合間に出されたテキストを確認し、練習をする

そして勤務終了後に学校へと行き、授業を受ける

俺は座学というのが苦手だけど普段身体を動かしまくっているからか、これが良いアクセントになっている

辛いけど

「ミラさん、パーフェクトですね。幸平くんはもう少し精度を高めましょう」

「はい……」

ミラというライバルがいるのもまた燃える、全然勝てないけど

治癒魔道士への適性はあるが、やはりこれも剣士同様人並程度

ミラは俺以上の適性があり成長が早く、空いている時間も多いから知識の吸収量も実戦で得る経験値も非常に多い

「それでは幸平くん、ミラさん。次回の講義までの宿題を出しますね」

「……分かりました」

「何か不満が?」

「いえ、何も……」

宿題が出るというのもまた辛い、プライベートな時間という奴が殆ど無い

いくら治癒魔道士の修行を積んでも使い物にならなければなんの意味も無い

任務で治癒術を使う機会が多いものの、未だ自己強化魔法習得には至っていない……


———————


「疲れたぁ〜〜……メシ、適当でいいよな?」

「う、うん……」

剣を振るい、魔法を使いあちこちを駆け回る一日

ミラとはあれから変わらず半分同棲している状態で、寝る時以外はミラは何故か俺の部屋にいる

「なんか、げっそりしてない?」

「毎日朝起きて夜寝るまで身体をフル稼働させてるからな、俺だって疲れるさ」

「う〜ん……ちょっと待ってて」

ミラが部屋を飛び出し、自分の部屋へと戻りすぐに俺の部屋に飛び込んできた

「これを使って料理しない?」

ミラが手に何かの植物の葉を持っており、見せつけてくる

大きく厚みがあり、アロエからトゲトゲしさがなくなったような見た目だ

「確か、ヒールポーションの原材料になる葉だよな?確か、セルタリア草とかいう」

「うん!セルタリア草は香辛料にも使われるから香りもいいんだよ、今日は私が料理するね!」


———————


夏樹幸平、17歳

女子(12)の手料理を食べるのは初めてなので、正直ワクワクしているのだがどちらかというと不安の方が遥かに大きい

あ、彼女先月誕生日を迎えました

ミラと半同棲の状態になってからというもの、彼女には掃除や洗濯などを任せていて炊事はほぼ全て俺がやってきたから彼女の料理のスキルは未知数だ

というか掃除や洗濯も今ではかなりマシになったものの、来たばかりの時はまぁ大変だった

異世界からやってきた俺の方がまだ掃除が出来るとかどういうことなの……?

そして、どうして俺が不安に思っているのかというとそれは……

「お、なんかいい匂いがする」

「飯島さん」

「丁度訓練終わったところだから、ラングレイさん容赦無いね〜」

「あはは……でもラングレイさんと稽古すればするほど強くなれるから面白いよ」

「ミラちゃん、料理してるんだ」

「うん、今日はセルタリア草を使った料理をするんだ〜ってキッチンに立ってるんだけど」

セルタリア草は爽やかな香りと味わいのサラダにもなるし薬草にもなるいわゆる異世界版アロエのようなものだ

大きく育てたセルタリア草は焼いて香味野菜で味付けしたステーキなんかも美味い

「香りは良さげだよね」

「うん」

逆に不味く調理する方が難しいのだが……

こういうパターンだと大体可愛いキャラが唐突にメシマズ属性を唐突に身につけて酷い目に遭うのが王道だ

「出来たよ〜!!」


———————


バラ肉を強火で焼き、香味油と塩で味付け

それを焼いたセルタリア草で巻いて食べるという料理が出てきた

意外とまともだ、そういえば生まれてこの方フラグだとかそういったものをきっちり回収する生き方はしていなかった

「なんだ、杞憂か…」

「不安だったの?まったく、私はこれでもエルオーサ家にいた頃はパパやお兄ちゃんのためにたまに料理を作って振舞ってたのに…」

「いやぁ、何となくパターンってあるだろ?」

「本の読み過ぎだよ」

「じゃあ、いただきます」

手を合わせ、箸でセルタリア巻きを掴むと肉汁がしたたる

うん、普通に美味そうだしいい香りだ

口の中にセルタリア草の爽やかな味わいと、濃厚な肉の旨味が広がり口の中に激痛が走る

「…………!?!?!?!?」

うっかり某ロボットSLGの人工知能みたいなリアクションになってしまった

口の中が激しく熱いし痛い、出来たてだから熱々とかじゃない

なんだこれは、半端なく辛い

「…………どうしたの?」

思わず飯島さんも俺も悶絶するハンパじゃない、アジアの激辛料理かというくらいに辛い

「痛い……っつーか辛い!!なんだこれ!?」

「ああ、辛油使ってるからね」

「か……からゆ!?」

からゆってなんだ、ラー油みたいなものなのか?

飯島さん、今水を飲んだら逆効果だよ

「うん、アクセントに緑辛子っていう植物から抽出した油を使ってるんだ!」

取り出したのはほんのり緑色がかった透明な液体、普通辛い料理っていうのは真っ赤なものだがそりゃ気づかない

「そうかなぁ……いただきます」

ミラは不思議そうな顔で激辛セルタリア巻きを口に運ぶが、幸せそうな表情で感想を述べる

「このジリジリする辛さが良いアクセントになって、肉の旨味とセルタリアの爽やかな味が……」

何言ってんだこいつ舌がぶっ壊れてるのか

アクセントどころじゃなく主旋律が辛味によって完全に破壊されている

とてもじゃないが食えたもんじゃない……

「ちょっと待ってて、確か冷蔵保管室にバターが……」

確かバターを齧れば少しは口の中の辛味が治まるはず、というかチーズを乗せて焼けば少しはマシになるだろうか?

「飯島恵さん!!夏樹幸平伍長!!」

そんな事を考えていた矢先、男の人が部屋に飛び込んできた

今は一応軍曹なんだけど……まぁ、それはいいとして飯島さんが冷静に訂正をする

「あ、今は夏樹くんは軍曹です」

「そうでしたか、昇進おめでとうございます!!」

敬礼ポーズ、しかし慌てて来たという事は何か問題があったのだろうか


———————


「私はメルドニア国軍情報管制部所属、ダッキー・クリストフ伍長です」

ダッキー伍長は敬礼をする、俺はメルドニア国軍実働部隊に所属するため情報管制部の人間と交流を持つ事はほとんど無い

「夏樹幸平軍曹です」

「飯島恵です」

「私はミラ・エルオーサです」

「あ、はい」

ミラは取り敢えず挨拶をしておこうとダッキー伍長に名乗るが、相手にされていないため不満そうにしている

「あ、はい」というアクションを貰えただけマシな方だと思うけどな……

「夏樹伍長、飯島さん……あなた方は地球という世界から召喚の儀式による影響でこちらの世界に飛ばされたそうですが……嶋村和也という男はご存知ではないですか?」

「嶋村……和也……!!」

ここに来て思いもよらぬ名前を聞く、本当にこの世界に来ていたのか……

「誰だっけ?」

「私たちの世界の人間で、私の……」

「友達だよ、優しくていいヤツなんだ」

「へぇ」

下手に誤解を招いても嶋村くんは苦労するだろう、オルディウス王とラングレイさんの中では飯島さんの彼氏って事になっているみたいだけど

「嶋村くんが見つかったんですか?」

「通信が繋がっています、すぐに情報管理センターにお越しください。転移魔法で転送します」

「は……えっ?」


———————


転移魔法、エクスジャンプ

通信関係の上位魔法、肉体をデータ変換して特定の位置へと飛ばすというもの

このエクスジャンプを習得する事が情報系魔道士として一人前に見られる条件らしい……か

「気持ち悪……」

慣れてないと酔うというのは本当だったのか……

「すいません、急ぎだったので」

「い、いえ……驚いただけなので」

『その声……夏樹くん!?』

「嶋村く」

「嶋村くん!!無事だったんだね!!私、飯島恵!!」

「飯島さん、ああ……クラスメイトの」

「ずっと心配してたんだよ!!元気!?怪我はない!?確か今ハルデルク国にいるんだっけ!!」

「ああ……うん」

なんかちょっと、テンションが噛み合っていない……バリッバリに片思いだわこれ

ラングレイさんは不思議そうな顔をしている、そりゃそうだ

ついさっきまで飯島さんと嶋村くんが相思相愛だと思っているんだから

というか、嶋村くんから「好きな人が出来た」というメールが来た以上嶋村くんは別の女の子を好きだという事だ

「今はハルデルクにいて、魔王軍を相手に戦っているんだけど……兵力が尽きてきているんだ。何とか通信妨害や魔道防壁を弱める魔法を展開して通信を送っているんだけど」

「我が軍に救援を頼みたいという訳だね、七武聖の方々はどうなっているんだい?」

「……全滅しました」

「なっ……!!」

ラングレイさんが驚きの表情を見せる

「ラングレイさん、七武聖って?」

「ハルデルク国において最強の称号を誇る将軍達だ。我がメルドニア王国の一等騎士達と同等かそれ以上の技量を誇ると言われている」

「それだけではありません、七武聖筆頭騎士のユーグレウスとアルタミリアが魔王軍側に寝返りました」

衝撃が走る

魔族は破壊衝動や支配欲の塊で、コミュニケーションなどまともに取ろうとしない

それなのに人類を裏切り、魔族につくなど有り得ない

「えっ!?魔王軍って……人外の存在だろう!?」

「魔族は人の言葉を操る、意思の疎通は一応可能な上に魔族と人間の身体構造は酷似している……」

「だからと言って……!!」

「だが、人間でありながら人間に牙を剥くなど……それに筆頭騎士といえば民を守る剣であり民にとっての最後の盾だ!!そんな存在が国を裏切るなどあってはならない話だ!!」

ラングレイさんはこの上なく憤慨している

ラングレイさんと付き合いを持つようになってから分かったんだけど、ラングレイさんは庶民的でありながらやはり庶民とは違った価値観を持っている

筆頭騎士としての誇り、民を護ること、この国の行く末とか……本気で考えている

正義感が強いだけではなく、信念やプライドを最も大事にしているような印象を受ける

「ラングレイさん、俺たち行きます。友達が助けを求めている」

「私からもお願いします!!」

「君たちだけではダメだ、君たちはこの国にとって貴重な戦力で、幸平……君にはこれまでの兵とは全く違う活躍を期待したい」

「でも……!!」

「君たちだけではダメだと言っているんだよ、つまり君たち以外の人間を連れて行くべきだ。治癒魔道士や魔道兵に剣士……数はせめて3000人ほど欲しいところだ」

「ラングレイさん……」

「出来るだけ急いでください、魔道障壁の中和はそう何日も保ちません」

「分かった」


———————


よく翌朝、午前5:00

メルドニア王国グランドブリッジ

ここは大規模作戦開始前に集まる場所で、兵士は軽く4000人ほど集まっている

グランドブリッジは巨大な砦となっており、最上部には飛空挺が鎮座している

俺はこのグランドブリッジに来るのは初めてだった、毎年4月もしく10月に大勢の新兵が入隊してくる

新兵の入隊式やオリエンテーションはここ、グランドブリッジで行われるのだが俺は季節外れの中途入隊なので新兵のくせにここの構造を詳しく知らない

つい最近、大勢の後輩が入ったのだが既に軍曹へと昇格が決まっているのに今更オリエンテーションってのもね……とスルーされた

久々に魔王軍に対する大規模な攻撃作戦が開始されるという事で、兵士達の士気は非常に高くまるで剣気を感じるようなピリピリとした空気が漂っている

「誉れ高きメルドニア王国兵士諸君!!聞いてくれ!!我らが盟友たるハルデルク国が魔道障壁に閉じ込められて早半年が経過しようとしている!!

我らが誇る異界の戦士、夏樹幸平の親友である嶋村和也が命を賭して魔道障壁を中和してくれている!!

嶋村和也が語ったハルデルクの現状は凄惨たる様だった!!土地は荒れ果て、幼子や女は関係なく蹂躙され、街にも魔物が闊歩しており国家としての機能は停止しており

白く美しきハルデルク城には魔族がさも支配者の如く振る舞い、人間を狩らせる命令を下しているという!!

勇敢なるメルドニア王国の兵たちよ!!女子供を泣かせるなどという暴挙を許せるか!?人間としての尊厳を踏み躙る人間擬きの暴挙を許せるか!?

今こそハルデルクの盟友たる我らが立ち上がる時だ!!

剣を抜け、雄叫びをあげろ!!メルドニアの力を魔族共に見せてやるのだ!!」

「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

精一杯の叫び声を上げる兵士達

魔王は全人類共通の敵である、今こそ奴等を討ち人類を魔王の恐怖から解放するのだ

だけど、俺の決意はそれとは少し違う

「助けに行こう、嶋村くんを……絶対に!!」

「うん、私も全力を尽くす!!」

俺と飯島さんは静かに拳と拳を当て、飛空挺へと乗り込む

「総員、乗り込み完了しました!!」

「了解、メルドニアフェニックス!!発進!!」

轟音が辺りに響き渡り、暴風で石や砂が嵐のように捲き上ると巨大な船体がゆっくりと重力に逆らい浮かび上がる

戦いが始まる……命の奪い合いが始まるという恐怖心と闘争心によるワクワクが自分の中でせめぎ合いを始める

人類による最大の反抗作戦が幕を上げた


続く

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