第12話 楯崎さんちのお部屋

「なにを聞きたいんだ?」

「何故、この村はLv1なのに、村長だけ文化人っぽい服を着てるんです?」

「もともと、Lv10の町出身で、ここの村長をやれって言われたもんで」

『ジョークルッキング』

周囲に電波っぽい波が出てきた。

「おい、七月。能力使ったろ」

「ええ。あいつ嘘つきです」

「そんなので分かんのかよ。すげぇな」

「天才だから、私」

「嘘つけ。おまえ、他の人から能力奪ったろ」

「それでも一通り能力手に入れるのに一年かかったんだからね」

それでも苦労しているらしい。

なんかどっかのラノベで努力してる人が好きみたいな子いたような・・・

「とりあえず、話を進めましょう。彼は恐らく、漂流者です」

「ドリフ◯ーズとでも言いたいのか?」

「バレちゃ仕方ねぇな。俺は、アメリカからこの世界に直接来たんだよ」

突然彼は語り始めた。すべてを悟ったかのように。

「はぁ!?元々この世界って日本としか干渉してなかった気がするんだけど!!」

「厳密に言うと、沖縄か?ガイドがいて、そいつに、パスポートを渡されたんだ」

「俺は、F-15ライトニングに乗って、沖縄から、本国に帰って、サブウェイにのったんだよ」

「そうしたら、いつの間にか飛ばされていた。それだけだ」

「もしかして、日系人の方ですか?」

シャーロットは、顔に疑問符をつけたような感じで質問をした。

「半分そうとも言えるな。米空軍所属のパイロットだが。でも、俺日本生まれだぞ?中学まで日本だった」

「うわ!でもすごいです!!」

シャーロットが急に、ボキャ貧になった。

「空母には乗ったことはないんだがな」

「それでもすごいです!!」

「じゃ、無駄話は終わりだ。この村を無くしたいんだって?」

「はい。ここ以外もう、すべて都市はLV3以上なんですよ?」

「そうなんだよ!それをどうにかしたいんだよ!」

七月は必死そうな眼で訴えかけた。

「俺からも頼む。どうにかしてくれ」

楯崎は、重い腰をぐっと上げた。

「まあ、やれることはやろう」

「ホントですか!?」

「しかし、この世界の真理に一歩近づいて、ファイナルポ・・・いやなんでもない」

「じゃ、この村消しちゃおっか」

「そんなことができるのか?」

楯崎は、目を見開く。

「この範囲は大丈夫かな?この村半径何メートルかわかる?」

「たしか10メートルだった気がする」

「じゃ、それで行くよ。数記、シャロちゃん、村長さんは家の方まで下がってて。迎えに来てあげるから」

「りょーかい。じゃ行こうか」

「はい!」

数記とシャーロットはダッシュで、後ろに後退した。

後ろに楯崎もついていった。

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『OK?』

「OKだ!!!」

数記は大声で叫んだ。

「いくよ!!」

『デリート、テン』

世界は一瞬で灰となって消え去る。

そしてこの土地には、何も残らず、消滅した。

「ふぅ。ざっとこんなもんかな」

『リペアミーオール』

「自分も存在が消えそうだった。ここで死んじゃったら、お兄ちゃん大泣きするかな」

七月が悲しくなった途端、勝手にワープの術が発動した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「大丈夫?」

「数記」

結局私は、数記のことが好きなのかな?

あの時の数記は、全然かっこよくなくて、泥臭くて、近づかないでって言ってる感じだったのに。

今になってみると、そんなことは減っている感じがする。

私が成長したのかな?

「泣かなくたって良いんだぞ?七月」

「数記は、私を惚れさせたいわけ?」

「そんなつもりはないって、滅相もない」

「金輪際、お前のことなんて眼中に無いし」

「そうだよね。やっぱり」

「じゃ、女の子は好きなの?」

「好きになった女の子はいないかな?恋愛なんかしたことないし」

数記はこうでなくちゃ。

私は私らしく生きよう。

私は涙を拭って、

「私は数記と一緒に行くよ。今まで一人だったけど、良いパートナーになってよね」

「シャロも居るけどいいか?言い争いはすんなよ。仲良くしろよ」

「わかってるよ」

「思い出補正が強いから、もしかしたら、お前によく頼るかも知れないけど、そんときはよろしくな」

「わかった」

私は満面の笑みで答えた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「俺は本部に戻るよ」

「お疲れ様でした!大佐」

「俺は大佐じゃないっての!大尉だ」

楯崎はバイクで、去っていった。

「さて次はどうしましょうか?」

「アキバハラでも寄る?何か最近ヤ◯ギワ本店がリニューアルしたって聞いたんだけど」

「この世界の謎もわかるかもですしね。行きましょう!で、乗り物どうします?」

「はい、質問」

「なんですか」

「電話は使える?」

「使えないです」

「ならしゃーない。チャリニケツで一人バイクでもいいか?」

「バイクって七月さんの?」

「ああ。運転できるだろ」

「まあ」

「じゃ、それで決まりで」

数記は自転車を取りに家の近くまで行った。

「ホイ」

家が消えた。

「しまったから」

「りょーかい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ほれ後ろ乗れ」

七月は俺の後ろに乗ることになった。

「レッツゴー!」

あの電気街でも、異変が起こって起こっている。

街の変遷が進んでいる。

それは、アレの影響なのか定かではない。

数記たちは、新しい一歩を進んでいく・・・

Tobecontinued...

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