第11話 これまでの軌跡(番外編)

恵「嶋村くんを名乗る人から通信があったって!?ねえ、嶋村くん!!嶋村くんはどこ!?」

幸平「はい!と言うわけで設定がゴチャゴチャしてきたのでお話は一旦休止して、現状をまとめますね」

恵「ええええええええええええ!!お話が動き始めたのに!!」

幸平「ねぇ、お話が今まで一切動かなかったみたいに言うのやめて」


・メルドニア王国


オルディウス「僕が治めてる国だね」

ラングレイ「幸平と飯島さんが飛ばされてきた国で、それなりに栄えてはいるが孕んでいる闇もまた深い」

オルディウス「魔王が復活し、魔物への対策を講じねばならないんだけど……テロだの貴族たちによるアレコレだのと」

ラングレイ「今は貴族だ下民だと言っている場合ではないんだが……はぁ……」

幸平「うっわネガティヴ…」

恵「この間、貴族たちと何かあったみたいだよ……ラングレイさんがキレたって」

幸平「ラングレイさんをキレさせるとか怖いもの知らず過ぎる」


・召喚の儀式

ラングレイ「手札に儀式魔法カードと儀式モンスターがいる時、儀式モンスターのレベルの合計になるように手札及びフィールドのモンスターを……」

幸平「どこの遊◯王ですか、確か……占い師が適性ある者を選んで大量のクリアスを消費してこの世界に飛ばす上級の魔法でしたね」

恵「もっとも、召喚されたのは嶋村くんで私達は事故で呼び寄せられただけみたいだけど」

オルディウス「召喚したのはハルデルクの人間なんだろうが、この世界の人間を代表して謝罪させてもらおう」

幸平「いえ、気にしないでください。俺もこれを何かの縁と思っているので……」


・ハルデルク国

幸平「隣の島国で今は……」

ラングレイ「ああ、今は上陸すら難しい。魔法障壁で完全に封鎖されていて……今じゃ魔族の拠点となっていると思われる」

恵「嶋村くん……無事だから連絡くれたんだよね?」

ラングレイ「以前までは君たちを危険な場所に送り込む訳にはいかないと思っていたが、今の君たちならば……」

幸平「はい、その時は行かせてください」


・メルドニア国軍

幸平「おれが所属している軍だね」

ラングレイ「俺が指揮を任されている」

幸平「その割には、結構前線に出ていますし稽古にも顔を出していますよね」

ラングレイ「俺にとってはライフワークだからね、稽古は趣味みたいなものだから気にしないでくれ。人が上達するのを見るのが好きなんだ」

オルディウス「老後は道場とか開きそうだね……」

恵「そういえば、ラングレイさんって階級はどうなんですか?」

ラングレイ「俺は軍人ではなく総指揮を任されているだけだから階級は無いんだ、だからラングレイさんなんて呼ばれている」


・ナルコ伍長とリン軍曹


幸平「特に仲が良いのはこの二人、年齢も近くて話しやすいんだ」

恵「任務も一緒が多いんだよね」

ラングレイ「ナルコ伍長に昇進の話を持ちかけたらまた断られた……リン軍曹に曹長はまだ早いか」

幸平「リン軍曹、昇進したがっていたのになぁ」

ラングレイ「曹長は隊長として小隊を指揮する事がある、分析能力や冷静さは隊長向きだがもう少し実戦経験を積ませたい」

恵「そういえば、燻製器で燻製を作るのが趣味なんだよねリン軍曹」

幸平「あれがまた美味くて……今度、フライトチキンの茹で卵を燻製してもらおうかなぁ」

ラングレイ「ナルコ伍長は教会の出身で、誰にでも礼儀正しく腰が低いが剣術の腕は中々のもので……女性ファンが多いんだ」

恵「あー、確かに分かるかも。かっこいいもんね」

幸平(何となく湧くあの親近感……嶋村くんにどことなく似てるからだったのか……)


・ミラちゃん

幸平「ミラ・エルオーサ11歳、現在俺の部屋で読書してる」

ミラ「あ、いらっしゃい。恵さんにラングレイさん」

恵「夏樹くん……これはどういう状況?」

ラングレイ「いやぁ、流石に……今年12になる女の子を部屋に連れ込むのは良くないよ。情操教育上」

幸平「いやぁ、隣に部屋を作ってもらったのに俺の部屋の方が落ち着くとかでなかなか出て行かなくて」

恵「夏樹くん……それ、建前だと思う」

ミラ「それに、幸平の作るご飯は素材は安いのに結構美味しいし」

幸平「結構生活大変なんだぞミラちゃん……」

ラングレイ(ミラちゃん……)

ミラ(何?魔道通信?)

ラングレイ(ああいうタイプはもっと積極的に攻めた方がいい、鈍感だが押し切れるよ)

ミラ(ほうほう……)

幸平「そこ!個別通信だから何話してるか聞こえないけど悪巧みしない!!」


・ルファードとシア


ラングレイ「ルファード・エルスターはテロ組織、夜明けの先導者の一員だがかつてはメルドニア王国軍の少尉だった」

幸平「弓・剣術・魔法……どれをとっても一流だけど、ラングレイさんの守護防壁を貫通する閃空……とんでもない技でした」

ラングレイ「聖騎士エルヴィンを越えると豪語していたが、あのまま強くなればいずれは……」

恵「ルファードの妹、シアさんとラングレイさんって……」

ラングレイ「ああ、シアとは両想いだった……けど付き合うまでは行っていない……が、あの出来事から彼女は自殺してしまった」

恵「好きな人がいるのに、知らない男に無理矢理されて……私より年下なのに子供が出来るなんて……不安だし悲しいし、私でも耐えられないよ」

オルディウス「シアさんとは私も顔見知りだが、犯人の名を告げぬまま自ら命を絶ったから操作も行き詰まってしまって……」

ラングレイ「それが、彼女の優しさなんだ……犯人を知れば最愛の兄であるルファードは罪を犯してしまうだろうと」

幸平「やりきれないな……今でも犯人がのうのうと生きているなんて」

ラングレイ「こんな出来事を起こさないためにも、三等制の撤廃と格差是正をしないといけないがそれも貴族たちに妨害されているのが現実だ」

オルディウス「国王という冠をつけながら、私は私の無力さを呪うよ……」

恵「ところで気になったんですけど、ラングレイさんって21歳の時にシアさんが亡くなったですか?」

ラングレイ「うん、それが?」

恵「その時、ルファードが18歳で4つ下の妹だから……シアさん14歳!?」

ラングレイ「何か、変かな?」

恵「……!?」

幸平「この世界の恋愛観ってこんな感じなのかもね」



・エルネーベ王国


幸平「チラッと名前が出ていましたが、なんですかここ」

オルディウス「かつて隣国のエルネーベ王国と我が国、メルドニア王国は戦争をしていたんだが国王ディオスを討った事により戦争は終結した。いわゆる独裁制の国家で、今は我が弟テリオスが政治アドバイザーとして復興を手伝っている」

恵「えっ?でも敵国だったんですよね!?」

オルディウス「無論、敵国だったが私が憎んだのはあくまで圧政を敷き民を傷つけた悪王ディオスとそれに付き合った大臣達だ。民に罪はない……去年、メルドニアの属国となるという声明があったが極力エルネーベを尊重し交流していくつもりだよ」


・ルグニカ001


幸平「アルバートさん……」

ミラ「私の家族を奪った男、だけど……」

ラングレイ「アルバート・クロンザム、メルドニア王国が誇る腕利きの傭兵だ」

オルディウス「クロンザム一家惨殺事件、妻と娘が陵辱された後に殺害されアルバートも拘束されたまま放置され衰弱死したという痛ましい事件の被害者だね」

ラングレイ「そして、初めて兵士として幸平が斬った男」

幸平「俺は決めました、こんな苦しい思いをする人を産まないために戦います」

恵「それにしても、異世界からやってきた科学者って誰なんだろう」

ラングレイ「鋼鉄の肉体を持つ永久機関を持つ戦闘マシン……考えるだけで頭が痛くなる」

幸平「それだけじゃない、心を無くさせるなんて……」

ラングレイ「そういえば、墓参りに行った時に友達が出来たんだって?」

幸平「ジャックですね、マリーさんの恋人だった僕と同世代の男の子です」

ラングレイ「若くして、恋人を亡くすとはな……痛み入る」


・嶋村和也

ラングレイ「彼はどういう人なんだい?」

幸平「誰にでも優しくて、成績優秀で運動神経も良いのと……都合よく女の子と仲良くなれる出来事に遭遇するというか」

恵「でも男子にも優しいよね、忘れ物した男子を助けるし……ああ!あと、腰を痛めたお爺ちゃんをおぶっているところを見た事ある」

ラングレイ「女の子にモテそうだね」

幸平「そりゃもう、男子に嫌われる程度には美少女達と仲良くなっちゃうんですよ……ただ恋愛にはそんなに興味無さそうなのがまた、男子の悪感情を招いて」

恵「凄い陰口叩かれてるよね」

幸平「嶋村ハーレムの一人が彼女、飯島恵さんです」

恵「ハーレム言わないでよ、私はこれでも一途なんだから……ところで、嶋村くんと仲が良いなら好みのタイプとか聞いてないの?」

幸平「うぇ!?えーと……大人しくて優しい女の子、だったかな」

恵「何その変なリアクション」

幸平(好きな人が出来たってメールが来たなんて言えないよなあ)


・イライザさん

幸平「お馴染みのレベル判定職人ですね」

恵「この間、レベル28とか出ましたよ。でも格闘家としてはそろそろ頭打ちだから、次辺り戦士とかやってみようかな」

幸平「近接戦を極める感じだね、俺は……治癒魔導士として勉強を始めたよ」

ラングレイ「戦線の維持役として回復役が前線にいると安定感や部隊の士気向上に役立つんだ、それに自己強化魔法が使えるようになるから幸平……あれが集中力を解放しなくても使えるようになるかもしれない」

幸平「あれですね」

ラングレイ「ああ、あれだ」

オルディウス「忘れがちだが、彼女の本職は占い師だが時には魔法の研究なんかもやっているそうだ」

幸平「何気にハイスペックですよね、イライザさん」

ラングレイ「だが、あいつの適当極まりない性格はどうにかならんか……」

幸平「でも美人ですよね」

ラングレイ「ああいうのが好みなのかい?幸平」

幸平「いえ、ラングレイさんってたまに色仕掛けされて思いきり反応してますよね」

恵「えぇ……」

ラングレイ「シアとは大違いなんだけど、何故か周囲にカップル扱いされるんだよ……」


・オルディウス王

幸平「前に登場人物紹介で、レベル高めに設定されてましたよね」

ラングレイ「というのも、かつて国立軍で兵士長を務められていたんだ。まだ前王がご健在の時にね」

オルディウス「やっぱり結構強いんですか?」

ラングレイ「集中力無しの今の幸平で勝てるかどうかって感じだね」

幸平(侮れないな……プリング◯ス)

オルディウス「護身程度は今でも出来るよ、だからこうして……杖を」

幸平「仕込み刀……!!」

ラングレイ「陛下の身分だと暗殺を狙われる事も少なくないんだ」


・三等制

ラングレイ「身分を貴族、平民、下民に分けるというもので下民は庶民と名乗る人も多い……当然だけど一番身分が高い貴族は割合が一番低く、時点で下民、平民が一番多い」

オルディウス「貴族はかなり権力が強く、罪を揉み消したり普段は禁止されているものを使えたりとまぁ……やりたい放題だ」

ラングレイ「現在は三等制は廃止に向かっているけど、貴族たちはやはり妨害している。貴族にとって最も都合のいい法律だからね」


・おまけ


幸平「ゴルニスって確か、世継ぎがいないんじゃなかったんですか……」

ラングレイ「うん、いないよ」

幸平「でも10話にゴルニスの息子が会話に出て来たんですけど……これってどういう……」

ラングレイ「ライブ感だけで話を作ってるから仕方ないんだ」

幸平「ってか、粗を探したら山ほど出て来そうだよこの感じだと!!」

ラングレイ「でも、ゴルニスは女好きで色んな女を抱いているから息子がいてもおかしくはないんだよ」

幸平「そりゃあそうですけど、世継ぎがいないってのは……」

ラングレイ「それに、世継ぎがいないって話が出たのはおまけコーナーだし」

幸平「いや、あのおまけコーナーで出た設定は本編にフィードバックされる仕組みなんで……」

ラングレイ「ごめんなさい!!俺の勘違いでした!!というか、まだ本編の流れも定まってません!!」

幸平「というわけで、ライブ感剥き出しで書いているこの『主なり』まだまだ続きます」



幸平「ところでこの作者が書いてる、天国に行けなかった男っていつ頃再開するの?」

ラングレイ「リメイク予定らしいよ」

幸平「いつ頃書き始めるんだろうね」

ラングレイ「ソー◯オブレ◯ェンディアってゲームが発売されるまでには〜とか言ってたよ」

幸平「…………開発停止になったゲームだよそれ!!」


続く

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