第1135話 『弦楽四重奏曲作品41の1、2、3)』 シューマン


 シューマン先生(1810~1856)の弦楽四重奏曲は、この3曲でありますそうな。


 いずれも、1842年にまとめて書かれました。


 いわゆる、室内楽の年ですね。


 シューマン先生は、ジャンルごとに、まとめてつくってしまう傾向があり、歌曲の年が、1840年、交響曲の年が、1841年だったりします。


 とはいえ、この、3曲の弦楽四重奏曲は、なかなか、やましんに門戸を開かない、ちょっと、相性がいまいち合わない感じでありました。


 しかし、もう、なんだか、生きてるのが、残り少ないみたいな雰囲気になりますと、ちょっと、あせります。


 ならば、集中して聴いてみるしかないよ。


 もちろん、やましんが、おろかで、ばかだから、というのが、一番の理由ですし、また、最近は、聴力が良くないこともあり、なかなか、聞き取れないのであります。


 シューマン先生の曲は、なんとなく、頭から、音の塊が攻めてくる感じもあり、やましんの耳には、いささか、厳しい。


 なかで、『作品41の3 イ長調』、が、いちばん、うつうつ的に、じゅわじゅわです。


 第1楽章や、最終楽章には、次世代の作曲家さまの、各種、『弦楽セレナーデ』の、ご先祖さまみたいな雰囲気があります。


 この、ロマン派の『弦楽セレナーデ』という分野は、なんだか、独特の世界なような気がいたしますが、すでに、その香りがあるように思います。


 始まり方には、もしかしたら、ベートーベンさまの面影があるのかもしれません。


 第3楽章の、アダージョ・モルト、が、非常に神秘的で、深淵です。


 全体的に、丁度良いくらいに、うまく、まとまっていて、長からず、短かからず、割に、聴きやすいです。


 第2楽章は、シューマン先生らしい個性的な音楽で、全体でいちばん、快活で、なおかつ、複雑みたいです。変奏曲みたいになっていて、ちょっとばかり、シューベルトさまの、『死と乙女』的な、雰囲気もありますような。いかにも、弦楽四重奏的な、趣があり、語弊はあるかもしれないが、聴いていて楽しくもあります。


 最終第4楽章は、明るすぎずに、さらに、やはり、ちょっと、音の重ねかたが独特で、ややくすみ気味な、しかし、繰り返しの多いリズミカルな雰囲気が、舞曲ふうに、親しみやすくもあります。


 さらに、全体的に、やはり、かなりメンタル的には繊細で、傷つきやすい雰囲気も漂います。


 『弦楽四重奏曲』は、作曲家さまにとっては、非常に難しいものであるそうで、防護服なしで、強敵と闘う世界みたい。


 聴いているのは、ハーゲン弦楽四重奏団の録音です。


 


 


 


 

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