第2話 THEお土産交換!
~ゆずりの思い~
研修旅行明け、同じ期間で五紀も行ってたからお土産交換デートすることになった。私は台湾、五紀はディ〇ニー。行き先がかぶることもなかった。五紀のお土産楽しみだな~。
「おかえり、五紀!」
「おかえり、ゆずり!」
最寄りの駅でお互い、顔を見るなり同時に言ったから、注目を集めてしまったけど、いいよね?だって、寂しかったし…。
五紀は中学の時に転校してきてその時から仲良し。付き合いだしたのは高1の時だけど、実はお互い、中学の時から両片思いだったって言うね。あ、はなびは知ってるよ、何回か一緒にいるとこ目撃されてるしね。
電車で目的の駅で降りて、近くのファーストフード店に入って、そこでお土産交換をすることになった。
「はい、じゃあ、私からね!」
そう言って私は五紀に青いブレスレットを渡した。
「へえ!かっこいいな!」
「でしょ!実はお揃いなの!」
そう言って五紀に見せると、嬉しそうに笑ってくれた。
「やった!なんかカップルっぽい!」
「ぽいじゃくてカップルなの!」
そう言ってまた笑う。ああ、この時間がほんとに大好き!手放すなんて考えられないよ~!
「それじゃ、俺からも。ゆずり、手出して。」
「え?うん、いいよ。」
そう言って両方出すと五紀は「こっちだけでいい」と言って左手を取った。その薬指に、きれいな指輪がはめられた。
「え…?」
「…、ペアリング。いつか二人で持とうって約束してたじゃん。」
そう言って五紀はそっぽ向いてしまった。
「…覚えててくれたんだ…。」
「はあ?」
私が純粋にそう言うと五紀は変な声を出してこっちを向いてくれた。
「何言ってんだよ、お前との約束なんて忘れてやるもんか!全部覚えてる。もし不安な時はいつでも言えよ?なんでも答えてやるからさ!」
「おお!心強い!さすが、私の一番の人だね!」
「なんだそれ!」
そう言って笑ってるのに、私たちは耳まで熱くなってしまった。
その後、公園でお互いのお土産話をしたり、二人で旅行行く計画をしたり、たくさん話した。気が早いけど…。でも、すごくすごく楽しかった。
帰る時間なのに、お互い帰りたくなくて、でも帰んなきゃいけないから、私は立って五紀に「もう行こう?」といった。五紀も頷いて立ち上がった。
「待った!」
歩き始めて少しして五紀がそう言って私を引っ張った。そのまま声を出す間もなく、二人の唇が触れた。
~はなびの思い~
研修旅行明け、柳から「久しぶりにデートするついでに思い出話とかしようぜ!」って誘われた。私と柳は同じ学校だし、同じ学年だから行く所も一緒だったんだよね!
「久しぶりのデートだね!!」
「おう、研修旅行ぶり!」
そう言って私たちは笑い合った。こんなのもこれからはいっぱい出来るんだ…。なんだか楽しみ!
「でも、なんとか行けて良かったよね~。飛行機すっごく怖かった!」
「そうか?俺はジェットコースターみたいで楽しかったけどな~。」
「え~、そんなことないよ!大体、私ジェットコースター乗れないもん!」
「うわ~、はなびって怖がりなんだな~。」
「ひど!そんなこと言うならもう、柳とは飛行機のーんない!」
「え!ひど!!」
そんなバカみたいな話をしながら近くのファーストフード店に入った。これからお土産交換するんだ。楽しみ!
でも、気に入ってもらえるかな?
「じゃあ、私から!はいこれ、柳に!」
「お、ブレスレットか。うん、サイズもぴったり!ありがとな!」
「ううん、その、気に入ってもらえたかな?」
「うん!めっちゃ嬉しい!」
「良かった!」
ほんとによかった。すごい不安だったから。
「じゃあ、これをはなびに!」
そう言って柳がくれたのは私が欲しかったお守りだった。
「これ、私が欲しかったやつ!」
「え!?マジ?やった!」
「うん!ねえ、これ、『じゅうぶんこうふく』って読むの?」
お守りに書いてある『十分幸福』の読み方を聞くと柳は「さっすが!」と言った。
「そうそう、今も十分幸せだと思うけど、これから俺がもっと幸せにしてやりたいと思ってさ。これはその約束の証!」
「もう、何言ってんの!」
そう言われてすごく嬉しくて、でも、照れ隠しに柳の肩を叩いた。
「なあ、あれってはなびの友達じゃね?」
「え?あ、ほんとだ!ゆずと彼氏さんだ!こんなところで見れるなんて・!」
そこには幸せな二人の姿。でも、何してるんだろう?
「ちょっと見てようぜ!」
「そうだね!」
何してるのか気になるし、私も見てたいな。
じーっと見てると、五紀さんがゆずにお見上げを渡してた。そっか、五紀さんも研修旅行に行ってて、お土産交換してるんだ。
って、あれ?な、なんか光ってるけど、もしかしてあれって指輪じゃ…!
え!う、ウソ!あの二人、もしかして結婚とか!?
そんな事考えて一人で慌ててると柳が苦笑いしながらこっちを見た。
「おい、何一人で盛り上がってるんだよ…。」
「だ、だって、ゆ、指輪を…!」
「ゆ、指輪か~。」
そう言いながら柳も顔を赤くしていた。
「柳?大丈夫?顔赤いけど…?」
「ああ、大丈夫、だけど…。その、あの人の彼氏って、高校生だよな?」
「ん?そうだけど…。ああ、もしかして同い年であんなことしててすごいなって思ったんでしょ?」
「すごいっつうか高校生のくせに指輪かよって思って…。」
「確かに。」
私がそう言うと柳は小さな声で「会ってみたいな」って言った。
「そうだ!なあ、はなび。ちょっと耳貸してくれ」
「ん?」
そこから先はこそこそ話の内緒話。
「了解!」
「え?ダブルデート?どうしたの、急に?」
登校日の朝、私はゆずにこの前柳に言われたことを言った。
「だって、してみたくない?ダブルデート!」
「うーん、してみたいけど、なんか恥ずかしいな…。」
「えーいいじゃん、行こうよ!」
「うーん…、五紀が行くって言ったらね?」
「うん、よろしくね!」
やったね、ダブルデート、出来るといいな!
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