第15話 ナンジャラタウンの入場門

そして、俺達は、ナンジャラタウンに着いた。

ここは、他のところとは違って、昔の姿のままだった。

天井には、LEDによる装飾が施されている。

「なんか、3Fありそうな雰囲気だよね」

「まあな」

少し中へ進んでいくと、チケット売り場があった。

「いらっしゃいませ」

数記は迷わず、ナンジャラパスポート三枚と言って、代金を支払った。

「いってらっしゃいませ〜」

「なんかえらく普通な感じでしたね」

「大人の事情ってやつ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そのパスポートには、バーコードがあり、そこは少し今風だった。

「もしかして、ここあちら側の世界に繋がるゲートだったりして」

その可能性はなくもない。

形が現代の自動改札に酷似していると、数記は判断した。

そう考えると、俺は雄樹に無意識に電話をかけようとしていた。

「ちょっと、電話するからここで待ってて」

「「りょーかい!!」」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数記は、少し離れた、邪魔にならないところで電話を掛けた。

『もしもし。今大丈夫?』

『ああ、問題ない。どうした?カズ』

『試したいことがある。すぐにこっちの世界まで来てくれないか?あと、むこうは何曜日だ?』

『ラッキーボーイだな。日曜日だ。今すぐこっちへ向かうよ。何処に来ればいい?』

『袋駅近くのナンジャラタウンだ』

『わかった。移動手段は何を使えばいい?』

『ペッパーアイランドにチャリが置いてあると思うから、それを使って、アキバハラまで来て、そこから、馬車タクで袋が一番いいかな?こっち側の通貨ってまだ持ってるか?』

『記念と予備で、10,000ずつは持ってるから、大丈夫だ』

『じゃ、それで、時間もないんでもう切るぞ』

『おうよ。待っててくれ!』

雄樹の迷惑になるといけないので、手早く電話を切った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やっぱ、雄樹呼んだんですか?」

「七月は流石にここまで出来ないだろうと思って」

「ここまでって何?!ここまでって!」

少し怒る姿が可愛かったので、数記は頭を撫でてあげた。

「あー!七月ばっかズルいよ!!私も撫でて!!!」

「なんか役に立つことしてくれたらな」

そんな雑談をしている間に、雄樹が現れた。

「よっ」

「貴◯矢さんみたいな登場しなくていいから」

「あっそ」

なんか、雄樹は知らぬ間に特撮にはまっていた様子だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「で、僕は何をすれば」

「この改札っぽいやつで転移できるか試して欲しいんだ」

「僕、これ持ってるよ」

これは、雄樹がこの世界を離れるときに使用した、特殊パスポートだ。

これを使えば、どこでも、指定された場所にワープできるが、場所が限られてしまう。

「今日はこの特別券じゃなくて、ノーマルのを使って下さい」

シャーロットは自分が持っている予備のチケットを、雄樹に渡した。

「わかった。やってみよう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

雄樹は迷わず、ナンジャラタウンの入場門の前に立った。

「たしかに、改札っぽいな。またお別れだけど、元気にしてろよ」

「ああ」

そんなやり取りを交わして、雄樹は、虹色のパスポートをかざした。

すると、いつものごとく白い光が雄樹を包み始めた。

「数記凄い!的中じゃん!!」

「直感だけどな」

「じゃあな。AIBO」

そう言って、雄樹は元の世界へまた帰っていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「早く入りましょう!じゃないと、券が失効しますよ」

「へいへい」

「わかってるよ〜」

こののん気な三人組はひとつ目の謎を解決させた。

しかし、これくらいは、まだ初歩の初歩。

このテーマパークの謎は、この世界の謎に直結している可能性があると信じて、彼らは進んでいった。

Tobecontinued...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る