第7話 衝突
「俺なんか、頼りになんねぇぞ!!」
ショッキングなことを言うかも知れないが、シャロにはしっかりと受け止めて欲しい。
今までの俺と、今の俺を受け入れてくれなければ、俺はこの家を去る覚悟の元で、数記は訴え始めた。
「俺は、半年の間、引きこもってたんだ!!」
「どこにですか?」
「自分の部屋に」
「なんでですか?」
「学校が嫌だったからに決まってんだろ!!」
「お前の世界にはあるよな?学校ってもんが」
「まあ、Lv10以上の都市には」
「俺はな、この学校で、ずっと、6年以上、いじめられてたんだよ!!」
「勉強できねぇだとか、基◯外だとか、人間の恥だとかもう散々言われたんだよ!!!」
「それを言われ続けて、立ち直れなくなって、ついには、堕落人生を歩んでいったよ」
「私は、それでも、信じたい。信じたいよ!!カズキのこと。だって、私を見くびったりしない、やさしい『初めて』の旅人さんだから、だからってそう決めつけるのはおかしいよ!!社会不適合者だからって、私や他の人を見放さないでよ!!見放された瞬間からだんだん胸が痛くなって来るんだよ!だんだん辛くなってくるんだよ!!それでも良いの!?」
「社会不適合者上等だよこん畜生!おれなんかどうせ、コミュニケーションもろくに出来ず、ただ社会の掃き溜めの下で生きてきた、ただのダメ人間なんだよ!!わかるか!」
「わかりません!!何でそんなことを自分で決めつけるのカズキは!そっちのほうがわけわかんないよ!!私があなたのことを心配した気持ちは、無駄だっていうの?そう言いたいんでしょ!!カズキのバカ!!!」
「ああ、俺はバカだよ。大馬鹿もんだよ!!だから、だからこそ、おまえを俺のせいで悪影響な人にしたくないから言ってるんだよ」
「え?」
「だから、俺のような人と一緒にいると、お前もダメになるって」
「そうとは限らないよ。だって、初めてあった時から、ついさっきまで、私と優しく接してくれていた。なのに!!だからって、そこまで性格を豹変させて、私にあなたのことを嫌いにさせたいの!?」
「そうじゃねぇんだよ。俺はお前を心配してるから言ってるんだよ。俺みたいなダメ人間になってほしくないから」
「カズキ・・・」
そう言って、シャーロットは抱きついてきた。
「俺の真似は早々するもんじゃねぇからな。これテストに出るぞ」
「嘘つけ。ホントは出ないくせに」
「やっぱり丸くなったな。シャロ」
「う、うっさい」
シャーロットは顔を真っ赤にしてた。
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あのあと、例の軍帽はかぶったままで、客間の方に向かった。
「ね、カズキ」
「なんだよ」
「うふふ、なんでもない」
営業スマイルをしながらこれを言ってくるのは、少し小悪魔じみてる気がしないでもないと数記は感じた。
しかも、さっきから超近い。なんなんだよ・・・
「あ、お久しぶりです!」
「昨日は、我々の部隊が無礼を働いてしまい、本当に申し訳ない」
「いいんです。ちゃんと治りましたし」
「そうなのか。やはり優秀な救護班がそちらにはいるのかね」
「はい!!めちゃくちゃいます!!!」
さっきからずっと、シャーロットは目を輝かせている。そんなに上機嫌なのかと数記は心の中で感心した。
「まさか、Lv8程度の武力を持ってるのは驚いたよ。我々はまだ、Lv4だというのに」
「いいえ。レベルが近いもの同士で頑張っていきましょうよ。最後は、すべての街がLv20以上になってほしいのが私の夢なので」
「武力はどうする気かね?」
「破棄はしません。でも侵略には絶対に使いません。昔、もうひとつの世界では、戦火によって数多くの人の命が失われたそうですから」
「それもそうだな。な?カズ」
「おまえは!?まさか、雄樹か?」
Tobecontinued...
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