第16話 もののけそこのけけけのけ①
そのまままっすぐ行くと、階段とエスカレーターがあり、左側に、妖怪の街、右側には、餃子の商店街が広がっていた。
「なんだか、懐かしいな。この雰囲気」
「何から始めますか?」
とりあえず、気になるアトラクションは多いのだが、まず、数記はスルーするものから話す。
「ナンジャラビザと、ナンジャラ探偵団はやらない。継続的に来るわけでもないしな」
「歩きまわるのもなんかダレますしね」
「七月は、なにかやりたいのあるか?」
七月は首を傾げながら応える。
「世界の謎に関係ありそうなもの」
「いや、でもそれがなんだかよくわかっていない節があるからなぁ」
「なら、このもののけクイズのやつやってみませんか?面白そうですし」
妖怪のクイズならそこそこ得意だ。
と、いっても、目玉がお椀の中に入ってくつろいでるようなアニメしか、見たことがない数記だった。
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受付で、幽霊(?)の黒い三毛猫の置物を貰った。
そのとき、
「これを使ってサテライトを回って下さい」
と言われたが、シャーロットは、意味がわからず、「月なんてここにあるー?」と数記に聞いていた。
「キャノンなんか打ったらここ無くなるだろ」
「まず最初に、般若のところ探してみる?」
「そうしよっか」
と数記は同意した。けど、建物の中にあったから、探すのは難しいかもしれない。
「まあ、とりあえず、見つかったものからやっていこう。そっちの方が早く終わるしな」
「そうしますかね」
シャーロットは、迷わず同意してくれた。恐らく、七月は暗黙の了解だろう。
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まず最初にとてもわかりやすいサザエの妖怪のところに行った。
三択の妖怪クイズに答えるが、不正解に終わり、完全クリアの夢は、潰えてしまった。
そんなこともあり、七月は完全に意気消沈していた。
「ごめん。私のせいで」
「そんなことないよ」
すかさず、数記が慰めに入る。
「七月は、初めてだっただろ?俺も、ほぼ初めてだけど、だからみんなわからないことだらけなんだよ」
「うん」
数記は、七月のキョトンとしている顔が好きなのか、さらに話を進める。
「俺も、最初はわからないことばかりだった。実際、自分はスタンプラリーばっかやってたんだよ。と言っても、難しくて親に手伝ってもらってコンプしてたけどな」
「数記は何を言いたいの?」
「要するに、みんな最初は初心者だってこと」
「そうだよね。私、なんか間違ってた。変に間違えたくらいで落ち込んじゃって、そうやって慰められて、私ってホント情けないな」
そう言いながら、七月は、数記の肩に寄りかかってきた。
「今日、一日だけ甘えても良い?」
「まあ、いいよ。今日は、俺も七月の男でいてあげるよ」
そう言った途端、七月の顔が真っ赤になって、
「ば、馬鹿じゃないの!?私あんたと結婚する気ないんだけど!!」
「わかってるよ」
「ねぇ、カズキ。二人だけの世界を作ってるから、周りの人たちから、すごーく見られてるよ」
シャーロットの指摘で、数記と七月はハッと周りからの視線に気がついた。
「い、いや、だって、ナンジャラタウンって、か、カップルの聖地だよな?」
「そそそ、そうだよね?カズ。あははは、はは」
「いま、七月、カズって」
「あああ!私、心の中の呼び方で!」
七月はなんだかんだで、可愛かった。
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2つ目は、とてもわかりやすいナマズの妖怪のサテライトに行った。
「カズキ。私はスルーでいいですか?」
「まあ、いいけど、なんかあったのか?」
「なんか体調悪くなりそうな気がします。私こういうの少し苦手なので」
「そっか。なら、般若の時も、外で待ってるってことでいいな?河童の時も」
「そうしておきます。ジェットコースターは大丈夫なんですけどね」
数記は、シャーロットの意外なウィークポイントを見つけて、内心、少し興奮してしまった。
そうこうしているうちに、自分たちの番が回ってきた。
「もしビビったとしても、我慢しろよ」
「わかった」
猫の置物を置いたら、ナマズの出す問題が始まった。
Tobecontinued...
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