第8話 数記の知り合い
雄樹、何故こんなところに?」
「僕もあのチケットをもらったんだ。そうして、気づいたら、村長をやってたんだ」
「まさか、カズキの知り合いがいるなんて・・・」
「お前も旅人だろう?」
「まあ、名目上はな」
雄樹は鼻をこすりながら応える。
「あれ、ガイドさんは?」
「僕のガイドさんは自分の街に帰ったよ」
「そう、なのか」
「私も本当はアキバハラのインフォメーションセンターに帰らなきゃいけないんですけど、カズキのことが心配だから、ずっとそばに」
「おまえってホント優しいやつだよな。シャロ」
「褒められることなんか、してないですよ」
シャーロットは顔を赤らめて言った。
「おい、こら。二人だけの世界を始めんな」
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「で、俺達の村と統合して欲しいんだよ」
「これが本題ですか?随分あっさりしてますけど、そんなのでいいんですか」
「構わないさ。なんせ、おれは半年も村長をやったんだ。もう疲れた!」
「で、この村の副村長さんは?」
「俺のガイドさん」
「まさか、元々あった村を」
「話し合いで、論破して屈服させた」
こいつ、国語の成績異常に高かったような。たしか、通知票で5しかとったことないって言ってたような。
「日本語お詳しいんですね」
「シャロ」
「はい?」
「おまえも日本語ペラペラでしょ」
「ま、まあ。漢字は全然書けないですけど」
「漢検何級レベル?」
雄樹が尋ねる。
「たぶん、準3級くらいでしょうか」
「「そんなのない」」
「ふぇ〜ん。カズキ〜勉強教えて〜」
「今度教えてあげるから。待ってろよ」
「うん」
「だから、どんだけ仲いいんだよ」
もはや夫婦漫才だ。と雄樹は顔に表していた。
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「じゃ、統合するでいいんですね?」
「ああ、頼む。ここは、アキバハラのお膝元なので、大きい綺麗な街を作りたいってのもあるしな」
「決まりで」
と言って、よく賞状とかについてくる判子をシャーロットは丁寧に押した。
「じゃ、俺も」
隣に、Lv4都市、イシダ=ミツナリの判子が押された。
「すごい名前だな」
「思わず配下にしたくなる名前だよな。カズ」
「そうだな」
「二人って仲よかったんですか?」
「いや、腐れ縁だ。中学まで一緒だった。といっても中学時代はほぼ関わってないけどな」
「助けようとするとまたなんか言われそうだし。って思って」
「結構トゲっぽいんですよ、カズは。だからしっかりと面倒を見てあげて下さい。シャーロットさん」
「言われなくとも。4時間位前、そうしようって心に決めたんですから」
「お前は、良いお嫁さんになれそうだよ。試しにくん付けしてみれば?」
やはり、雄樹は一つ格が違ったようで、
「カズキ、、、く、って言えるかこの腐れイケメン!!」
シャーロットは雄樹のことを殴りつける。
「痛って!こいつ意外と力あるな」
「カズ」
「なんだ」
「二人は多分最強のバディになるよ。少なくとも僕はそう信じている」
「おい、添乗員。チケットないか?」
「いっぱいありますよ。1枚でいいですか?てか、私シャーロットって名前あるんだけど!」
「頼む」
シャーロットは、俺と雄樹の前までわざわざ歩いてきて、渡してきた。
「何に使うんですか?」
「雄樹を元の世界に返すために」
「そういうことですか。こいつの交通マネーイジらせてもらってもいいですか?」
「僕は全然構わないよ。でもこいつ呼ばわりはいただけないな」
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「はい。これで、改札口でペッパーアイランドっていうとこの世界に戻れるよ。それで、この世界でこのカードを見て新宿もしくは、原宿って言うと今までいた世界に戻れるようにしてあげたから」
「わかりました。また遊びに来ます」
「じゃあな。元気にやれよ」
「わかってるって」
「転移。新宿」
瞬間。雄樹が白い光に包まれる。
「また遊びに来てくださいね!!」
「あ.......」
多分応答したのだろう。その途中で転移したと思われる。
「服は?」
「彼、普段着着てたから、職務質問はされないと思うよ」
「シャロ。次はどうするんだ?」
「Lv1の集落に訪問しようと思ってるんだけど、どう?」
「Lv1の集落って?」
「たぶん石器時代の生活を営んでいると思われます。でも、Lv1の都市は、その一つしかないんです」
「そっか。ならなおさらだな」
「はい!!」
柔らかくなってきたにはなってきたがまだ少し敬語を使う部分がシャーロットにはまだ残っていた。
しかし、次の集落では、恐ろしいことが起きていることもわからずにただ、二人は歩もうとしていた。
Tobecontinued...
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