第3話 アキバハラ
馬車に揺られること30分。数記たちは目的地に着いた。
「さあ、着きましたよ。お代は払ってあるので結構です」
「敬語やめろって」
「なんか妙に使いたくなっちゃうんです。ごめんなさい」
ただ親しくしたいだけだったからそこまで重要だとは思っていないのでひとまず、いつかできるまでしっかりと面倒を見てあげようと思った。
「お金の無駄だと思ったので、近くに降ろさせてもらいました。少し歩きますよ」
「元ヒキニートにそれを言うんじゃねぇよ」
「ひきにーとってなんですか?」
シャーロットは現代語が通じない!と思ったら遅く、言い放ってしまった。
「まあ、あれだよ。内職ってやつだよ」
「そういうことですか!」
まさか内職で誤魔化せるとは思ってもいなかった。
「早く行かないとお店閉まっちゃいますよ?」
「そうだな」
数記は重い足取りで歩き始めた。
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「着きました!」
「え」
数記は驚愕した。
「何で90年代のアキ◯なんだよぉ!」
「ここの地名は、アキバハラ。レベル12の大都市です。ってカズキ!大丈夫ですか!?」
「ダイジョブ、ダイジョブ。まさかそのままとは思ってもいなかったもんで」
「そのままとは?」
「俺の居た世界のある街の昔の姿とまるっきり同じだってことだよ」
そうなのだ。すべてがほぼまるっきり昔のままなのだ。
ロ◯ットもあれば、ソフマ◯プもあれば、ア◯メイトもある。
ましてや、ダ◯ビルもないし、U◯Xもない。
「いやぁ。何でこんなことになったんでしょうね。私も全然知りませんでした」
「て言うか俺は地名の時点で少し察した」
「そうなんですか・・・」
シャーロットは少し俺から距離をとった。
「何もそこまでしなくていいだろ」
「年頃の妹の気持ちがよーくわかった気がします」
こんなに直球150km/hで飛んでくるとは思えなかった。
「オタクってのはね。妹さえいればいいってことだよ」
「気持ち悪いですねそれ」
「もうちょっとマイルドにして!痛い!!ここに、いっぱいそういう人種いるから!!!」
数記のLPが4000から2000になった気がした。
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「とりあえず、ディスカウントストアで食糧を買いましょう」
「それもそうだな」
「前の旅人が、ハラが減ってはイクサー1ができぬ!と言ってたんですがどういうことですか」
そのどこかのロボットぽいのはなんなのか。
「まあ、あれだよ。ハラ減ったら何も出来ねえから、ちゃんと飯食えよってこと」
「あなた達の世界はすごいですね」
ここ感激するんだ、と数記はとても驚いた。
「私達の世界は、いろいろな世界の文明を取り込んで大きくなってきたのでそんなことはないんですよ」
「あのチケットも?」
「そういうことです。あれは魔道具の一つなので、使ったら消えちゃいますけど」
「あとバッグの中にこんなのも入れてきたんだけど、資料として使えるか?」
と言って数記は月刊ムーのバックナンバーを出してきた。
「オカルトマニア?」
「俺、こんな髪ボサボサじゃねぇんだけど」
Tobecontinued...
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