第21話 変遷の予兆

この射撃テストは、表示された番号の順に銃を打つ。

そのためか、とても集中力が必要なものとなっていた。

「数記、喋んないね」

「そうですね」

集中して表示された的を狙い、トリガーを引き続ける。

だが、見えないところもあったのか、結果は、650点だった。

「おつかれ」

まず、七月が数記に話しかける。

「視力ないと結構キツイぞ、これ」

「そっか、じゃ、例のアレ使うね」

「1000点頑張れよ」

「わかった!」

七月は笑顔で、射撃台まで歩いていった。

その途端、七月は使った。

『フィジカルブースト、アイズ』

テストが始まって、表示が出てきてすぐに、的を撃ちぬく。

まさに、音速で飛ぶ鳥のような速さで、表示された的を撃ちぬいていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お前、フィジカルブースト使っただろ」

「えぇ?使ってないし。覚えてないよ、そんなの」

「数記にはバレバレでしたよ?まあ、私は射撃テストに行っちゃいます。テキトーに話でもしてて下さい」

シャーロットは、射撃テストのところへ行った。

「げっ!てか、シャロは?」

「射撃行った」

「あと、普通こんな早く撃てないだろ。で、魔法で何処まで視力強化したんだ?」

「9.0」

「元マサイ族みたいに視力強化すんなよ」

「嘘、ホントは、1.2」

「ふぅ。なら良かったよ。視力良すぎると、酔うことあるんだよ。前、度強いメガネかけてたことあるから」

「数記は、眼鏡いらないの?」

「もう自分がいらないって判断したからかな。異世界についてからは一回もかけてないよ」

「変に、陰キャって言われても困るしね」

「まあな」

そんな雑談をしてる間にシャーロットが帰ってきた。

「おつかれ」

「どうだった?シャロ」

七月が、点数を聞く。

「ざっと、800点です」

「すげぇ」

「ふん。私には及ばないよ」

「じゃ、七月は何点だ?」

「950点」

数記とシャーロットはここにバケモノが居るかのような眼差しで、七月と話し始めた。

「数記、こわいぃ」

なつきが少し涙目になった。

「あぁ、ごめん七月。泣くなって」

「今日だけは、私の男って言ったでしょ?」

「そ、それは」

「私、数記にもっと甘えたい。もっと、もっと、もっと」

七月が壊れ始めた。

「もっと、もっと、もっと!私を愛して!!私を」

「七月!!」

「愛して、愛して、愛して」

「戻ってこい!!七月!!」

「めちゃくちゃに、ドキドキに、ハラハラに」

「眼を醒ませ!!どうしたんだよ!!ちゃんと受けごたえしろよ!!!」

「なつきぃぃぃぃ!!!!」

このタイミングで、シャーロットが話しかけてきた。

「魔法の副作用、もしくは、精神崩壊、もしくは、世界の謎ですかね」

「もしかして、世界の謎と関係あるのか?」

「七月は、世界の謎の重要な鍵かも知れない。今は、放って置かないで、数記がおんぶして。でないと、七月が、消滅するかも知れません」

「そんな・・・」

「でも、俺は、絶対、元の七月を取り戻したい」

「だって、俺の大切な、一番最初の、トモダチだからだ!!」

数記の信念がこの世界に変革をもたらそうとしていた。

Tobecontinued...

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